第50回政令指定都市
身体障害者福祉団体
連絡協議会参加報告記

京都市身体障害者団体連合会
理事   田 尻 たじり  彰 あきら

 今年で第50回目を迎えた標記協議会が去る9月5日、6日の二日間、川崎市で開かれました。

 当日は、13政令指定都市から140名余りの代表者が集い、肢体、視覚、聴覚、難聴、内部の5障害団体とそれぞれの団体長の6部会で持ち寄った提出議案の検討協議が行われました。

 全般的な傾向としては、

 政権交代直後でもあっただけに、障害者自立支援法の行方を心配した様子が全体に支配していたこと、
 福祉サービス、特に移動支援や各種の給付水準などにおいて各都市間の格差が大きくなっていること、
 団体を構成する会員、とりわけ若い層の組織化の進展が見られないこと
などが共通の課題として情報交換されました。
 そんな中で、今注目されている「障害者権利条約」の地域フォーラムの動きが昨年より前進していることが報告されました。
動き出している北海道、千葉、愛知、京都をはじめ、福岡、横浜、川崎、名古屋などでも学習会の開催を通じて新たな動きが出てきていることなど、全体の半数近くでの動きが始まっていることが目を引きました。
しかし、今後は国内法の整備が前提条件となるため、地域での取り組みを強化し、引き続き情報交換を継続する取り組みの重要性を確認することとなりました。


 さて、私が参加した視覚障害部会には、12団体、30名余りが参加していました。
各団体から15の提出議案が出され、検討協議の結果共通する議案をまとめて大半が採択されました。

 部会の特徴的なことをご紹介しますと、
 第1に、情報交換を主目的とした提案が幾つかありました。
 札幌市から提案のあった各政令指定都市で実施されている「交通費助成制度」についての部分では、公共交通機関やタクシー利用の障害者割引の実態が異なる点などが浮き彫りにされました。
ほとんどの都市では障害者割引制度は整ってきているものの、タクシーの障害者割引券の給付制度においては、年間枚数の都市間格差、公共交通機関との併用の有無などに違いがあることが明らかになりました。
 また、仙台市から提案のあった「音響式信号機の音響の統一を求める要望」についても、地域によってずいぶん音響や敷設方法の違いなどがあることを再確認しました。
特に、音の信号機は視覚障害者の安全な移動を保障する最低限度の設備であるにも関わらず、音響の種類など、いまだに統一されていない部分について、早急に改善が図られるよう採択されました。
そうした現状の中では、京都の実態はより進んでいるとは思いましたが、益々交通環境が悪化する中で、当事者である私たちの願いや要望が確実に実現されていくことの大切さを痛感しました。

 第2には、「就労、雇用の確保と、安心して生活できる所得保障の施策充実」の問題です。
国が設けている「就業・生活支援センター」の機能について、視覚障害者の就労、雇用の問題が進展しない実態が報告されました。
相談機関の拡充、職業訓練科目の研究、就労定着支援の整備などが課題として提案されましたが、深い議論には到達しませんでした。
このことは、このたび本会が京都府、京都市の来年度予算に対する要望事項の中で、就労、雇用対策を最重点事項に位置づけていることからも明らかです。
一時も早い改善が各政令指定都市団体から述べられていたことが印象的でした。

 第3には、名古屋市からのアンケート調査に基づき報告された「ごみの分別方法と視覚障害者世帯への支援対策」です。
日々の暮らしに密着した「ごみ出し」が地域の暮らしにとって共存する市民としての基本的な役割であると同時に、そのことがバリアとなって地域で安心して暮らせない実態の報告がありました。
各都市によってその方法や実態は異なっているようですが、京都でもごみ袋の分別などの検討はしたものの、その後の実態についての調査などができていないことが気がかりです。

 第4には、京都から提案した「障害者権利条約の批准に向けた政令指定都市間の運動の盛り上げ」です。
先進県として知られる千葉県からの報告もありましたが、やはり視覚障害者団体の関与がいずれの都市でも弱く、今後の運動に対する視覚障害当事者の働きかけや積極的な参加の必要性を感じました。
その中でも強調されていた点ですが、障害者権利条約で謳われている「合理的配慮」の理念などについての基本的な学習を通じて、市民も含めた理解の共有が大切なことを感じています。
そして、京都で少し進みだしている他の障害者団体や関係機関との連携の輪を広げる活動こそがその早道でもあることがよく認識できた場となりました。

 その他各団体が抱える課題は多く、共通に継続した情報交換の大切さを感じています。
その具体的な方法として、名古屋市が提唱して「政令指定都市間のメーリングリスト」が創設され、今後の機敏な情報交換や問題解決の糸口として大きな期待を担うことになったのは、最近になく大きな成果でした。


 私は、本協議会にこの間連続して7年余り参加してきましたが、やはり代表者の固定化、提出議案のマンネリ化などが気になる反面、ちょっと変化が見られるのは、メーリングリストの立ち上げや、事前、事後の団体間調査などを駆使した新しい手法による協議会運営が一部に見られるようになったことです。
この動きは、提出議案を持ち寄ってもなかなか解決しないジレンマを自分たちの力で解消し、客観的に問題の所在を明らかにしようとすることが本協議会の役割であることと考えれば、参加している私にとっても大切な学習の場ではないかと思ったものです。
7名が参加した京都の代表者の一人として、広く全国の状況を研修させていただく機会が得られたことに深く感謝しています。

 来年度の次回協議会は、千葉市主管で開催されることになっています。
尚、次回開催地からの説明によりますと、ここ数年中断していた「政令指定都市間のボウリング大会」が来年度は実施されるとの情報を得ています。


「点字京都」2009年10月号より



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