「暮らしの中の仏教語」
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腐爛(腐乱)
 あるお宅を訪れた時のことです。タイミングを合わせたかのように、その家へ夕張メロンが送られて参りました。夕張メロンと言えば高級品です。送り主も新鮮なうちに食べてもらおうと、ロケット便という速いトラック便を利用されたようです。
 奥様は私にも食べさせようと、早速その一つを切ってくださったのですが、残念ながら食べられる状態ではありませんでした。どの一つを切っても同じです。この夏の猛暑の為、トラックの中にある内に熟うれ過ぎてしまったのでしょう。クール便だったら良かったかもしれません。速さにだけ気をとられて失敗してしまったということですね。
 せっかくの好意も、生なまゴミを送りつけるという結果に終わってしまいました。気をつけたいものです。
 ところで腐爛(乱はあて字)という語があります。腐はくさる、爛はただれるですから、この語を聞いてあまり良いイメージは涌きません。腐ったり爛れたりすることはそんなに悪いことなのでしょうか。
 科学的に説明申し上げれば、腐るとは有機物質が微生物によって分解されることです。腐敗菌と呼ばれる菌が有機物の特に蛋白質を分解して、アンモニア、アミン、硫化水素なとに変えてしまうんですね。これが悪臭を放ったり有害だったりということにもなります。もちろんそんなものを食べたら大変ですから、人間は食べません。しかし使いようによっては腐爛も大切な役をしますね。
 昔、仏教僧は腐ふ爛らん薬やくと名づけられる薬のみ用いたそうです。薬用とする大小便のことです。人間を含む動物が捨て去ったものは、土に返せば植物の肥料になることを皆様御存じでしょう。
 せっかくのものを腐らせるのは残念ですが、効果的な方法で自然界へもどせば、そこに生命の再生リサイクルが行われることも、知っておきたいものですね。
 腐爛は有機物が自然に帰る一過程です。


広大寺 住職へのメール    koudaiji@khaki.plala.or.jp

 
 

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