「暮らしの中の仏教語」
日常使う私たちの日本語を学んで見ませんか
親・親近・六親
 親という字は、左側の「しん」と「見」から成り「目をひっつけてよく見ること」を表しますね。これから転じて「したしい」意になり、具体的には「おや」・「みうち」(特におや)を表す語となりました。おや・みうちは親しみ近づく関係にあることから、親近と言えば疎遠の反対語となったわけです。
 この親近は教典中ではシンゴンと読まれ、法華経安楽行品には、何に親近すべきか、すべきでないかが説かれていることをご存じでしょうか。「常に座禅を好みて閑かなる処に在りて其の心を修摂せよ」と座禅への親近などをすすめる一方「国王・王子・大臣・官長に親近せざれ」などと、避けるべきものが説かれておりますので確かめてみて下さい。
 さて、一般に近親の関係にある人を親近者といい、多く血族・姻族を指すのが今日的な親近の解釈ですが、これも仏典に由来すると申せましょう。無量寿経(むりょうじゅきょう)や梵網経(ぼんもうきょう)では、六親(ろくしん)として
一・父
二・母
三・兄
四・弟
五・妻
六・子
をあげ、これが標準ですが、違う数え方もあります。
 父子兄弟夫妻をあげる時も在れば、父母兄弟姉妹(比丘の六親)、伯叔兄弟子孫(父の六親)、鼠姨兄弟子孫(母の六親)と数えるときもあります。これは数える人の立場の違いによるものと解釈できましょう。
 要するに自分に一番近い方から六つをあげ親近する相手が六親と言えるかもしれません。
 数え方にこだわらず、自分の血族・姻族を大切にすることに致しましょう。仏教でよく回向(えこう)される六親脊族(けんぞく)とは、すべての親族、すべての親類を指す言葉だと思えばよいわけです。そして何よりも、仏教に親近し、親近感を抱いて精進したいものです。
 六親脊族に親近し、仏法に親近し、仲良く正しく暮らしてゆけば、必ずや幸せがやってくるものと信じます。




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