「暮らしの中の仏教語」
日常使う私たちの日本語を学んで見ませんか
色と欲




 皆様は色というとまず何を連想されるでしょうか。英語でいうカラーとかセクシーを想われた方が多いのではないでしょうか。
 色には文字通り色々な意味がありまして、ただ色と言われただけでは判断に困る時がありますね。しかし仏教本来の色(しき)の定義「形を有し、生成し変化する物質現象」を知っていれば、色と表現されるものが数多いことも納得できるでしょう。
 また、花の美しい色を生物学的にながめれば、セクシーとカラーも結びつきますね。「思い内にあれば、色外(そと)にあらわる」という句もあります。とにかく色はこの生物界の大切な要素といえましょう。
 色のないところはつまらないとばかり、どっぷり色に浸かっている人もいますが、本当の色界(しきかい)は「よごれを離れ、物質的なものがすべて清らかな世界」をいうのであり、色に色々迷う私達の世界は、色界の下の欲界(よっかい)といわれるところです。
 欲界とは、本能的欲望が盛んすぎる人間界のことですね。欲には財欲・食欲・性欲・名誉欲・睡眠欲の五欲があり、人間に特徴的なお金を欲しがる心=財欲によって代表されるでしょう。欲があるということは生きている証拠でもありますが、気をつけてつきあわなければならない代物(しろもの)です。欲張って失敗した話はたくさんありますね。
 仏様は、五欲におぼれて悪道に堕(お)ちている私達を救おうと、常に手を差し伸べておられます。
 それにしても、人間は懲りない面々です。四方赤良(よものあから)狂歌「世の中は色と金とが敵(かたき)なり どうぞ敵にめぐりあいたい」は、私達人間の気持ちをよく表現していると思いませんか。
 欲界をすぎ、色界をすぎ、無色界もすぎて、悟りに至ることこそ真(まこと)の欲張りのとる道だそうであります。





                


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