「暮らしの中の仏教語」
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博士

博士にハカセという読み方とハクシという読み方がありますが、
今は読み方の別による違いは無いようですね。

仏教的には昔、ハカセと読む声明のことを指しました。
最初は梵唄(ぼんせい)の音譜をさしたのですが、
梵密の声明集をはじめ、朗詠するいろんまものにこの音譜が
使われたことから、声明一般を使う言葉になったのでしょう。
博士と書かずに墨譜(はかせ)と書くこともあることが、
それを物語ってます。
また、ハクシと読むと
「宗義に広く通じた学識ある僧」を指し、
論議の折には探題(論議を定める人で勅命によって補せられる)
に任じられたそうです。

もともと博士とは、律令制下の官僚名で、
学生の教育に従事した者の称でした。
大学寮、陰陽寮、典楽寮にそれぞれ博士(はくし)職を置き、
それぞれを司る長としましたが、歴史とともに博士も変わってきたと申せましょう。

博士のうち、陰陽博士が特に抜きん出て一般化し、博士といえば
陰陽博士のこと、更に転じて、陰陽、学問に詳しい者・・・へと変わってきたのでしょう。
平安時代には陰陽と密教が合わさって神秘的、俗言的となり、
江戸時代には陰陽と新道が習合した土御門神道ができるなど、
博士は陰陽とともに様々な歴史をたどってきたようです。


ところで三宝荒神は、天台宗・真言宗などかなりの宗派で信仰される
習合系の神様ですが、その供養法に弊帛(へいはく)を手にして
次のように敬白する祓いの祭文があります。
「神と清浄なる博士を以って祓いを致せば
身には一期の間愁いなく・・・・・・・・・・いわゆる本有具生(ほんねぐしょう)の
薩た羅神也(さつたらじんなり)」
そして
「オンケンバヤケンバヤウンバッタソワカ」
と真言を唱えます。

僧侶が博士を名乗るのは、いかにも習合的ですが
とにかく博士とは専門的知識に広く通じてる者ということでしょう。
陰陽博士に限らず、それぞれの道に精進して、
文字通りの博士の士となってゆきたいものです。



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