竹林の幻闘
「そう言えば前にも似たようなことがあったな・・・。」と、彼女はふとつぶやいた。
その間にも彼女を乗せた箒は目にもとまらぬ速さで移動を続けている。
彼女の名前は霧雨魔理沙。ここ幻想郷ではいたって普通の「黒魔法使い」であった。
・・・確かにこの夜はおかしかった。まるであの幻想郷全体に紅い霧が撒かれた時のように。
そして幻想郷から春が消えた時のように・・・。
子の刻あたりから魔法の森が騒いでいた。不吉な予感を感じながらも寝る事にしたが目覚めた時、その予感は的中していた。
普段と同じように十分な睡眠を取り、目もしっかりとさえている。だが、夜が明けていないのだ!
それどころか時計の時刻が眠る前に見たときと比べほとんど進んでいなかったのだ。
時計に縛られるあくせくした生活をおくるつもりは毛頭無かったが、このまま夜が明けないのでは困る。
そして何よりも「こいつはちょっと面白そうじゃないか」、と言う事で準備もとりあえずおっとり刀で飛んできたのだ。
よく知られてはいないが↑に挙げた2つの事件を解決したのも魔理沙であった(正確には「魔理沙も協力して」)。
何故よく知られていないのかというと事件の当事者たちから見れば彼女の行動は「横から出てきて物事を引っ掻き回した黒いの。」と言う事になるのだ。
最も実際のところ、魔理沙は必死になって事件を(自分がややこしくしたことも含めた)まとめたのだ。裏で。
何故なら彼女はは努力している姿を見られるのを誰よりも嫌う努力家という困った、それでいて愛らしい性格の持ち主であるからだが。
と、言うわけで夜が止まる原因を探していた魔理沙であったが、ついにその原因らしき気配を捉えた。
竹林に飛び込みその気配に近づいていったが、近づくに連れて魔理沙の顔に焦りが出始めた。
感じられた気配は2つ。それもよく知った気配であった。
それゆえにまた、両方とも単純な力では良くて互角、悪ければ自分よりも上、という力の持ち主である事もわかっていたからだ。
だが、魔理沙は怯みも迷いもしなかった。必死の特訓と研究によって得た力をただ単純に正面から相手にぶつける。
彼女の中にそれ以外の選択肢は無かった。それはもう見ていて爽快なくらいに。
そうすると何時の間にか相手が自分のペースを乱し、勝っているのだ。
だから今回も魔理沙は腹を括り、夜を止めた犯人の前の飛び出して言った。
「動くと撃つ!」
〜END〜
お戻りはこちら TOPへ