私見 (山の魅力)                                       平成12年1月

                                                                                     

1、今までの登山暦

 山に行き始めてから4年が過ぎた。最初の2年間は手探り状態の初心者で、比較的易しく誰でもが上れる山を選んだ。一緒に始めた女性を連れて、せいぜい歩行時間3時間程を目安とした。そんな条件から下越の五頭山。 残暑厳しい日で、残念ながら飯豊山が見えなくその上帰り道を間違って他人の車に同乗させてもらって、駐車場まで取りに行くというハプニングをしてしまった。その頃はガイドブックを詳細に検討しないで言われるままに山に行った他人任せの山登りだった。もっとも今だから言えるのかもしれないが・・・。 

 そんな素人がお盆休みに中央アルプスの主峰・木曽駒ケ岳に行った。突然の発案に苦労したが幸い山小屋と麓の民宿が予約できた。ゴンドラに乗りお花畑の千畳敷に降りた時、素晴らしさに圧倒された事を思い出す。そして岩だらけの山道を行列を作って1時間、乗越の爽やかな風の心地良さが、いまもかすかに残っている。小休止の後右側の伊那前岳に登りビールを飲みながら昼食とし、素晴らしい宝剣岳と優美な木曽駒を眺めしばし歓談。 戻って、宝剣山荘に荷物を一部預け中岳を通って木曽駒へ。ガレバの山頂も始めての本格的な登山をする我々には新鮮で感動的だった。濃ガ池・駒飼ノ池と廻り約2時間余り、陽が西に傾き始めた頃山荘に着き、長かった一日の旅装をとく。早い夕食後、浮かれてサンダルで宝剣岳に昇り山荘の人に大変な迷惑をかけた。 夕日が沈む時の御嶽山のシルエット、幻想的で素晴らしく遥か遠いオーストラリアのエアーズロックを思い出し過ぎ去った地に想いを馳せた。翌朝妻が御来光を見ようと起こしてくれた。寒さが少し気になったが東の空が紅く染まり、やがて太陽が顔を出す瞬間、見る人に身震いするような感動を与え荘厳な気持ちにさせる。カメラで身構えていた人もその時をじっと待っていた人たちも、歓声を上げ万歳をしているじゃあないか。こうして2泊3日の山旅は終わった。3組の夫婦達の山小屋初挑戦の山旅が。 

 3年目から少し遠出と百名山を目標に選んだ。山開きの会津駒ケ岳・越後駒ケ岳等々。そして単独登山の巻機山・武尊山・妙高山等。何れ劣らぬ名山で思い出も多い。その中で武尊山、険しい山と云う事で一回目は雨で途中リタイアし、翌週の日曜日勇んで裏見ノ滝ルートで挑戦。険しく長時間の歩きだったが、話せば色々有った感動的な名山であった。詳しい内容は「山の記録」に譲るとして制覇した山30座。実り多い‘98年だった。
 翌‘99年初夏念願の飯豊山に挑戦。前年は山開きに参加するべく準備を進めるも都合により断念した苦い経験があった。残雪の飯豊山は山の深さと・お花畑の素晴らしさ・感動的な稜線歩き等2年がかりで思い描いていた山にふさわしく心に残る山の一つとなった。 秋の上高地。長岡に来て暫くして晩秋に一人で此処に来たことが有る。確か学生時代の友人(正利君)の結婚式の帰りだったが、河童橋からの穂高山 は微かに脳裏に残ってい た。それがこうして今目の前に佇んでいる。陽に燦然と輝いているその穂高が。アルピニストの憧れの姿が此処だ。妻と二人で3時間程散策を楽しみ 来年の挑戦を心に描くのだった。 

 不幸が有ったものの28座それぞれに楽しみを与えてくれた山々だった。そうそう町内の人たちと一回(四阿山)登ったし荒沢岳にも行った。 残雪を踏んで村松の白山に登ったのは4月の日曜日だった。 ゆっくりと一歩一歩山歩きの感触を思い起こすように登った。途中何回となく後から来る妻を待ってはいたが、9合目付近で先に頂上で待つ事を告げ、ざら目雪に足をとられ汗をかきながら山頂へ。春の陽光に輝く山々の姿を感動を持って見渡した日がつい昨日のように瞼に残っている。 春山の素晴らしさをこの経験で知ったのだった。 

                                                                   

2、その 魅力

 僅か4年程の経験しかない私如きが、山の魅力などを語る資格は無いのは承知しているものの、あえて今の心情を書いてみたかった。 殆ど毎日曜日そこまで自分を惹きつけるのは何か ? 思いつくまま挙げてみる。  

1 手軽で金のかからないレジャーだから, 遠出すると高速代が掛かる。

2大自然の懐に抱かれて、気分転換が図れる。

3明確な目標が在り、それを実行し、その達成感が短期間で味わえる。

4 健康ブームで山登りは体に良い。(フィトンチッド物質による森林浴効果)

5 誰でもが認める山頂での雄大な景色とそこで飲むビールの美味しさ・・ 等等。

6 最近思ったことは、動物の本能である帰巣本能ではないかと!! 

  「山は慈母の褥」と言うし人類が誕生して 700 万年、その祖先はアフリカの大自然に育まれ自然のゆりかごで命をつないできた。 母への強い思慕の念が自然の恵み多い懐(=山)へ向かわせるのではないか・・・。自然が残っている一番多いところ・・それが山・・ 山は自分に色々な表情を見せてくれる、季節の移ろいや時間の流れ・気象の変化など、その中で自分自身と向き合い様々な事を考える時間を与えてくれる。汗を流しながら登っている時には、そんな余裕など無いかもしれないが心の底では無意識の内に感じているはずだ。無邪気な子供のようにバンザーイと頂上で叫んだことがあるだろうか ?その時まさに人は大自然に抱かれて自然に帰ったのです。  単独行で本当の自分が見えそして素直になれます。しかしまだその魅力に会ったばかり。もっとそうした感激に咽ぶよう今年もさすらいの登山に出かけます・・・・自分の百名山を作るべく・・・

 

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