「暮らしの中の仏教語」
日常使う私たちの日本語を学んで見ませんか
立身・出世・長老



 一般に使われている立身出世の意味は、皆さまはよくご存知のことと思います。また長老についても「あの人は日本教育界の長老だ」とか「○○党の長老が寄って国会対策を話しあった」などと使われていますね。では、本来の仏教語としてはどうでしょうか。
 仏教ではお坊さんになって何年も修行を積み続けた、徳の高い人を長老さまと呼んでいます。禅宗の場合は特に長老という位をもうけ、立身をして出世するまでの僧を長老といいます。立身とは、いわゆる小僧さんの時期を過ぎて、お師匠さまから一人前になるための式を受けることをいいます。また、出世とはおさとりを身につけて、衆生教化のために世に出てゆくことをいいます。お師匠さまから一人前のお
坊さんになったとして法を受けたら、修行道場という巣から飛び立ち、今度は広く世のため、人のために尽すことをしなければなりません。本来の立身出世とは、このように地味で真剣なものであり、本当のものを身につけて、世を救い、人を救うことに身を惜しまず働くことなのです。
 今日一般に使われている立身出世や長老の意と比べてみてください。経験をつみ、その道に主たる人となったという点では似かよっていますが、その他はどうでしょうか。各界で長老と呼ばれている方々はもちろん、そうなろうと努力しておられる人には、是非本当の立身出世街道を歩いていただき、世のため、人のために尽くしてもらいたいものと祈念する次第です。





                


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