「暮らしの中の仏教語」
日常使う私たちの日本語を学んで見ませんか
干支
 十干(じゅっかん)は甲乙丙丁戊己庚申壬癸ですが、これをキノエ、キノト、ヒノエ、ヒノト等と読めるわけがないのに、どうしてそんな風に読むのか不思議に思ったことはありませんか。
 そうですね、これは訓読みで日本人が勝手にそのように読んでいるのです。中国古代の思想に木火土金水(もっかどごんすい)の五行説があり、それぞれに陽(兄)と陰(弟)をたてて十干としたものがあります。これを日本流に木の兄(きのえ)・木の弟(きのと)・火の兄(ひのえ)・火の弟(ひのえ)・土の兄(つちのえ)…と並べ、甲→癸の十に当てはめて、甲を木の兄(甲=きのえ)、乙を木の弟(乙=きのと)…と無理にそう読ませました。これでゆくと癸は水の弟(癸=みずのと)になって一件落着致します。次に十二支は子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥ですが、これもネ・ウシ・トラ等と読めるわけがありません。これは中国の十二支にインドの十二獣たる鼠牛虎兎竜蛇馬羊猿鶏狗猪をあてはめ、そう読ませているだけの話です。
 こんな芸当をする日本人は、やっぱり頭がよいのでしょうか?前記の十干と十二支を一緒にして干支(かんし)、それをエトと読ませるのも、その手でしょう。干支には兄弟があることから兄弟(えと)なんて全くすごい読み方をさせるものです。
 今日、私達は何の疑いもなく、干支をえと、甲をきのえ、乙をきのと…子をね、丑をうし、寅をとらと読んでいますが、どうしてそうなったか考えるとおもしろいと思いませんか?いやぁ、ならされるとは恐ろしいもの。そういえば秋刀魚がさんま、大和がやまと向日葵がひまわり…なんて理屈に合わない読み方をする字句がたくさんありますね。
 ところで十二支に出てくる十二の獣ですが、仏教では菩薩の化身です。十二ヶ月に一獣ずつ人天界を経廻って、衆生済度をするともいう獣ですので、新年のみならず年中、これらの動物たち、いや全ての動物を大切にして下さい。動物愛護は大切な思想です。




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