日本は水を大量輸入?!(付:水の話、あれこれ)  

                                           (03/03/17up)




日本は水を大量輸入?! 




 10月17日朝日新聞夕刊に「日本は水を大量輸入?」と題された囲み記事が 載っていた。
 趣旨は、水が豊富といわれる日本だが、実は形を変えて大量の水を外国から輸 入している、というもの。 
 国の機関である総合地球環境学研究所の沖大幹・助教授を中心とするグループ の試算に基づくものだ:
 「総合地球環境学研究所」 http://www.chikyu.ac.jp/
 米1`を収穫するのに5100gの水が要る。同様に小麦は3200g、トウ モロコシは2000g、大豆は3400g、必要だという。
 肉類については、鶏肉1`に4900g、豚肉だと1万1千g、牛肉では10 万gを要するという。記事の表現を借りると、「肉は大量の水が濃縮された食べ 物」ということになる。
 食糧生産に必要な水をバーチャルウオーター(仮想水)と呼ぶ。この概念を広 めたロンドン大学のアンソニー・アラン教授によると、「沙漠が広がり、水の少 ないアラビア半島などで人間が暮らせるのは、穀物つまり仮想水を輸入している からだ」と言う。
 日本が輸入している「仮想水」は、沖グループの計算によると、年間1035 億d。国内で使われる農業用水(同590億d)の2倍近い数字である。
 輸入相手国は、アメリカやオーストラリアが突出している。「水の塊」である 牛肉の輸入が多いからだという。 
 この辺りの詳細は、以下のサイトを参照のこと:
 「世界の水資源とグローバルな気候変動」
 http://www.jamstec.go.jp/frsgc/jp/news/no19/jp/topic2.html
 こうした情報は、中日新聞(東京新聞)などでは8月頃、既に紹介されている:
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/sci/20020810/ftu_____sci_____002.shtml

   ところで、「水が豊富といわれる日本だが」という、冒頭の一文は気に掛かる。 一体、誰が今更日本は水が豊富だなどと言っているのだろうか。日本は確かに、 (単位面積辺りの)降水量の比較的多い国ではあるが、山国であり、森林などで 水が多少は蓄えられるとはいえ、たとえたっぷり雨が降っても、(喩えの使い方は違うが)立て板に水の如くに、その大半は急斜面を伝って流れ去ってしまう。
 つまり、単位面積辺りで比較すると圧倒的に少ないヨーロッパなのだが、平坦 な地形が恩恵となって水が平面上に止まりやすい事情とはまるで違うわけである。
 しかも、アスファルトやコンクリート舗装などのため、本来なら地下に多少は 蓄えられるはずの水さえも、側溝などからみすみす排水されてしまうわけだ。
 こうした事情は、小生などは、常識として日本の方々に浸透しているものと思 っていた。水が豊富というのは、見かけに過ぎないのである。そして見かけの降 水量の多さが、水を粗末に扱う習性を養ってしまったのだろう。
 過去の都合の悪いことは、水に流す…、こんな発想法が多少なりともありえた のも、水が只であり、幾らでも手に入るという過去の常識に寄りかかっているか らに他ならないだろう。
 そして、こんな常識は過去のものになっていると思っていたのだが。

   さて、言うまでもなく、日本の食糧事情は最悪に近づいている。食糧自給率は 先進国では最低で、米を含めてさえも、世界の中で118番目という統計を見た ことがある。
 その自給率だが、1960年には91lだった。なのに、今の40l以下とい うひどさは何故なのだろう。政府・与党の食糧(農業)政策の劣悪さの結果でな くて、何と言うべきか。
 日本の人口が1960年に比べて2倍も3倍も増えたのか。そんなわけはない (但し、何倍も食に関して贅沢になったことは明らかである)。
 農村を徹底して破壊し、若い人材を都会などに吸い上げ、農業なんて泥臭い産 業に関わるなんてトンでもないというイメージを植え付けてきた結果なのだ。天 に唾した結果なのである。
 それなのに、米の減反政策を蜿蜒と続けている。上掲の統計数字からも、米が 仮想水の使用量からしても(牛肉の20分の1の水で済む!)、有利な産物であ ることは明らかだ。もっと、米作を大切にし、農業のイメージアップを図るべき だと思われる。
 あるいは、米から作られる食品の可能性を、もっと探るべきなのではないか。 せいぜい、御飯であり、チャーハンであり、お寿司であり、煎餅などに過ぎない。 何か、メニューの探求の余地があるのではないか。
 同時に、さんまの漁獲高の激減などで見られるように漁業も危機的状況を迎え つつある。遠洋漁業も衰退の一途を辿っている。水産物は、ますます厳しい環境 下に向かいつつあるのだ。
 それなのに、ある統計によると、年間1兆円相当の食品が廃棄処分されている という。要するに捨てられているのだ。新鮮な。作りたての弁当をコンビニや街 頭の露天の店などで売る。が、想像を絶する量の弁当が売れ残り、廃棄される。 あるいは、食堂などで食べ残される。飽食! その一方での飢餓。餓死。
 さて、冒頭で紹介した記事の締め括りに使われている言葉をここにも引用させ てもらうと、「21世紀は水をめぐる争いの世紀になる」

                                           02/10/19 01:29




水の話、あれこれ
  





 関東でも、とうとう取水制限が始まるようである。そのうち給水制限(節水の呼びか け)も始まるのだろう。
 東京について言えば、7月は極端なくらいに雨が降らなかった。梅雨も、入梅の当初 、若干雨が降っただけで、後はなしの礫に終わった。
 人間に限らず生けるもの全て、水がなくては生が叶わない。
 昔、哲学の始祖と呼ばれた哲人が万物の根源は水だと喝破した。
 それから二千年余り過ぎて、20世紀の半ば、宇宙から地球を眺めた人は、地球を水 の惑星と呼んだ。広大な宇宙空間に浮かぶブループラネット地球。
 地球の隣りの惑星である火星では、嘗ては豊富に水があったらしい痕跡が見つかって いる。が、今は極冠の付近で凍りついた水を期待されるのみである。
 あるいは木星の周りを巡る小惑星には水があるらしいと報告されている。
 今後、惑星もその他の小天体も無数に見つかっていくだろうが、地球のような微妙な バランスを保った水の惑星となると、相当に希有な存在となるのではなかろうか。

 考えてみれば水は不思議だ。酸素と水素の結合した分子に過ぎない。が、それが生命 にとって不可欠の分枝となっている。人の体の三分の二は水である。また、正常な生活 を送るには、毎日2リットル以上の水(飲料水)が必要とされている。
 さらに、入浴(シャワーや洗顔、歯磨きなど)や洗濯、洗車、庭木への散水などで、 生活用の水を一日に300リットル以上を平均して消費しているという。これは生活水 準の向上に伴って、戦後、消費量が飛躍的に増えた結果でもある。我々は水についても 、極めて贅沢な生活を送っているわけである。
 更に、農業用水、産業用の水、あるいは病院での器具や手の洗浄用にたっぷりの水が 使われている。

   ところで、日本は水が豊富だという錯覚がある。山紫水明な風景に恵まれていること を思えば、さもあらんと思われるかもしれない。
 しかし、実はその山紫水明であるが故に、単位面積辺りの降水量では遥かに少ないヨ ーロッパより日本は水が乏しし国柄なのである。つまりヨーロッパはほとんどが平坦な土地で あるのに比べ、日本は山が圧倒的に国土を占めている。
 従って、仮にたっぷり雨が降っても、斜面に注ぐ雨がどれほどあっても、流れ落ちる ばかりで、ヨーロッパのように大河や湖にゆったり、水が溜まり、あるいは流れるとい うわけにはいかないのである。
 日本を訪れるヨーロッパの人が日本の川を見て、川ではなく滝だと感じたりするのも 、誇張ではないのである。
 そろそろ日本は水に乏しい国なのだと認識を根底から改めるべき頃合いに来ているよ うだ。
 日本は水が豊富だと感じているから何事も衝突があった後、水を流せば済むという観 念を持ってしまったのだろう。また、平気で街中でゴミを捨てるのも、やがては水が( 雨が)流してくれると勝手に思い込んでいるわけである。ヨーロッパでは川の水はゆっ たりしているから、昨日捨てた紙屑が、今日も未だ、そこら辺りを漂っている、なんて こともありえない話ではない。
 まして、地球の温暖化の影響があるのか、それとも日本近海が特にそうなのか小生は 分からないが、とにかく夏は暑く、しかも水をふんだんに使う習慣が身についてしまっ たので、相対的に水は少なくなっているのだ。水は大切にしなければ。

 さて、その中でも特に関心があるのが飲み水であろう。洗濯も洗車もしなくても生き られるが、飲み水がなくては一日も生存が危ぶまれる。
 その飲み水への関心が近年、高まっている。ことに、水道水への評判がすこぶる悪い 。その悪評の原因は水道当局のせいもあるのかもしれないが、何となく、小生は水を商 売にしたがっている業者の宣伝の影響もあるような気がしてならない。
 水道水が一般にまずいとされている。まずいと言わないと味がわからない人間である かのようである。本当に水道水はまずいのか。更に安全ではないのか。
 水道水が水源の汚れ(これはほとんどが人間のせいである。生活排水や工場廃水など )の悪化で昔よりは注意深い処理が必要になっていることは確かなようだ。更に、燃や したゴミから排出されるダイオキシンが雨水と共に水源の水に混入していて、それは通 常の処理では浄化しきれないという。
 そこでここ数年、ミネラルウォーターの活躍が目覚しい。
 つまり水道水には殺菌のためなどに入れられる塩素(カルキ)臭さがあって、不味い 、それに安全性に信頼がおけなくて、その点、ミネラルウォーターなら安全だし、おい しいというわけである。
 しかし、過日、テレビを見ていたら、水道水とミネラルウォーターと蒸留水とを、そ れをどれがどれだか分からなくして飲み比べる実験をしてみたら、それらを判別できる 人はほとんどいないという結果が出ていた。
 が、予め、ミネラルウォーターだと教えられて飲むと、それが一番おいしいと答え、 水道水だと教えられて飲むと、カルキ臭いと敬遠されるのだった。
 その水道水だが、実はおいしく飲むコツがあるとも聞いている。水道水に混入されて いるカルキ(塩素)というのは、実は蒸発しやすい性質がある。というより、そうした 性質が殺菌作用と同時にあるから塩素が選ばれているのだが…。
 だから、水道から汲み取った水を冷蔵庫に安置するのである。一晩とは言わない、せ いぜい数時間で十分のようだ。つまり十分冷えていればいい。15度から20度が味覚 的に適当だとされている。
 すると、塩素は揮発しているから、カルキ臭のない、おいしい水を楽しむことができ るのだ(考えてみるがいい、一体、ミネラルウォーターを生ぬるい温度で飲む人はいる だろうか。それでいて、水道水は蛇口から出る生ぬるい温度で飲んでいる、それで不味 いというのでは、元々条件からして差別待遇があるわけだ)。手間を惜しまないなら、 煮沸して、その上で冷やして飲めば、それに越したことはない。
 それにそうした処置(冷蔵安置や煮沸など)を施した水は塩素が極少量となっている から、御飯を炊く際の水として使うにしても、適した水となる。何故なら塩素が必要以 上に残っていると、塩素の持つビタミンを破戒する作用をも、放置することになるから である。

   さて、安全性について若干、触れてみたい。ダイオキシンやトリハロメタンなど、発 ガン性を云々される物質が水道水に混入している恐れは、今日、かなりある。勿論、微 量である。でも、それらの物質は体内で蓄積する性質を持っているから、微量でもやは り問題なのである。
 さらに、問題なのは、水が腐る性質を持っていることである。
 というのは、水には微量ながら様々な不純物(有機物)を含んでいるからである。そ うした水を室温などで(あるいは冷蔵庫などでも同様)保存しておくと、バクテリアや ウィルスが繁殖する恐れが大きいのである。
 この水が腐る恐れがあるという点では、ミネラルウォーターも事情は同じである。何 しろ、名前からしてミネラルウォーターであるわけだから、黴菌には最高の御馳走にな るわけだ。この点を考えると、メーカーなどが盛んに行うミネラルウォーターが栄養も あり(これは必ずしも間違いではないかもしれない)、安全な飲み物であるという宣伝 は、話半分にして聞かないと我々には不都合だということになる。

   そろそろ一応の結論を出しておこう。といっても暫定的なものである(未だ、小生は 思案中なのである)。
 小生の考える今、一番、安全な水は蒸留水ということになる。つまり蒸留法によって 製造された蒸留水が一番、安心して飲める水となる(ミネラルウォーターは、開栓した ら、すぐ飲み終えるというのなら無難であろう)。
 敢えて、蒸留法と難しく表現したのは、自宅ではちゃんとした蒸留は難しいからであ る。煮沸すればいいという簡単なものではないし。でも、煮沸は、しないよりしたほう がいいけれど。
 蒸留した水は、当然のことながら不純物が少ない(その代わりミネラルも少ない)。 ということは、一旦、製造した蒸留水を冷蔵庫などで保存しておいても、元々水の中に 不純物は含まれていないのだから、黴菌が繁殖しにくいということになる。そして十分 に冷やして適温(15度から20度)飲めば、おいしく飲むこともできるというわけで ある。
 しかし、水は奥が深い。世の諸賢よ、お知恵拝借である。

                                           01/08/08 01:47




 

水の話、あれこれ(Sのコメントへのレス)  





 コメントをありがとう。
 そう、蒸留水は不味いし、第一、栄養分がなきに等しい。
 結局は蒸留水で作った何処かのメーカーが出しているペットボトル入りのお茶になる んでしょうね。自分ではちゃんとした蒸留水を作るのは、かなり難しいし。
 軟水と硬水も微妙だけど、重要な観点。
 とにかく、水は奥行きが深い。

   ところで浄水器については、過日、ラジオを車の中で聞いていたら、「水道水は何故 、不味い」という特集をやっていて(実は、これが今回の小生の発言の切っ掛けになっ た、そもそも本当に水道水は不味いのかという疑問も呈されていたのです)、その中で 誰かが浄水器は不潔と発言していました。
 せっかく塩素などで殺菌したのに、浄水器で浄水することで、その浄水器に自然とた まっていく雑菌の類いが改めて水に添加されることになる恐れが大きいということでし た(浄水器を毎日、新しいのに交換するわけにもいかないし)。
 それより、水道水をそのまま使ったほうが遥かにキレイな水が期待できるとか。
 この辺りの事情は、小生にはよく分かりません。利害関係のない人が、しっかり研究 してほしいと思います。

   山などの湧き水は、本当においしいです。
 が、さて、そのおいしさは、山や森に抱かれている爽やかさのせいなのか、湧き出す 水が冷たいからなのか(大体、山などで評判の湧き水は冷たいし)、電車や車に乗り、 しばらくぶりに歩いたりして疲労し喉が渇いたせいで体が水を欲しているからなのか、あるいは、やはり、元々うまい からなのか、なかなか真相が分かりません。
 ミネラルウォーターもそうだけど、湧き水も生ぬるかったら、うまいと感じるわけが ないし。
 水道水だって、スポーツなどの後に飲んだら、喉の渇きを癒す至高の水に変身するこ と、請け合いです。あの、蛇口に口をつけて飲む、ワイルドな感覚は今では懐かしいも のになってしまいました。
 あるいは、今の高校生も激しい練習の後に(最中に)水道の水を蛇口に口をつけて飲 んでいるのでしょうか。それとも、ペットボトルがちゃんと用意されているのでしょう か。
 でも、小生の田舎も名水百選のうちの三つが選ばれているような土地柄なのですが、 例えばそこで取れる葡萄は抜群ですし、現地で飲んだ葡萄ジュースは今も忘れられませ ん。そこには水の素晴らしさが作用しているに違いないでしょうね。
 水のことを真面目に考え出すと、夜も眠れなくなります(ちょっと大袈裟でした)。
 では。

                                           01/08/09 20:47