これまで共存してきた、何の被害も出さないヌートリアが
殺されてしまうかも知れない!
兵庫県伊丹市昆陽池(こやいけ)
兵庫県伊丹市にある昆陽池には、ネズミの仲間である外来種、ヌートリアが棲んでいます。以前は数が増えすぎないようにと、地元の獣医さんがボランティアで、避妊去勢手術をされていました。
ところが外来生物法ができ、ヌートリアは特定外来生物に指定され、日本から根絶、または数を減らすべき動物とされてしまいました。法律でヌートリアを移動させることが禁止されてしまったため、池で捕獲して動物病院に運ぶことができなくなってしまいました。
昆陽池ではヌートリアがいてもあまり問題にはなっておらず、池を管理している伊丹市は積極的に殺したいとは思っていません。手術ができなくなり、困ってしまっています。
熊森が環境省に問い合わせたところ、「駆除が必要だと判断したときは駆除するのが好ましいが、野外にいるものを見つけ次第殺さないといけない、というものではない。放っておいても、法に触れるものではない」とのこと。伊丹市には、このままヌートリアを受け入れていただきたいです。
昆陽池では、ヌートリアは市民にも人気があります。おとなしく、何の害もないヌートリアを、これまで殺す以外の方法を
とっていたのに、外来生物法ができたために殺さなければならなくなるなど、人道上、到底許されることではありません。このような問題が起きないよう、外来生物法の見直しが必要です。
(ヌートリアについて)
■ヌートリアはネズミの仲間で、1939年頃、毛皮をとる目的で南アメリカ中部、南部から輸入されました。各地で養殖されていましたが、終戦と共に需要がなくなり、逃げ出したり、放されたりして野生化しました。
■昆陽池のヌートリアは、もともと水路を通じて、自然に入ってきたものです。
■伊丹市では2年間、手術をせずにヌートリアの頭数調査を行いました。頭数は毎年20〜30頭で、爆発的に増えるということはありませんでした。寒さに弱いため(関東では近年絶滅)、年取った個体はかなりの割合で昆陽池から姿を消しています。寿命は2〜3年で、手術などの対策をしなくても増えないと思われます。
■昆陽池では、植物を食べたり、巣を作ったところの地面が時々崩落することがありますが、そこは人が立ち入らない場所であり、またヌートリアは臆病なため、人への危害もありません。昆陽池にヌートリアがいても、あまり問題ではありません。
■武庫川水系では、10年ほど前からヌートリアが見られるようになり、今では上流の三田にもいます。昆陽池で何か対策を行なったとしても、外からまた入ってくるので、キリがありません。 |