私は自分のことを「大工さん」と呼んでもらうのが好きですねえ。

 小さな子供達に「大工さんって何する人か知ってる?」と聞けば、ほとんどの子供達は元気に「家を建てる人!」って答えてくれます。たぶん大人達も「家を建てる人は?」と尋ねたら、やはり「大工さん」と答える人は今でも多いでしょう。(最近そうとも言えなくなってきたのは我々としては寂しいし情けないことですが・・・)

 大工職にもそれぞれの得意な分野があり、宮大工、数寄屋大工、舟大工、指物大工、型枠大工・・等々、その持ち場によって「大工」の名の前に別の名を冠するわけです。
 さて、私はこの分類でいくと町家大工というジャンルになります。町家とは簡単に言ってしまえば町にある家(そのままですが、つまり市街地の民家・住宅のことで、詳しくは用語集を見て下さい)のことです。

 町家大工の仕事は、その地域の中にあって、住まいをして地域のみなさんの生活をサポートする仕事であると思うのです。したがって家を建てることだけが決して我々の仕事ではないのです。
 よく日常生活のいろんな場面で「こんなこと誰に頼んだらいいんだろう?」と思うことってありませんか?本来こんな時こそ我々町家大工の出番なんですよ。ですから町家大工はいろんなことができる技術をもってなくてはならないし、いろんな知識やそういう知識を持った人のネットワークも必要になってきます。
 町家というと古くて暗〜い、でもなつかしい建物を思われることでしょう。その町家の大工なんですから古い伝統的な何か特殊な職業のように思われるかも知れませんが、そうではなく古いことも新しいこともバランス良く理解していなくてはならない、我々は町中の住まいの赤ヒゲであるのかも知れません。どんな時も気持ちは常に地域のみなさんと共になければならない、それが町家大工の誇りでもあると思います。

 最近、気になることが一つ!
 世間一般では、近頃大工職を「さん」付けで呼んでもらえないことが多いように思います。小学生まで「○○の父さん、だいくやで!」、大人も「あの、だいくが・・・」というように・・・「だいくさん」と言ってもらえず「だいく」と呼び捨てになってます。これはきっと我々大工が長い時間をかけて自分達でそうしてきたのかも知れません。悪い事をしてるわけではないのですから、我々も誇りをもって堂々と胸を張ってなくてはいけませんよね。そして、まわりの人みんなから「大工さん」って尊敬の思いで見てもらえるように早くならないと・・・
 こういったことは、実は我々大工だけではないんですよ。「瓦屋さん」も「左官さん」も「建具屋さん」も「電気屋さん」も、そして「お医者さん」も・・・その職業の名で呼ばれる時は、その職を尊敬の気持ちを込めて呼んでほしいと思うんですね。こういった技術職は長年の修行が必要で、誰もがそう一朝一夕にはなることができないのですから。
 もちろん、「〜さん」と呼ばれる側の方もそれに恥じないよう自身を高める日常の努力が必要であるのは当然のことですが。

 このコーナーは「創りましょう」というコーナーですが、今後は誰でもできる木工や日曜大工の紹介、我々の道具や本職の家つくりの様子等を絵や写真入りでアップしていく予定です。

 第1回目の今回はとりあえず、文章を創ってみました
1、 町家大工
祭礼に使う太鼓の台です。
町家大工はなんでも創りますよ〜。
ただ建てればいい、
というようなものではないんですね。
美しくなければ、木構造は!
写真は住まいが組上がる途中。