二世・後世
日本語は不思議な言葉で、同じ漢字でありながら読み方を変えることによって、その意味を変えてしまう語がありますね。
分別(ふんべつ・ぶんべつ)、銀杏(いちょう・ぎんなん)、二世(にせ・にせい)、後世(こせ・こうせい)などたくさんあげられます。漢字だけでなく、英語のglassなども、ガラスとグラスという二つの読み方で、指す物が違うんだそうです。
いやはや日本人は実に器用なことをする国民ではありませんか。ところでここでは、その二世と後世についてお話致しましょう。
二世(にせ)とはこの世とあの世(現世と来世)のことで、二世の契りといえば夫婦になることを指します。そう申し上げると、「夫婦は死んでお墓に入っても一緒だからな」なんて考えて納得する人もいますが「あの世でも結ばれようとする」からなんだそうです。∧子は一世、夫婦は二世、主従は三世、他人は五世∨という俗信からきています。また二世は結婚によって生まれる子供のこと、二代目のことなどを指しますね。このように「にせ」と「にせい」は違う意味であることは明らかでしょう。
次に後世(ごせ)ですが、私達が死んだ後にゆくあの世のこと、来世の別名です。後世での生を後生といいまして∧後生願いを良くする∨とは、あの世へ行ってからの自分の幸せを願って、この世で善い事をたくさんしておくことだと、皆様すでに御承知でありましょう。
この後世もこうせいと読むと、この世の後の世代のことで、「後世に名を残す」とは、後代のこの世に名を残すことですね。
二世や後世をにせ・ごせと読めば本人の生きる世の中を指し、にせい・こうせいと読めば、本人が去った後のこの世に関する語か?そんな風にでも考えて、読み方による違いを認めるしかないような気が致します。いずれにしても、自分の人生の後先に悔いのない一生を過ごしておかなければなりませんね。
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