1.雨の目蛇の目
2.梅雨入りに傘のことなど
1.雨の目蛇の目
(04/06/28 up)
あるサイトの掲示板を覗いていたら、季節柄、雨の話が雨で連想する歌という
話題に発展していた。雨の歌というと、洋楽にも音楽に疎い小生でも浮かぶ名曲
が数多くある。それこそ、列挙するだけでも一日仕事になる。
日本に限っても数えきれないほどに雨にちなむ歌がある。ここでは、題名に雨
が出て来る曲に限ることにする。
筆頭にというわけじゃないけど、スタイリッシュな欧陽菲菲の「雨のエアポー
ト」や「雨の御堂筋」は、彼女の太股に見惚れていたような。昔、どれほど歌っ
たかしれない湯原昌幸の「雨のバラード」。傘の花が咲く…が切なく絵画的で印
象に残っている三善英史の「雨」。
佳山明生と日野美歌がそれぞれに歌い、それぞれがヒットした「氷雨」内山田
洋とクールファイブの、前川清の眉間に皺を寄せて歌う様が忘れられぬ「長崎は
今日も雨だった」もいい曲だと思う。
やや古くは、淡谷のり子の「雨のブルース」は渋い! 我がお姉さま、西田佐
知子の「アカシヤの雨がやむとき」は絶品。新川二郎の「東京の灯よいつまでも」
も、歌詞に雨が出て来る印象的な歌だけど、そこまで広げると切りがなくなる。
他にも、朝丘雪路の「雨がやんだら」も好きな曲。八代亜紀の「雨の慕情」も
名曲だ。太田裕美の「9月の雨」は、この数年、流れる機会が減ったけど、切迫感
があって、センチになるにはピッタリの曲だ。そうだ、彼女の「雨だれ」も、舌
足らずで甘ったれ風で忘じ難い。可愛い、でも歌唱力のある田川寿美の「しゃく
なげの雨」も好きな曲。藤あや子の「むらさき雨情」は、彼女が和服姿で目の前
で歌ってくれたらと切に思う。都はるみの「大阪しぐれ」も小粋な歌だ。絶唱調
じゃないはるみさんもいいね。わりと最近だけど、山本智子の「東京雨ん中」も
好きだ。
[他にも、野口五郎の「オレンジの雨」など、名曲がたくさんあるね。 (04/06/28 追記)]
雨の歌というと、演歌や歌謡曲だけじゃない。童謡にだって、忘れて欲しくな
い歌がある。八代亜紀の「雨の慕情」を歌っていると、ついつい連想してしまう、
北原白秋作詞の「アメフリ」が、まず浮かぶ。「あめあめ降れ触れ もっと降れ」
となると、「あめあめ降れ降れ かあさんが…」と、どうしてもつなげたくなっ
てしまう:
http://www.d-score.com/pg/A03050601-1.html
雨 雨 降れ 降れ
母樣が蛇目でお迎ひ嬉しいな
ピツチピツチ チヤツプチヤツプ
ランランラン
他にも北原白秋作詞の童謡「雨」も名曲である:
http://www.d-score.com/pg/A02032501-1.html
雨がふります、雨がふる。
遊びに行きたし、傘はなし。
紅緒のお下駄も緒が切れた。
北原白秋で雨というと、決して忘れてはならないのが、「城ケ島の雨」だろう:
http://wagesa.cool.ne.jp/music/j-senzen/jogashimanoame.html
雨はふるふる 城ケ島の磯に
利久鼠の 雨がふる
雨は真珠か 夜明けの霧か
それとも私の 忍び泣き
この歌は、奥田良三が歌っていたらしいけど、現代だと、誰に歌ってもらうの
が一番いいのだろう。すぐには思い浮かばない。「大きな古時計」のように、ま
た、平井堅というのも芸がないし。誰か若手でじっくり歌ってくれないかな。
ところで、話が元に戻るけど、北原白秋作詞の「アメフリ」に出て来る歌詞の、
「母樣が蛇目でお迎ひ嬉しいな」に出て来る「蛇の目」がガキの頃、今一つピン
と来なかったような記憶がちらっとある。
蛇の目のジャというのが、蛇だという直感だけはあったような気がするが。下
手すると、我輩のことだ、お母様とやらが蛇の目で…、ってことは、蛇の目で、
冷酷無比な目で、ボクを迎えに来る…、ってことは、迎えに来るなんてのは、真
っ赤なウソで、実は出来の悪すぎるボクを何処かに連れ去っていくんじゃないか
…。
歌詞の中に、蛇の目とだけあり、蛇の目傘とは書いてない(歌ってくれない)
ので、幼心には、歌っていても、あるいは誰かが歌うのを聴いても、どうにも、
ピンと来なかったような気がするのである。それとも、そんな感覚を持っていた
のは、小生だけなのだろうか。
後に続く、「ピツチピツチ チヤツプチヤツプ ランランラン」が楽しげなば
かりに、歌詞の怖そうな感じとのギャップが大きかったのかもしれない。
それとも、我が幼少の頃、蛇の目傘というのは一般的だったのだろうか。蛇の
目というと、すぐに蛇の目傘を当時の小生も連想できたのだろうか。
そういえば、小生の場合、決して、お袋は呼称の上では、お母様ではなかった
から、間違っても、「母樣が蛇目でお迎ひ嬉しいな」なんてことはありえなかっ
た。クソ! そんな家もあるのかと、嫉妬していた可能性もある。
ま、今となっては、当時、どんな風に思って歌っていた(歌わされていた)の
かは、忘却の海の底なのである。
まあ、蛇の目というと、蛇の目傘もあったし、当時(昭和三十年代前半の話)
蛇の目ミシンもあったはずである。さすがに、蛇の目で迎ひとあっても、蛇の目
ミシンで迎ひとは思わなかったはずだ(断言はできないが)。
ちなみに、「蛇の目ミシン工業株式会社」は健在である:
http://www.janome.co.jp/company_name.htm
ここで、せっかくなので、蛇の目傘の数々を見てもらおう:
http://www.gendaiya.co.jp/s_wagasa.htm
実は、この拙稿を綴ろうと思ったのも、この和傘の数々を見てもらいたかった
からでもある。是非、紹介したかったのだ。油紙の蛇の目傘、羽二重の蛇の目傘、
番傘もある。舞傘は、テレビの舞台などで見かけたことがある。野点傘も風情が
あって宜しい。
そうそう、説明が遅れたが、蛇の目傘とは、「上から見た形が蛇の目に似てい
ることからこう呼ばれだし、現在では番傘より細身の色あざやかな傘を総称して
蛇の目傘と呼びます」とのこと:
http://www.wagasa.com/defaultdocs/03ichiran/contents/04.html
日頃、愛用していた十年モノのビニール傘も、先般、とうとう紛失してしまっ
た。今は、折笠で、骨が本当に折れている代物を後生大事に使っている。傘を差
すとき、とても苦労する感じに愛着があって、手放せないのである。
これが無くなったら、次を買い求めることになるが、気の小さい小生のこと、
油の匂うような番傘など、買う勇気が湧きそうにない。これが我ながら情ない:
http://www.k-komaki.com/kasa/bangasa.htm
04/06/03 記
2.梅雨入りに傘のことなど
昨日だったか、東京も梅雨入り宣言が出たらしい。小生は聞き逃したが、まあ、
宣言が出ようがどうだろうが、梅雨入りしていることは、このやや陰気なる曇天
を見れば、嫌でも分かる。
梅雨入りを英語に訳すと、「Beginning of the rainy season」になるのだ
ろうか。どうも、これじゃ、到底、入梅のニュアンスなど嗅ぎ取れない。
これだったら、小生が折々、表現しているように、「ハッピーバースデー・ツ
ーユー」とでも訳したほうが、よほど、雰囲気が出る(ような気がする)。
まあ、思うに、「Beginning of the Plum Shower」などにならなくて、まし
ということかもしれない。
では、さて、入梅の雰囲気やこの季節の気分を梅雨を経験したことのない人た
ちに、どう表現したら分かってもらえるのだろう。
ま、たださえ、鬱陶しい季節なのに、余計、気分が滅入るような疑問を弄くる
のはやめておこう。
さて、梅雨入りである。梅雨と言うと、傘。なので、傘の話題を中心にあれこ
れ思いを巡らせて見る。雨に纏わる話題については、「雨の目蛇の目」で既に大
方、触れてしまったことだし。
ところで、昨日、車中でラジオを何気なく聴いていたら、我が意を得たりと頷
くような意見を窺うことができた。それは、大意として、次のような話だった。
この季節、傘に世話になることが多いのだが、中でも、不意の雨に活躍するの
がビニール傘。かなりの人は、用が済むと、捨て去るか、でなければ、気が付く
と何処かに忘れ去ってしまう。
でも、ビニール傘のいい面もある。それは、傘を透かして風景が見えるという
こと。その演歌歌手でもある女性がキャスターを勤めるラジオ番組で、彼女は、
雨の日の風景を眺めるのは好き、だから、透明なビニール傘というのは結構、気
に入っている、できれば、そこそこの値段で、ファッション性のあるビニール傘
を売り出してもらえないか、そんな話をしていたのだ。
値段は、彼女は三千円を切るほどなら、買うかも、などと言っていた。小生に
は、手の届かない値段で、この辺りは、ちょっと経済観念が違うのか、それとも
ファッションに掛ける思い入れの問題なのかと思ったりもする。
ところで、小生、ビニール傘は重宝している。もう、十年ほど昔、失業時代の
冬の夜のことだった。
その日は夜になって雪が降り出し、一面、真っ白になっていた。そろそろ我が
邸宅に帰り着こうとするところで、ある商店街の路上にビニール傘が落ちている
のが目に入った。見た感じ、真新しい。捨て去られたものなのか、拾い上げてみ
ると、骨が一箇所、折れている。
そう、小生、その時、生憎、井上揚水の歌じゃないが、傘がなかったのである。
骨が折れていることなど、何の問題もない。小生は、ありがたく、そのビニール
傘を差して帰宅したのだった(拾い上げる際、チラッと、周囲を見回したことは
言うまでもない。失業保険で生活している身分とはいえ、さすがに世間体を気に
していたのである)。
拾ったもの。骨が折れているとはいえ、交番に届けるべきなのだろうか。もう、
時効なのだろうね。お巡りさん、世間の皆さん、御免なさい。
そのビニール傘。一体、何年、お世話になったろうか。一年や二年ということ
は、小生の場合、ありえない。モノを紛失したり忘れたりしない、ケチな性分な
のである。その傘、では、一体、いつ、どのようにして我が手元を離れていった
のか、情なくも明瞭には覚えていない。
微かな記憶を辿ると、いつだったか、雨の日にその傘を差してスクーターの止
めてある場所へ行き、トランクの中に入っている合羽を取り出し着用。差してき
た傘は、スクーターの取っ手の部分に差し込んで走らせた。目的地に付いた時に
は傘がまだあったのかどうか、はっきり覚えていない。
翌日、またスクーターに乗るときには晴れていたので、ビニール傘のことは、
不覚にも自分としたことが、まるで意識に上らない。やがて、幾日か経て、また、
雨の日がやって来た時、あれ? ビニール傘がない! ということでやっと傘の
不在に気が付いた、そんな経緯だったような気がする。
今は、いつだったか田舎で正月の福袋を(紳士モノの売り場で)父のために買
った際、中に立派な(小生には高級すぎる)折傘が入っていたのだが、父は何本
も傘を持っているということで、その折傘は小生が貰い受けた。その傘を今も使って
いる。
さて、話が戻るが、別に素材がビニールである必要はないのだが、とにかく透
明な傘、それも、利便性を考えると折り傘タイプで、布地が透明の傘が売り出さ
れないかと思うのである。それは、雨、あるいは雪でもいいのだが、風情ある濡
れた町の風景を愛でたいという思いがあるからである。
同時に、雨の日、雪の日だと、ただでさえ視界が天候事情で限られがちなのが、
傘を差すと、その傘の布地で一層、視野が遮られてしまう。せめて、生地が透明
であることで、視界の多少の確保が得られるのではなかろうかとも思うのである。
ところで、今、思い出したのだが、ファッション性のあるビニール傘の売り出
しを期待するという話と同時に、その歌手の方は(ブラジル出身、だけどサンバ
は知らず、親の影響もあり演歌で育ったという演歌歌手である南かなこさんであ
る。話し方が、とてもチャーミング。サンバは知らないのだが、ブラジル出身と
いうことで、デビュー曲は「居酒屋サンバ」で、振り付けも、サンバ風だったと
か)合羽のことも話されていた。
そう、傘だと、どうしても、片手が塞がってしまう。買い物などすると、片手
は荷物、片手は傘で、自由も制限されるし、いろいろな意味で安全性も損なわれ
る。などなど合羽についても、彼女は効用を強調されていた。
一応、南かなこさんの情報などを:
http://www.sachiko.co.jp/kanako/
雨傘というのは、イギリスで<発明>されたという。そんな話を昨日もラジオ
で聞いたが、実際は、もっと傘の歴史は長いし、奥が深い。
例えば、下記のサイトを参照願いたい:
「傘物語 知ってますか?洋傘の歴史」
http://www.hakata-kasaya.co.jp/torai.html
そう、昨日、初めて知ったわけではないが、6月11日は「傘の日」であるとも
ラジオで聴いた。何故、この日なのか。小生なりに思いを巡らせて見たが、どう
も、結びつかない。
ネットで調べてみると、「日本洋傘振興協議会では、入梅にあたる6月11日を
「傘の日」と定め、毎年、ファッション性や機能性など傘の持つ多様な魅力の紹
介に勤めています」だって。
なんだ、これじゃ、駄洒落のセンスを働かせる余地がないわけだ:
「梅雨と傘」
http://www.echizenya.co.jp/mini/colum/tuyu.html
このサイトに、「傘はその形状が”末広がり“のため、傘は縁起物とされてき
ました」というのは、初耳である以上に、なんとなくこじつけのような気がする
が、まあ、異議を差し挟むまでもないだろう。
尚、「イギリスと傘と紳士」をキーワードにネット検索すると、下記のサイト
が出てきた。なかなか面白い内容なので、サイトを示しておく(但し、信憑性な
どは、自己責任にて斟酌願いたい):
「イギリス雑感 第1話 イギリス人の皮膚感覚」
http://kobe.cool.ne.jp/coolzemi/essay/essay01.html
蛇の目傘など、和傘については、既に紹介した。が、せっかくなので、和傘の
数々を見ておくのもいいだろう。
和傘がもっともっと町中で見られるといいな:
「和 傘 −竹と和紙の芸術品−」
http://www.gendaiya.co.jp/s_wagasa.htm
さすがに、菅笠などは、今更、流行らないだろうな。でも、そのコンセプトは
有効だと思うのだけど:
http://www.shokoren-toyama.or.jp/~fukuoka/town/tokusan/toku02.html
そういえば、かの鷺沢萠さんのサイト、「Office Meimei」の掲示板で昨年の
夏、彼女が菅笠を買うのを断念したにちなみ、菅笠のことが話題になっていた。
菅笠を買うなら、蓑もセットがいいとか…。
ところで、ネット検索していたら、次のような正岡子規と菅笠や蓑についての
話題を見つけた。
「まだ元気だった学生時分、子規はあちこちを歩いて旅していました。その思い
出のひとつが「菅笠と蓑」です。病気になって遠くへ行くことができなくなった
子規は、これを部屋に大事にかざり眺めては、想像の中だけでも旅をして自分を
なぐさめていたのでしょう。いつまで生きていられるか分からない我が身を思う
時、どんな気持ちだったのでしょうか」だとか:
「レポート 子規堂」(伊予鉄道株式会社さんのサイトのようである)
http://www.iyotetsu.co.jp/kankou/kumo_tour/report/shiki/shikido.html
小生、初めて知ったのだが、国学者の本居宣長には、吉野山への道中を綴った
旅日記である「菅笠日記」があるのだとか:
http://www.hpmix.com/home/takase/E30.htm
04/06/12 記
背景画像は→→→

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