兄弟 兄弟という字を見た時、私達は呉音でキョウダイと読みます。これを漢音で読めばケイテイとなりますね。そのほかヒンデイとかエトという読み方のあることを紹介し、ここではキョウダイ(ひんでい)と兄弟(えと)についてお話ししたいと存じます。
兄弟は中国・日本とも、性別に特に関係なく、同じ親から生まれたものの後先を言う言葉ですが、それから転じて同じ仲間を指すようになり、他人を親しんで兄弟と言うようになり、他人を敬って兄、自分を謙遜して弟というようにもなりました。
禅宗では更にこれを雲兄水弟(うんでいすいてい)の意味で兄弟(ひんでい)と言い、同参・同学の修行者を呼んだんですね。俗世界の兄弟に対して仏道修行をする仲間にはそれ以上の強い縁(えにし)があるとしました。実際、仏法上の親子・兄弟の繋がりを証明する「血脈」というものを相承し、今日に至っております。受戒と血脈によって結ばれた者同士は、固めの杯を交わしたやくざ者同士が肉親以上に親しむように、いやそれ以上に強く結ばれた関係となります。出家した者にとっては、仏法上の親子・兄弟以外は問題にならないということでしょうか。
とはいいながら、生みの親、肉親に対する孝の道も仏教が説いていることを付け加えておきたいと思います。
次に兄弟をエトと読む読み方についてお話し致しましょう。兄は上代語でエと読み、年上の意ですね。中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)などにはちゃんと兄の対でオトと読まれています。オトヒトの音便がオトウトでオトは男女に関わらず、年下の兄弟を指しました。おとひめさまは女です。
また、オトがエと一緒になってエトとなったのですが、エトといえば兄弟の字より干支の字を当てる方が当然ですね。干支と書いてエトと読めるわけはないのですが…。これについては別の項でお話ししたいと思います。今回は兄弟の種々の読み方、解釈を知って頂ければ幸甚です。
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