
日本郵政公社最終日2007年9月30日の窓口終了時12時30分の東京中央郵便局(左)と、オレンジ色標識の2007年10月からの横浜中央郵便局
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新郵政観戦記 ”国有会社”の実際
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【最近の話題】 明確な予告をしないで24時間営業をやめる 受け取りは、もとのとおり支店窓口で 横浜で国際切手展 7月7日はエコーはがき記念日
■ 履歴書、応募のときは信書でも返却のときは非信書 2011年11月25日(金)
郵便や信書便でないと送ることが認めらない信書とは何なのか、総務省は11月17日、「信書に該当する文書に関する指針」Q&A集を発表して「信書のガイドライン」(注1)を更新した。(以下、Q&A集を含めて「ガイドライン」と記載)
郵便法では、特定の受取人に対して差出人の意思を表示する文書または特定の受取人に対して事実を通知する文書のどちらか一方にでも当てはまる文書を「信書」と定義している(第4条第2項)。
ガイドラインでは、ひとつの書類が信書に該当する場合と該当しない場合とがあることが例示された。
求人応募のために送る履歴書は信書に該当するが、その履歴書を応募者あてに会社が返す場合には信書に該当しないという。
返送する履歴書は、採用・不採用の通知を加えなければ、受取人(応募者)に対する意思表示でも事実通知でもないという判断だ。
履歴書を単に返却するだけであれば、貨物便(個人情報の搭載が認められるもの)でも送っていいことになる。
会社が支店経由で各社員にわたす文書は、本社から支店に送る時点では信書に該当せず、支店から社員にわたす時点では信書に該当するという。
特定の受取人への意思表示や事実通知は、本社と支店との間では行われず、支店と各社員の間で行われると判断されている。
したがって、社員の給与明細書を本社から支店あてに一括で送る場合には、郵便・信書便を使わなくてもいいわけだ。
貨物として信書を送ることは違法となるが、無封の添え状・送り状を貨物に添付することは認められている(郵便法第4条第3項)。
その添え状・送り状の例がガイドラインでは図示され、貨物授受や代金に関する簡単な通信文として、「納品書」「請求書」の見出しのある文書をかかげている。
現行法を解釈するとしたら、おおむね以上のようにはなるだろう。
しかし、ガイドラインでは作文・研究論文・卒業論文は信書に該当しないとしており、これには疑問を感じる。
信書に該当しないとする理由は、「広く一般に自らの考えや研究成果を知らしめるために作成される文書」だからだという。
特定の受取人に対する文書ではないという解釈だが、特定の学校や特定の教師という受取人に対して書かれた作文であるとしたら信書に該当するのではないだろうか?
もっとも、郵便物・信書便物あるいは貨物・荷物として包装された状態では、信書に該当するか該当しないかの判定はできない。
郵便・信書便でなければ送付が認められないものについて、大きさや重さが一定範囲という基準にしない限りは、差出人の自己申告を尊重するか受取人からの違法通告に期待するか、ということになる。
◆このページでは、2007年10月1日に分社・株式会社化された郵政事業のようすを中心にした郵政関係情報を利用者の立場でリポートします。 ◆現時点で国(財務大臣)は日本郵政の100%の株主で、郵便事業会社・郵便局会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命は4社ともに日本郵政の完全子会社です。日本郵政グループと郵政ネットワークは明治初期からの利用者の料金負担で構築されてきた国民の財産であると考え、「郵政民営化」という言葉を安易には使わないことにしています。実際を考えれば、「分社」「株式会社化」です。◆このページの写真は、個人名・住所・電話番号などの個人情報が含まれている場合、その部分をかくしたり別のものに差し替えたりすることがあります。
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▼ 新郵政観戦記 も く じ ▼
→国内郵便料金早見表 11月1日現在 →ゆうちょ銀行の振替・為替料金表 11月1日現在
→ナットクできる郵便利用法 トップ →「民営化」でこわれる郵便局サービス
→休日営業する郵便局と24時間営業する日本郵便支店 (参考用) 2011年2月25日現在(PDF 270KB)
■ 履歴書、応募のときは信書でも返却のときは非信書 2011年11月25日(金)
■ 明確な予告をしないで24時間営業をやめる 2011年11月1日(火)
■ 受け取りは、もとのとおり支店窓口で 2011年9月1日(木)
■ 横浜で国際切手展 2011年7月26日(火)
■ 7月7日はエコーはがき記念日 2011年7月7日(木)
■ 47都道府県の花の切手を連刷シートに 2011年5月31日(火)
■ 郵政改革見直し法案を考えるときに 2011年4月30日(土)
■ ただちには発売されない寄付金つきはがき 2011年4月19日(火)
▼上記以前の掲載分
→14 わかりづらい案内 2010年7月〜2011年3月
→13 ちょっとだけ改革? 2010年1月〜6月
→12 利益と不利益 2009年10月〜12月
→11 すみやかな見直しを 2009年7月〜9月
→10 こわれていく工作 2009年4月〜6月
→9 国民みんなの持ち物 2009年1月〜3月
→8 説明しやすいルールがほしい 2008年10月〜12月
→7 変化のない変化 2008年7月〜9月
→6 仮の姿のままで 2008年5月〜6月
→5 第2年度にいだく疑問 2008年4月〜5月
→4 説明が足りないままの年度末 2007年12月〜2008年3月
→3 進歩を避けようとする世界 2007年11月〜2008年2月
→2 新しい”ふつう”ですか? 2007年11月〜2008年1月
→1 郵政公社から郵政会社グループへ 2007年9月30日掲載開始
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新郵政観戦記 ”国有”会社の実際 つづき↓
■ 明確な予告をしないで24時間営業をやめる 2011年11月1日(火)

横浜市北部・東部と横須賀市・三浦市の輸送拠点となっている横浜神奈川支店
(横浜郵便集中局から郵政分社により支店となった2007年10月に撮影)
ゆうゆう窓口が連日24時間営業する郵便事業会社支店が、事前発表がないままに減っている。
2011年3月以降では、下記31支店が24時間営業を取りやめた。
特に神奈川県では、9月26日(月曜日)早朝から、それまで24時間営業をしていた28支店のうち17支店が、毎日1時から7時までの6時間を休業するようになった。横浜神奈川支店・川崎港(みなと)支店・綾瀬支店という神奈川県内の郵便物輸送拠点・全3支店も、これに含まれている。
営業時間短縮についての事前の案内は、各支店が個別に行っていたくらいで、郵便事業会社の本社からも担当支社からも報道発表がなかった。それぞれの支店に出向くか、日本郵政サイトや郵便事業会社サイトで個別の支店の営業時間を調べて、ようやく気づくことになる。
24時間営業をやめること自体よりも、それを事前に告知して理解を求めないことに、「郵政省時代よりも利用者への配慮が足りなくなってしまった」と感じた。
◆ 2011年3月以降にゆうゆう窓口の24時間営業を取りやめた支店
【茨城県】 ひたちなか、筑波学園
【栃木県】 足利
【群馬県】 太田
【埼玉県】 久喜
【千葉県】 成田、東金、茂原
【神奈川県】 横浜神奈川、鶴見、港北、横浜南、横浜金沢、保土ケ谷、横浜旭、横浜泉、川崎港、宮前、登戸、綾瀬、相模原橋本、座間、大船、藤沢、小田原
【富山県】 富山(注1)、富山南、高岡
【大阪府】 大阪南、天王寺
【兵庫県】 相生
- 注1.富山支店は、併設だった富山中央郵便局とは別の場所に9月20日に移転して富山西支店と改称し、ゆうゆう窓口は24時間営業。元の支店の場所は富山南支店富山駅前分室となったが、24時間営業はしていない。
■ 受け取りは、もとのとおり支店窓口で 2011年9月1日(木)
不在留置などの保管郵便物の受け渡しを併設郵便局で行うようにしていた2010年10月21日付「受け取りは併設郵便局で」の支店が、7月末限りでその業務をゆうゆう窓口に戻した。
この支店では2010年10月から、併設郵便局の営業時間中については、留守で配達できなかった書留やゆうパックなどの受け渡しを、その郵便局の郵便窓口で行ってきた。
しかし、不在保管の通知はがきを郵便局窓口に持参しても、郵便局スタッフは隣室の支店スタッフに伝達するだけで、支店スタッフが郵便局窓口で受け渡しをした。分社状態が続いて、窓口の一本化にはスタッフ配置の効率化などのメリットはなかったようだ。
保管郵便物はゆうゆう窓口でわたすという以前の形に戻って、時間帯によっては郵便局窓口がすいている時間にゆうゆう窓口には列ができることもあり、「郵・ゆう分離」が利用者にも不便が生じている。
8月末の通常国会閉会にあたって、内閣が衆議院に提出していた郵政改革法案(注1) は閉会中審査(継続審議)の手続きがとられた。
この法案に賛成すると、「既得権集団である全特(全国郵便局長会)のまわしもの」のようにレッテルをはられることがあるが、それは勝手にやっていいただきたい。
郵便事業会社と郵便局会社とを統合して人員の効率化や利用者の不便解消をはかることなど、与野党で同意できそうなことを探ることは、最低限、必要だ。
- 注1.郵便事業会社と郵便局会社を日本郵政が吸収合併することや、ゆうちょ銀行・かんぽ生命社の議決権はそれぞれ3分の1を超えて日本郵政が保有すること(当初の郵政民営化法では10年以内の完全民営化)、全国的な郵便局ネットワークの維持などを定めようとしている。
■ 横浜で国際切手展 2011年7月26日(火)

日本国際切手展2011(PHILANIPPON 2011)が、7月28日から8月2日までパシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい)で開かれる。主催は郵便事業株式会社・財団法人日本郵趣連合・公益財団法人日本郵趣協会。→公式ホームページ
国際切手展とはどんな行事なのかは既に、2009年12月13日付と2010年11月27日付でお伝えしている。
「切手の展覧会」ではあるが、むしろ、世界各地の有資格者による「切手コレクション競争」だと考えておいたほうがいいだろう。
その展示の内容は、公式ホームページから「出品作品」→「競争出品」と開くと クラス別競争出品リストとして発表されている(PDF形式)。
あわせて、ホームページから「出品作品」→「特別出品」で、「コート・オブ・オナー」と呼ばれる名誉出品枠の出品一覧が掲載されている。
切手展主催者は、これまでのところ、上記の公式ホームページに加えてツイッター(twitter)で情報発信をしているが、切手展の関連行事についての案内が中心で、切手展そのもの(切手コレクションの展示)についての案内は少ない。
競争切手展では、出品物の内容について出品者本人や一部の審査員など少数の人にしか理解できないという分野もあり、事前に案内するのは難しい面もあるが、主催者の努力不足という印象もある。
参観する場合は、前出のクラス別競争出品リストなどから、自分で見ておきたい切手類の分野を事前にチェックしておかないと、広い展示会場の中で時間ばかりが過ぎていくことになるだろう。
クラス別競争出品リストは、英語で記載され、1から12までのグループに分けて一覧表になっている。
この中で、日本切手のコレクションは2Aとして、日本の郵便史の出品は3Aとして、日本のはがき類であれば4の一部として、それぞれリストされている。
実際の展示物の中の説明も、基本的に英語で記述される。英語に自信のある人でも、微妙な意味の違いを確認するために、電子辞書などを用意しておいたほうがいいかもしれない。
- ◆見出し写真は、横浜港大さん橋ふ頭からみた「みなとみらい」。右側「ヨットの帆」の形をしたヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの周辺がパシフィコ横浜(PACIFICO YOKOHAMA)。
■ 7月7日はエコーはがき記念日 2011年7月7日(木)

日本で最初の広告つきはがき(写真)が1981年(昭和56年)7月7日に発行されて、30年が経過した(注1)。
1981年は郵便料金値上げがあった年で、新年の年賀状は20円だった郵便はがき料金は、1月20日には30円に、4月1日には40円に値上げされた。途中の30円という料金は、年度末までの暫定料金とあらかじめ決められていた。
その時期、はがきの販売価を1枚あたり5円安くし、料金値上げ幅が小さくみえるように、広告つきはがきが発売された。発売後、こだまを意味する「エコー」や経済的という意味での「エコノミー」などの言葉から、郵政省(当時)が「エコーはがき」という愛称をつくった。
最初の広告つきはがきは、1000万枚の全国版が2社。このあと全国版や準全国版とともに1社最低10万枚の府県版の発行が始まり、翌1982年に入ると各県で毎月のようにエコーはがきが発売された。
そのブームも数年で終わる。
昨2010年度中に発売されたエコーはがきは、広告つきの年賀はがきを除くと、24件189万枚だった。そのうち民間の営利企業が広告主となったものは6件43万枚。ほかは、地方公共団体・業界団体・学校法人など、公的な性格をもつ組織や非営利の団体が広告主だった。
エコーはがき1枚あたりの広告料は、郵便料金と売価との差額5円に数円が上乗せされて10円前後になる。1回の発売枚数は現在は5万枚以上となっているようで、最低で50万円ほどの広告料支出となる。ほかに広告デザインの費用も必要となる。
インターネットが広告手段としても通信手段としても使える現代では、広告主はつきにくい。郵便はがきの差し出し数は、最近10年間で1割減っている(注2)。
はがきの販売額を5円安くするという発想は、はがき料金が3カ月間に2倍になった時代のものだろう。
小口であっても頻繁に郵便物を差し出す個人利用者には料金割引の恩恵がほとんどない現状では、むしろ1円引きか2円引きでもいいのではないか。
それでも、はがきが広告媒体として役立つかどうかはわからないが。
注1.最初の広告主は、東芝と本田技研工業。写真のはがきは、料額印面(切手部分)の風景にちなんで、新宿郵便局(東京都)で発行日に記念押印している。「エコーはがき記念日」という名の記念日は設定されていない。
注2.年賀状と選挙郵便物は除外した第二種郵便物(郵便はがき)の引き受け数は、2000年度は75億1881万通(総務省郵政企画管理局集計)、2010年度は67億9647万通(郵便事業会社発表)。
■ 47都道府県の花の切手を連刷シートに 2011年5月31日(火)
各都道府県の花を描く切手47種の連刷(れんさつ)シート2組が、7月15日に発行される(郵便事業会社 5月26日発表)。
2008年7月1日から2011年5月2日まで10回に分けて発行されてきた「ふるさとの花」の50円切手47種と80円切手47種をそれぞれ1シートにまとめたものだ。「ふるさとの花(全国47都道府県の花)」と題されている(注1)。
47都道府県の花の連刷シートといえば、1990年4月27日に発行されたものがある(写真)。当時の手紙料金62円の切手47種を北から順に並べたものだが、このときは47種について1種ごとの20枚組シートも同日に発売された。切手の原画は地方ごとまたは県ごとに別々の画家が描いており、並んでいる47種を見たときに「ハデなだけでまとまりのない」という印象をのこしてしまった。
2008年から発行が始まった「ふるさとの花」の原画は、50円切手・80円切手のそれぞれについて1人の切手デザイナーが担当し、47点について同じ手法で描いている(注2)。報道発表された写真をみる限り、50円切手47種シートと80円切手47種シートのそれぞれが、セットとしてまとまりを感じる。
シートの耳紙(余白)には、これまで10回に分けて発行された切手のうち80円切手のシートと名と同じように花の模様が配してある。これは、封緘シールとして使ってもらうことを意図しているそうだ。
今回の連刷シートの難点は、少し大きい80円切手のほうが、A4判のポケット式ファイルに入るギリギリの大きさになるということか。
これまでも「ふるさとの花」は、手紙や絵はがきを差し出す人によく使われている。今年は発行中止になる「ふみの日」の切手(注3)よりも、手紙を書くことの宣伝に役立つのではないだろうか。
- 注1.郵便局での販売価格は、50円切手のシートが2350円、80円切手のシートが3760円で、額面どおり。シート単位で販売される。
- 注2.原画デザインは、50円切手が貝淵純子(かいふち じゅんこ) 氏、80円切手が中丸ひとみ(なかまる ひとみ)氏。両氏ともに郵便事業会社の切手デザイナー。
- 注3.7月22日発行予定だった本年の「ふみの日」の切手について郵便事業会社は5月13日、東日本大震災の影響で発行を中止すると発表した。
-
◆ 1990年発行「ふるさと切手・花」 47種連刷シート

50枚シートだが、上段の両端と下段の右端はタブ(切手ではないシール部分)。
■ 郵政改革見直し法案を考えるときに 2011年4月30日(土)
この4月20日、日本での郵便創業から140周年をむかえた。
明治4年3月1日、新暦になおすと1871年4月20日、東京−大阪間で国営の郵便が始まる。
翌1872年8月には、ほぼ全国規模の郵便網ができあがる。
その後、1875年には郵便為替や郵便貯金の事業が、1916年には簡易保険事業が始まり、それらの副業的事業が郵便事業を支えるかたちで郵政事業全体が維持されていくことになる。
2007年10月に郵政事業の経営形態が株式会社となり、事業別に会社が分離したが、貯金などの別事業を行うことで郵政事業全体を維持しようという形は、前島密(まえじま・ひそか)たちが事業を始めた時期の考え方と大きな違いがあるわけではない。
しかし、全国の郵便局で貯金や保険が利用できることに国民が単純に便利だと感じていた時代とは違って、郵政による貯金・保険事業の拡大は民業を圧迫すると批判されることになる。創業初期、各地の名士に郵便局運営を委託することで郵政事業の全国拡大をはかったものが、その子孫が旧特定郵便局長をつとめたことから、世襲の比率が低くなってきても郵便局長は「世襲の特権」だと批判されることになる。
郵政民営化の是非が議論された時期、郵便局は1局ごとに採算があっているのかと、調査されたことがある。
しかし、日本郵政公社の時期の支社別の郵便営業収入をみると、全国の収入のほぼ30%が、東京都だけを受け持つ東京支社の収入となっている(注1)。首都で差し出される郵便物による収入が、全国の郵便ネットワークを支えている。地方ごと、局ごとに収支を計算することよりは、東京での収入をどのようにして全国に活かすかのほうが重要だった。
小泉純一郎元首相が進めようとした郵政民営化は、銀行業と保険業の完全民営化をめざす一方で、郵便事業は国営的色彩の強い特殊会社で残そうとしている。銀行と保険会社に郵便局への出店を義務づけていない。
が、民主党・国民新党連立政権になってからの改革見直し法案(郵政改革法案)は、銀行と保険会社に郵便局への出店を義務づけることで、郵便事業の維持をはかることを意図している。
この見直し法案を支持すると、「おまえは世襲の郵便局長の会を支持するのか」と批判されることになりやすいが、そうではなくて、郵便事業の歴史と国民の利便を考えれば、妥当な考え方なのではないだろうか。
日本全国が東京であれば、小泉時代の郵政民営化は適切だった。
郵便創業時に発行された切手のうちの1種「竜48文」
注1.「日本郵政公社2007」(同公社のディスクロージャー誌)による。2004年度が29%、2005年度・2006年度がそれぞれ30%。
■ ただちには発売されない寄付金つきはがき 2011年4月19日(火)
東日本大震災の被災者救助や被災地での災害予防事業のために、郵便事業会社は寄付金つきの郵便はがきと郵便切手を発行する(3月31日発表)。
寄付金つきはがきは、暑中見舞い用はがき(かもめーる=夏のおたより郵便はがき)のひとつとして、50円はがき1枚について寄付金5円を加え、6月1日に発売する。
寄付金つき切手は、額面80円に寄付金20円を加えた単独の特殊切手で、6月21日に発売する。
販売期間は、寄付金つきのはがき・切手ともに8月26日まで。
‥‥と発表されたわけだが、発売までにそんなに日数が必要なのだろうか。
新しい切手やはがきをデザインしなくても、日常的に発売されている切手・はがきに寄付金額を加える方法なら、製造時間は短縮できる。特に郵便はがきの場合は、すでに印刷済みの郵便はがきに寄付金額を加刷するだけでもいいのではないか。
公式には「ない」ことになっているが、かもめーるや年賀はがきの発売にあたっては、郵便事業会社の支店が社員に対して実質的なノルマを課している。結果として、多くの社員がはがきを自分で買い取って、額面割れで金券ショップやインターネットオークションに流している。
寄付金つきはがきも同じように扱われることになると、結局は郵便事業会社の社員が寄付金を負担することになってしまう。はがきに寄付金がついていても、金券ショップやネットオークションでは単なる「50円はがき」として扱うためだ。
過去の寄付金つきの切手類は、売れ行きが良くないのが一般的だった。それでも「ノルマ」は課さないで、一般の郵便利用者の理解を求めるべきだろう。

2000年7月19日に発行された「有珠山噴火災害」寄付金つき切手‥「+20」が寄付金20円を示している。
風水害・震災などの非常災害にあたっては、その被災者救助のための寄付金つき切手類が発行できる
ことになっている(お年玉つき郵便葉書等に関する法律第5条第2項)。