「暮らしの中の仏教語」
日常使う私たちの日本語を学んで見ませんか
三日坊主
 私たちは何かの節目をきっかけにして、習いごとを始めたり、日記をつけ始めたりするんですが、なかなか長続き致しません。四月から始めた習いごとも五月になると、やったりやらなかったりで、そろそろ放棄してしまう人も出てきているようです。ところで、このように長続きしない人のことを、三日坊主だなどと言いますね。遊ぶことは続けられても、真面目なこととなると続けるのが大変です。乞食は三日やったらやめられないといいますが、坊主は三日やっただけで逃げ出したくなる位、修行が大変というわけです。
 「酒と一緒に髪を切り、金比羅様へ願掛けも、十日と持たぬ三日坊主」という歌舞使の台斜あたりから、この三日坊主の語が知れわたったようですが、禁欲生活というのはあまり長続きしないようですね。その上、修行ではたまりません。
 しかしよく考えてみましょう。諸行は無常です。「世の中は三日見ぬ間の桜かな」というとおり、物事はあっというほどスピーディに変化してゆきます。相手も変われば、自分も変わる。良い方にも悪い方にも変わる。しかも、気をつけなければならないのは、落ちる変わり目は早いが、登る変わり目は遅いということです。下りには加速度があるが、上りは逆に減速されてしまいます。
 だから私たちは、常に上に向かって努力していないと、いつの間にか下り坂をコロコロ下へ落ちてしまっているということです。お坊さんの世界には、昔もいまも、文字通りの三日坊主があるのですが、苦しくとも大変でも、やりぬきたいものであります。そして常に、上へ上へと自分の人間性を高め、併せて菩薩行をしてゆきたいと思う次第です。




               


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