旅人とわが名呼ばれん初時雨
芭蕉(笈の小文)
「笈の小文」とは芭蕉(当時44歳)が貞享四年10月から翌年4月まで
江戸から明石、須磨まで太平洋岸を旅した記録(草稿)を
大津の蕉門の重鎮・川井乙州(おとくに)がまとめたもの
この句はその一番最初に出てくるもので
”神無月の初めの天候の定まらないのに自分はまるで風に散らされる木の葉のように前途が不安な気がして
”私は旅人と呼ばれたいと強く思う、この初時雨の出発にあたって”と詠んだもの
「初時雨」は冬の季語でその年の最初に降る雨を指すが
ここではいざ旅立つにあたっての決意や喜びの気持ちを込めた、という解釈がされているようだ
芭蕉は西行や業平らのような
旅をしながら生涯を送った詩人たちにあこがれていたという
この句はその気持ちを端的に表したものといえよう
***
長年「紅の館」を公開してまいりましたがこのたびこちらへ引っ越すにあたり
もう一度「館」のテーマを考えてみたところやはりどうしても芭蕉の句を取り上げてみたいと思いました
この句のように自分自身も旅人にあこがれているのかもしれません、、、
これからは「奥の細道」を主なテーマとして月に一度の更新を目指したいと思います
本館案内へ