木村若友白寿の会、満員の盛況
関東節の魅力を伝える口演
今年で数え年九十九歳となった木村若友を祝う「木村若友白寿の会」が九月二十一日の敬老の日に浅草木馬亭で開かれた。 若友は明治四十四年、福島県の生まれ。現在も毎月一回は木馬亭の舞台に立ち、美声を張ったかくしゃくたる芸を披露している。また若手に対して分け隔てなく芸のアドバイスもしている。そこで木馬亭の根岸京子席亭の発案でこの会が催された。
ふるさと福島県のJA全農福島からは観客全員に福島産のコシヒカリが配られるなどお祭りムードが漂う中、玉川奈々福「寛永三馬術 曲垣と度々平」(曲師・玉川みね子)、国本武春「原敬の友情」(沢村豊子)、玉川太福・東家一太郎の掛合浪曲「木村若友一代記」(玉川みね子)、木村若友「塩原多助江戸日記」(沢村豊子)と口演が続いた。
太福と一太郎の掛合では太福が若友役となり、福島弁、声色、しぐさのすべてをまねてみせて満場の喝采を浴びた。若友は多助が継母と再会する比較的珍しい場面を入れ事を入れたりして長講で演じてみせた。力むことのない自然体の口演は関東節の魅力を余すところなく伝えていた。
口演が終わると、全農福島の代表者から二本松コシヒカリ白米百キロの目録が贈呈。百歳を超えての生涯現役を貫いていただくことを皆で祝って、盛況のうちにお開きとなった。
木馬亭四十周年記念興行開催決定
十二月二十七日に浪曲協会主催で
浪曲定席木馬亭は昭和四十五年の誕生から来年で四十年となる。それを記念した公演が十二月二十七日に日本浪曲協会主催で行われることとなった。年末のことゆえ、浪曲祭りのような趣向に満ちた催しにするべく、現在検討が重ねられている。乞う御期待。
五代目天中軒雲月の放送決まる
天中軒月子改め五代目天中軒雲月の口演がNHKラジオ第一の「浪曲十八番」で十一月二十六日午後九時半に放送されることとなった。演目は義士伝から「佐倉義民伝」が予定されている。
日吉川秋水さん亡くなる
三代目日吉川秋水さんが、九月二十一日京都市伏見区の自宅で虚血性心不全のため亡くなった。八十三歳。
秋水さんは、先代秋水の姪にあたり、昭和十年、十二歳で小ひさを名乗って初舞台。少女浪曲の座長として活躍した。昭和四十一年三代目秋水を襲名後は、ケレン読みの名跡を守るため、「藪井玄以」や「水戸黄門」などもっぱらケレンねたを得意として読んだ。長く親友協会副会長を務めたが、近年は体調の不良を訴え舞台から遠ざかっていた。
大和郡山訪問公演はじまる
親友協会の社会貢献事業の一環として毎年行われている大和郡山老人福祉センター訪問公演が十月五日から始まった。これは大和郡山市と協力し、毎年十月から十二月にかけて、同市老人センターを慰問するもので、ほとんどの協会員が交代で出演する。今年はトップバッターに松浦四郎若が訪問、浪曲と歌のステージで来場のお年寄りを慰問した。12月末まで行われる。
幸いってんが無事退院
来春過ぎの復帰を目指す
急性骨髄性白血病のため入院治療を続けていた幸いってんが十月二日に無事退院。今後は故郷の淡路島に戻り、自宅での服用薬治療と療養を行うこととなった。
主治医の話では来春過ぎ辺りには舞台復帰も可能とのこと。実現に向かっての準備も少しずつ始まっている模様。早速関係者に復帰の決意を語る挨拶状が送付された。
「この度は大変ご心配をおかけ致しました。ぼちぼちと舞台復帰に向け頑張ってまいる所存でございます。今後ともご指導ご鞭撻の程どうぞ宜しくお願い申し上げます」と述べている。
あともう少し。笑顔の復帰に向けて頑張れ、いってん。
大阪樟蔭女子大でまどか、恵子が口演
東大阪市の大阪樟蔭女子大学では日本文化の魅力を学ぶ公開講座「日本文化塾」が一昨年から開かれている。今年は上方芸能の精髄に触れる講座が用意され、上方舞、能、筑前琵琶、女流義太夫などと並んで浪曲の講座も催されることとなった。
十一月十四日に行われるその講座では雑誌「上方芸能」代表で和歌山大学客員教授でもある木津川計の解説で菊地まどかが「あゝ吉岡先生」を、春野恵子「番町皿屋敷〜お菊と播磨」を口演する。学生とともに社会人も学ぶことができるこの講座は残念ながら浪曲のみの受講はできず、すでに募集は終了。
受講者が浪曲の魅力に触れる格好の機会となることと期待される。