「暮らしの中の仏教語」
日常使う私たちの日本語を学んで見ませんか?
ホーム

徳用・徳用品
 スーパーへ行き、買物籠を持って店内を歩きまわりました。「お徳用」とか「徳用品」と書かれている値札が目にとまります。「値段が割安で購入者が得とくするのなら、<得用品>と書いたらよかろうに」と思いつつ、これを買って帰宅し、早速辞書を引いてみました。
 得用と徳用の両方の字が出てきましたが、「割安のことを徳・用と書く」とわざわざ註があります。次に仏教辞典を引いてみました。「すぐれたはたらきをすることを徳用(とくゆう)という。とくよ・う・と読んで、使って得になること・利益になることをいう」とあります。
 そこで私なりに判断したわけです。売る者は割安に商品を売って善い行い(徳)をした。買う者はそれを買うことで店を儲けさせて善い行い(徳)をした。しかもその商品は双方に利益を与える。それで徳なのだ・・・と納得した次第です。得とくは損そんの対語ですから、片方が得すれば片方は損につながりかねません。両方がよい・・・これは仏教の考え方に通じますね。
 道元禅師は「愚人謂おもわくは利佗たを先とせば自らが利省はぶかれぬべしと、爾しかには非ざるなり、利行は一法なり、普あまねく自佗を利するなり」とのお言葉を残されました。
 おろかな人は「人に利益を与えることを先にするのは自分の損をすることになる」と思うけれども、利行はそんなものではない。自分にも他人にも普ねく利益を与えるのである。そういうことですね。
 自他に利益を与える存在は金品に限りません。私達はお経の徳用によって安楽を得、自分にも徳用を備えるよう精進しなければならないのです。有う徳とくで応用の才能がある人を徳用の人と申します。
 今までは「どうしたら割安の買物ができるだろうか」と考えてばかりの買物をしていましたが、今後は売ってくれる店の人にも、買った品物にも「ありがとう」と言いながらの買物をしたいと考え直した次第です。


広大寺 住職へのメール    koudaiji@khaki.plala.or.jp

 
 

Copyright © 2002 koudaiji All rights reserved.
| サイトマップ