熊森の見解 NEW 2/3午後10時〜放映NHKテレビ 
 プロフェッショナル「日本の森を救う男あり すご腕・森の再生人
  ひん死の森の復活劇 驚きの技」を見て       


新聞の番組紹介より

 日本の森をよみがえらせようと奮闘する湯浅勲さんのすがたを描く。京都市南丹市日吉町で森林組合をまとめる湯浅さんは今、「日本の森をよみがえらせる希望の星」と注目されている。荒れていた広大な人工林を生まれ変わらせ、関係者を驚かせたのだ。



<熊森の感想>
  まず、湯浅勲さんという人物は、仕事に対する姿勢もすばらしく、大変魅力的な人でした。


 以下は、彼と何の関係もない話であることを断っておきます。

 番組内容についての感想

 NHKが「日本の森を救うとか、瀕死の森の復活」とかのタイトルを出していたので、大変期待してスタッフらで見せていただきました。

感想

@タイトルに反して、番組45分間中に、1回も、森の映像が出てこなかったのには、びっくりしました。
 出てきたのは、平野虎丸氏いわく、木材生産用の植林地だけでした。
森と、木材生産用の植林地は、まったく別のものです。
森は、神様が棲むところ。
クマをはじめとする種々雑多な野生生物の棲息地です。
保水力が抜群で、こんこんと清らかな水が湧き出しているところです。
昔から、「森なくして人なし」といってきた森は、このような森をさしています。
今こそ、日本語を整理しなければ、話がややこしくてたまりません。
もちろん、人間が膨大な量の紙などを使うようになった今となっては、人工林も大切です。
しかし、それを失うと人間が生きていけなくなるのは、野生生物の棲息地である森のほうです。

今回のタイトルは、まず、報道内容に合わせて、日本の人工林を救う男あり 
すご腕・人工林の再生人 ひん死の人工林の復活劇 驚きの技
」としていただきたかったです。

A人工林の荒廃振りをNHKが、国民の前に出してきたことに、驚きました。
 これまで、熊森が、「奥地の人工林が荒れ果てて、林内は茶色一色。動物が棲めなくなっている。人工林がお化けの森のように倒れている。あちこちで崩れだしている。7割が放置人工林だ。国民にこの実態を伝えてほしい。国策の失敗によって、この国は豊かな森を失って滅びようとしている」と、何度訴えても、マスコミも国も、奥山人工林荒廃の事実を隠して報道してくれませんでした。しかし、今回のテレビでは、国民の前にはっきりと、日本の森は10年後、総崩れとなり禿山になるとか、3割が既に危険な状態とか、人工林の荒廃振りを出してきました。

 いったい、国の意図は何だろうという視点で、見てしまいました。


 その結果の感想は、日本の山が荒れたのも、林業が成り立たなくなったのも、誤った国策のせいなのに、番組では森林組合の前近代的な体質のためということに、矮小化されていました。森林組合のみなさん、これでいいのですか。

B日本の林業は明るい希望という一方で、具体的な数字が出てこなかった
 例ですが、スギ1本1000円、搬出費8000円補助金漬けで、やっと採算が取れる林業の実態。これが、森林組合の経営努力でどこまで改善されたのか、数字で知りたかった。

C森の再生が急務
 山が人工林ばかりでは、国は滅びます。人工林は山の3割まで、それ以下は森に戻す。本当の森の再生についての、番組を作ってほしいです。国策である拡大造林は、今すぐ、廃止すべきです。山は、材木さえ取れたらいいのではなく、森でなければならないのです。

D以前、NHKの番組に出演したときのことを思い出す
 テレビを見なくなって久しい生活です。今読んでいる「うさぎ!」という本によると、テレビは、ある意図のもとに作られた番組を使って国民を洗脳するための道具であるということになっています。国がどういう意図のもとに、このような番組を作り始めたのか、わかるような気がしました。熊森は、この番組を使い、だから動物が出てくるようになったのだということに使わせていただこうとおもいます。これまで、都道府県行政は、森が豊かで、何の問題もないのに、動物たちが山から出てくるといい続けてきましたから。

 それにしても、以前、NHKの番組に出していただいたときのことを思いだしました。はるばる奥地の森の中に連れて行かれて、インタビューに答える形で取材を受けました。しかし、インタビューに答える前から、分厚い台本がすでに出来ていました。台本に沿わないことを応えると、何度も何度も「NG」を出され、しまいに泣きそうになったものです。私はこのときから、テレビを信用できなくなったのです。お気の毒に、一緒に行った町長さんは、NGを出されても、答えを変えなかったので、放映された番組を見ると、全面カットでした。そのときの会話は次のようなものでした。

NHKディレクター「町長さん、クマのような恐ろしい動物と共存しようという熊森と、どうして組まれたのですか」
町長さん「クマなんて、おとなしいおとなしい動物じゃ。凶暴性なんか何もないよ。クマもサルも、うちの町の住民です。 いて困ったことなど1回もないです」
NHKディレクター「町長さん、怖いといってくれないと、番組にならないじゃないですか。もう一度やり直し」
NHKディレクター「町長さん、クマのような恐ろしい動物と共存しようという熊森と、どうして組まれたのですか」
町長さん「だから言ってるじゃろう、クマなんて、怖いことなんて何もないよ。おとなしい動物なんじゃ」
このようにして、町長さんは、番組からカットされたのです。今となっては、懐かしい思い出です。