「暮らしの中の仏教語」
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沙門・婆羅門
 坊さんの書いた掛け字が、床の間に掛けてあるのをよく見かけます。どなたの書しょかと署名を拝見しますと「沙門しゃもん○○」とあったりしますね。そこで沙門良寛とあるから、沙門は良寛の号だったのか等と思う人はいないでしょうか。
 沙門とは古代インド語サマナ・・・の音写語で、勤息ごんそくと漢訳されます。善行に勤・め悪を止息・する義で、仏教僧のことですね。インドの坊さんには沙門と婆ば羅ら門もんの二種類があり、沙門婆羅門と続ければ、インド中の一切の宗教家を指すと言ってよいでしょう。
 説明の都合上まず婆羅門について申し上げますと、婆羅門はブラフマナの音写語でカーストの最高位を指します。この婆羅門階級は、宗教・教育・文化等を司る特権階級で、その先祖は梵天ぼんてんの口くちから生まれたんだそうです。つまり神様の子孫であり、最もえらい人達ということですね。
 この人達に対抗して、今から三千年も前に、身分制度に囚とらわれない自由な出家者達が出現しました。この人達を沙門と称します。婆羅門階級ではないが、婆羅門に負けないくらい修行し、真理を悟り、人を救う新階級です。沙門にはお釈迦様のように王族出身の者もいれば平民や奴隷階級の者もおりました。又、沙門は婆羅門が大切にするヴェーダ聖典を否認し、自分独自の教えを展開させたのです。


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