岩崎節子師匠死去

国本武春の相三味線をつとめた岩崎節子師匠が七月三日午前六時二十分に肺炎のため亡くなった。八十八歳。

 興行師岩崎達次郎の一人娘として生まれ、子供の頃から浪曲に親しむ環境にあったが、父親に反対され、浪曲の三味線を始めたのは十九歳からだった。関東節、関西節ともにこなし、三代目玉川勝太郎の福太郎時代には合三味線をつとめたり、晩年は武春の合三味線を十七年にわたってつとめたりした。また明るい人柄とタイミングのよさで、玉川良一の浪曲コントには欠かせない方だった。

 松葉薫とおしどり夫婦としても知られる。しかし関東節のいい手を弾くにもかかわらず、薫師はわざわざ玉川美代子師匠に三味線を頼むという不思議な夫婦でもあった。

 人の気持ちが分かる方で、その場の空気をなごませることができた。芸人の鑑といえる、魅力あふれるお師匠さんだった。

 

春野恵子が横浜にぎわい座で勉強会

 五月三十一日に横浜にぎわい座地下小ホールで「春野恵子の横浜でも勉強せなあかん会?」が開かれた。恵子は「神田松」と「お夏清十郎」を口演。ゲストとして幸いってんが初お目見え。「左甚五郎 竹の水仙」をたっぷり演じた。三味線は三席ともに一風亭初月。関西浪曲の熱気あふれる公演となった。

 この勉強会は年二回ほどのペースで開催予定。

 

幸いってんが木馬亭で勉強会

 六月一日午前十一時開演で「浪曲王子 幸いってん お江戸へ参上!」と題する勉強会が開かれた。いってんは「御所桜仙之助」を沢村豊子の三味線でたっぷりと演じた後、河内音頭のさわりを披露した。今回が木馬亭初登場だったが、これからの成長がますます楽しみな、力あふれる口演だった。

 

浦太郎とももこが掛け合い浪曲

NHKBSで放送される

 東家浦太郎と太田ももこが掛け合い浪曲を演じるNHKテレビ「お好み寄席」の公開収録が六月十七日に渋谷・NHKふれあいホールで行われた。演目は「牡丹灯籠」で、東家一太郎も幽霊の役でテレビ初出演を飾った。翌週の二十四、二十五日にBS2とBShiで放送された。

太田ももこの会、久々に開催

熱演で客席を魅了

 「太田ももこの会」が六月二十一日にお江戸日本橋亭で開かれた。東家一太郎「光圀青春暴走曲」に続いてゲストの漫才・すず風にゃん子・金魚、ももこ「明暗まわり舞台」、休憩の後、ゲストの宝井琴調「大岡政談 さじ加減」、ももこ「恩讐藤戸渡り」。浪曲三席の三味線は佐藤貴美江がつとめた。

 ももこにとっては久々の勉強会だったが、大熱演で客席を魅了した。

幸枝若後援会が発足

百人余り集め盛大に

 二代目京山幸枝若後援会発足会が六月二十二日に心斎橋の割烹湖月で開かれた。日野上輝夫後援会長のもと、百人余りが集まる盛大な催しとなった。

 幸枝若が「加賀騒動」を岡本貞子、一風亭初月、京山幸光の演奏でたっぷりと口演した後、会食、カラオケ大会と続き、幸枝若は初代のヒット曲「祇園の安五郎」を熱唱、弟子の幸いってんも河内音頭を披露した。また相談役をつとめるフラワーショウの華ゆりや三原佐知子も加わって六甲おろしの大合唱で幸枝若の前途を祝した。

 

文楽劇場の浪曲錬声会
幸いってん昼夜四席気を吐く

 五月二十四日、文楽劇場小ホールで浪曲錬声会が開催された。錬声会は、十二月の大ホールの名人会に対して、若手育成をねらった番組で開催されているが、今年は大阪文化祭参加「幸いってん 四席相勤め申し候」と銘打って、いってんが昼夜二席ずつ口演し、さながら独演会のごとく気を吐いた。
 いってんは、昼「竹の水仙」「橋弁慶」、夜「小政の生い立ち」「眠り猫」を、それぞれトップとトリで口演、汗だくの大熱演だった。師匠幸枝若の引き立てで、自己アピールする場を与えてもらったものだが、四席とも師匠譲りのネタだけに、願わくば一席は、新しい方向性を模索するようなネタを掛けてチャレンジの姿勢を見せて欲しかった。
 間に美恵子、まどか、誠太郎、恵子が昼夜に分かれて出演した。ちなみに、一風亭初月は、いってんを含め昼夜六席を弾いて、こちらも大奮闘だった。

堺みはらで、浪曲サロン
四郎若が地元の新作発表

 七月十二日、堺市みはら区のMCみはらホールで浪曲サロンが開催された。美原町が堺市と合併して初の浪曲公演で、堺の歴史に因んだ新作「殉国・真説堺事件」を堺在住の松浦四郎若が発表した。明治元年堺で勃発した土佐藩士とフランス水兵の銃撃戰の結果、フランスの圧力に屈して土佐藩士十一名が堺の妙国寺で切腹させられた事件を浪曲化したもの。激動の近代史の幕開けを象徴する事件だけに、広く市民に、ことに新しく堺市民となった旧美原町の人々に知ってもらおうと企画されたもの。
 ほかに、同じく堺市在住の春野恵子の浪曲、国本武春の三味線ライブ、芦川淳平のトークショーとバラエティに富んだ演目で満員の観客は浪曲の多彩な魅力を堪能していた。

一心寺七月公演も好調
三郎が伊達騒動連続読み

 七月の一心寺寄席は、十二日から三日間開催され、梅雨明け前の猛暑にもかかわらず、好調な観客動員で賑わった。出演は、京山倖若、真山広若、天中軒月子と天龍三郎。
 天竜三郎は、伊達騒動の連続読みを三日間つとめ、寄席の楽しさを満喫させていた