輪番
元享元年(1321)に今の曹洞宗大本山総持寺を
開かれた瑩山(けいざん)禅師は、たくさんの弟子を育成されましたが、
この総持寺を継いだ二世の峨山(がさん)禅師は、更に多くの弟子を育てられました。
その数は三代目を決めるのに迷うほどで、有力な弟子五人を後継候補として絞るのが精一杯だったようです。
最終的にはこの五人の弟子が開いたお寺(五院)の住職が、
輪次に総持寺の正住となることで話がまとまったのですが、
このように交代で特定寺院の住職を務めることを「輪番」と申します。
徳川幕府の参勤交代などは、是を真似たのかもしれません。
皆が成りたがる住持職を輪番制とする寺院を輪番地、その住職を輪番住職と称しますが、この輪番には
長所と短所があります。
つまり、皆に住職を務める機会を与える一方で、
あまりくるくる交代して、落ち着いたお勤めが出来ないという面のある事です。
中にはついつい何もしないまま任期を終えたり、あるいは任地に趣く事さえしない住職まで出て来てしまいます。
これでは単なる名誉職としての住職で、中身は別のものに化してしまうかもしれません。
大本山総持寺は五百年の輪番制を経て、明治三年、ついにこの「輪番」を廃し、独住制と致しました。
独住とは輪番でない住職、つまり独りの住職がそのままお勤めを続けてゆくことですね。
普通の寺院並みに、任ぜられたら引退するか死ぬときまで住職をやり続ける
と言うことになりましょうか。
(独住制もマンネリ化に気を付けなければなりませんが・・・)
現今、「●●役を輪番にする」とか「輪番でその任に当たる」とか使われている輪番ですが、
長所と短所に気をつけて輪番していきたいものです。
好ましい事も、嫌われる事も輪番で勤める事は、一つの解決法かもしれません。
広大寺 住職へのメール koudaiji@khaki.plala.or.jp
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