| No.1431 | |
| 朝日新聞 | 2007.11.07 |
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2007.11.07 朝日新聞 経済気象台 米国の赤字減少と景気減速 1990年代半ばに米国は「強いドル」を表明し、貿易収支の赤字拡大は加速した。しかしこのところ、輸出増加率が2けた台に維持されている一方で、輸入の伸びは減速している。米国の赤字拡大にはそろそろ歯止めが掛かってきたようだ。 輸入が輸出を上回り赤字の状態が恒常化する、すなわち国際的不均衡は変動相場制下では本来起こりえない現象である。赤字国の通貨は弱くなり、輸入コストが上昇し、海外から買い物を続けられなくなる。同時に、通貨が強くなった黒字国は輸出採算が悪化し、それまでのような輸出ができなくなり、結果として均衡に向かう。 米国の場合は、石油産出国や日本、中国を含むアジア諸国の黒字国がドルを支えつづけた。ひたすら輸出を続けたい黒字国と、赤字によって膨らむ借金を気にせずに、海外からどんどん買い物をしたい米国との利害が一致していたことが、「赤字拡大」と「強いドル」を両立させた。 したがって、米国の赤字拡大が頭打ち傾向にあることは、いわば正常化の第一歩であり、望ましいはずである。ところが、あまりに膨らみすぎた米国の赤字の縮小が生産性を低下させ、経済成長率を減速させる可能性が懸念される。 米国の労働、設備以外の要素による生産性が高まったことが、ひそかにささやかれている。その見方は、米国が「黒字国の人件費の固まりの製品」を、「印刷のコストしかかからないドル紙幣」で交換しているから、というものだ。 ただし、黒字国が自国では使えないドル紙幣を持ちつづける、具体的には黒字相当分を資本輸出することが前提となっている。 この見方に立てば、赤字の減少は米国にとってすこぶる有利な交換を失い、生産性低下を招く。 こうした事態には米国の常として即効性のある大胆な政策をとりかねず、この点に留意する必要が出てきている。 (岳) |
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| 上の下線は宮崎が追加しました | |