2006年10月21日(土)午後1時から、大阪市北区のレストランモリシタで、大阪労働者弁護団第32回総会が行われました。
団員弁護士・賛助会員、そして前日交流をした韓国の「民主社会のための弁護士会」弁護士と「労働人権実現のための労務士会」の社会保険労務士も参加し、60名を超えるにぎやかな集まりとなりました。
総会では、2005年度の活動報告、2006年度の活動方針提案などがされ、
参加者全員から承認を受けました。役員体制も新しくなりました。
2005年度活動報告

【全体報告】
はじめに
1.当弁護団は、2005年10月22日、第31回総会を開き、2005年度活動方針及び予算案を採択するとともに、代表幹事に在間秀和弁護士、副代表幹事に森博行弁護士・上原康夫弁護士、事務局長に中島光孝弁護士、事務局次長に大橋さゆり弁護士・定岡由紀子弁護士を、会計に奥村秀二弁護士、会計監査に平方かおる弁護士をそれぞれ選任して、活動に入った。


主な活動について
1.労働者の権利を守る基礎的な活動
 (1) 団員が受任する労働事件
   労働者弁護団の各団員には、弁護団に相談のあった事件を当番として担当してもらっているものがある。
   また、各賛助団体からの依頼、弁護士会からの依頼その他により、精力的に労働事件を担当している。

 (2) 労働相談活動
   38名の団員が相談担当者として登録し、1週間単位で2名の団員が担当し、約38件の相談を受けた。その約7割がHPを見ての申込みであり、すべて労働事件関係であった。
   また、労働審判相談活動については、労働審判相談センター・大阪と連携し、相談員登録を行い、4件の相談を受けた。

 (3) 電話相談活動
   2003年度から、民主法律協会との共催で、日本労働弁護団の呼びかけによる全国一斉労働電話相談活動を大阪で行っている。
  *2005年12月3日(土)
   全国一斉残業・労働トラブルホットライン 民法協事務所(全国188件 大阪20件)
  *2006年3月18日(土)
   全国一斉労働相談ホットライン―労働審判制度を活用するために
   労弁事務所(全国244件 大阪50件)
  *6月3日(土)
   全国一斉残業・労働トラブルホットライン 民法協事務所(全国419件 大阪62件)

   その他、今年度は、初めてコミュニティ・ユニオン関西ネットワークとの共催で「働く者の悩みホットライン」を2月25日(土)に開催した。コミュニティ・ユニオン関西ネットワークは、1990年に結成され、これまでにも京都・大阪・奈良で活動を続けてきたが、今回は当弁護団と共催で、法的な面でのアドバイスと、労働組合による相談・交渉・解決・仲間づくりの道筋を見いだすことのできるようなホットラインをということで取り組まれたものである。当日の相談件数は16件であった。

 (4) 団内学習会活動
   6月13日「労働契約法制及び労働時間制度について」学習会
    講師 神戸大学助教授 根本 到さん

 (5) いろいろ知りたい合宿
   労弁事務所開設以来初めての取り組み。若い世代とベテランとの対話という趣旨で開催した。双方ともに好評であった。

2.学習・教宣活動
(1) 連続基礎講座
   今年度は、具体的に、そして毎日働いていく中できっと役に立つ情報・考え方を伝えたいということから、「ひと目でわかる図解つき!」と銘打って行った。そしてその言葉どおり、講師陣と企画担当事務局とで綿密な打ち合わせの上、毎回事務局でテーマに沿った図解をつくり、解説をした。

基礎講座の日程とテーマ一覧表

 (2) 機関誌「ララ通信」
   今年度は、映画評・書評等、文化面にも力を入れ、隔月発行も堅持した。

 (3) 冊子発行
   2006年5月、大阪社会文化法律センターと共同で「9条って何だ?」を発行した。発行に当たっては、若手団員を中心とした「改憲・私に関係あんの会」と社文とで何度も会議や推敲を重ねてきた。

 (4) ホームページ
労働相談Q&A更新
在日韓国人弁護士入居差別訴訟をアピールする頁を新設

 (5) 講演活動
   憲法や共謀罪等をテーマに、26回の講演を実施した。憲法「改正」、教育基本法「改正」、共謀罪新設、労働契約法新設等労働者に直結したテーマが多くなっている。

 (6) 労働審判制度発足
労働審判の発足に伴い、8月8日、労働審判経験交流会を開催し労働審判の現状を把握し、問題点の理解に努めた。

3.他の法曹団体との共闘活動
  2006年3月17日、大阪社会文化法律センターと連名で「成立させてはならない、共謀罪!  許してはならない欺瞞的修正案!」というアピールを発表した(11頁参照)。

4.在日韓国人弁護士入居差別訴訟について
  団員である康由美弁護士の「入居差別裁判」が大阪地裁に係属中である。当弁護団はこの裁判をの支援団体となり支援している。

5.大阪市職員厚遇問題
  弁護団は、2006年1月20日「大阪市労連に対する攻撃についての声明」を発表した(10頁参照)。

6.組織体制
 (1) 新入団員について 
   2006年4月、川端元樹弁護士が入団された。

 (2) 賛助会員について
   新たに10団体(報徳学園教職員組合/社会福祉法人白鳳会労働組合/ひょうご労働安全衛生センター/全港湾大阪支部月星海運分会/大阪市労働組合連合会/大阪交通労働組合/大阪市立大学教職員労働組合/大阪市学校給食調理員労働組合/大阪市学校職員組合/大阪市水道労働組合)が増え、計74団体となった。

 (3) 事務局活動
   若手団員を中心として月に一度の定例会議を開催し、ララ通信の編集、学習会の企画その他の事項について検討している。

 (4) 財政について
   財政状態は、引き続き「中期逓減」の状況である。   
(中島光孝)




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【委員会活動】


(1) 労働政策研究委員会
 労働契約法制については2005年9月に、また労働時間法制については2006年1月に厚労省より研究会報告が提出され、これを受けて本年6月、厚労省労働政策審議会が立法化に向けた「素案」を発表した。このような政府部内の動きに対応して、当研究会は次のとおり今期の未活動を行ってきた。
1 第1回研究会(3/16)
  今後の研究会の進め方につき議論した。
2 第2回研究会(4/28)
  労使委員会制度の問題点につき議論し、次のような中間結論に達した。
 @ 労基法上の過半数代表制を実質化・活性化する改正を行えば十分であり、労働組合の権能と衝突し、不利益変更を正当化する機能しか有しない制度を導入する必要はない。
 A それでも導入するというのであれば、ドイツの事業所協議会のような、従業員のみで組織する委員会とし、これが使用者との対抗関係において協議するという制度を構想すべきである。
3 第3回研究会(6/23)
  小野弁護士より上記研究会の就業規則関係部分について、また在間弁護士より労政審における論議の状況について各報告を受けた。
4 第4回研究会(7/24)
  労政審の審議が労使委員双方の反対により中断したため、今後の研究会の進め方につき議論した。
5 第5回研究会(9/13)
  森より、労政審素案の就業規則部分にき問題点をレポートし、批判的検討を行った。
6 次回は11月7日午後6時半の予定。

 ところで、中断していた労政審の審議は8月末より再開され、おそらく官僚による労使委員双方への根回しが行われたであろうから、来年の通常国会には法案上程、5月審議、6月採決となる可能性もある。このように、事態はいよいよ風雲急を告げており、当研究会は、労働法制を根底から再編することとなるこの立法動向に対し、批判的活動を継続していく所存である。(森 博行)


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(2) 労働判例検討委員会
 今年度は、4回の検討会を行った(下記表のとおり)。各回とも、事件を担当した団員弁護士による報告のあと、自由にディスカッションするというスタイルで行った。弁護士のみならず、毎回多数の労働組合の皆様のご参加をいただいていたほか、根本到先生(神戸大学助教授)、三柴丈典先生(近畿大学法学部助教授)、岡ア勝彦先生(愛知学院大学大学院法務研究科教授)ら学者の方々にもご参加いただくことができ、充実した検討会になった。      (友弘克幸)  労働判例検討委員会の活動日程と担当者・テーマ一覧表


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(3) 外国人労働者問題委員会
 本年度も、昨年度に続き、「労働者の権利」の視点から、「あるべき外国人労働者政策の提言」に向けて、以下の通り活動を行った。
第1回 2005年11月8日(火)
 外国人労働者と日本の労働組合の実情を知るには? という質問を片田さん(全港湾建設支部及びRINK)に聞く。
 「新しい外国人の出入国・在留管理体制の構築に対する意見書について(サマリー)」の検討
第2回 2006年1月11日(水)
 ジェンダーの視点から、外国人女性の実態をそれぞれ発表した。
 「国際結婚業者の実態」「フィリピン人エンターテナー制限をめぐる動き」「看護師受け入れ・介護労働者受け入れに対する業界の対応」
第3回 2月20日(月)
 「ララブック」作成にあたっての方針会議を行った。研修生問題の実態を知るため、RINKの早崎さんにレポートをお願いする。また、賛助団体へ外国人労働者に関する組合対応についてのアンケートを行うことを決めた。
第4回 4月3日(月)
 「もうひとつの人身取引?外国人研修生・技能研修生の人権状況」と題し、RINK事務局長の早崎さんに実態報告を受ける。
第5回 7月31日(月)
 外務省プロジェクトチーム「今後の外国人の受入れについて」の批判的検討。
 賛助団体外国人労働者アンケートの集約と、詳細な内容をさらに聞き取りすることを決める。
第6回 9月21日(木)
 「ララブック」の骨子を検討する。実態を概観し(特に実習・研修生と日系人の問題、オーバーステイ労働者の問題点を重視)、政策の方向と実際に進められている外国人監視(管理)制度をまとめ、最後に賛助組合による外国人労働者問題の取組を紹介し、これをより発展させて外国人労働者の権利を守る闘いの必要性を提言する。次回会議11月30日(木)に、各担当部分を起案して持ち寄る。

 今後は、「あるべき外国人労働者政策の提言」に向けて、この間の調査・研究を整理し、できるだけ早い時期に、「ララブック」として発刊する予定である。   (丹羽雅雄)


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(4) 労働安全衛生問題委員会
 労働安全衛生問題委員会は、昨年10月の総会で発足した最も新しい委員会である。
 労働現場における働く者の生命・身体・健康の問題は、従来から知られている職業病だけでなく、過労死問題など現代の労働のあり方にもかかわるきわめて現在的な問題だ。また、怪我をしたり病気になることは、労働者にとって仕事や収入の道を失うことになりかねず、きわめて深刻な事態となる。ところが、企業では、コスト削減のために、労働を強化するだけで、労働者の生命や健康を確保するための十分な安全対策をとらず、その結果、重大な労災事故が繰り返し発生している。そこで、企業に対し、職場における労働者の安全や健康を確保させ、万一労災事故が発生したときには十分な補償をさせることは、非常に重要な課題となっている。
 大阪労働者弁護団では、それまでこのような労働安全衛生問題について取り組む組織がなかった。昨年6月末のクボタショックに端を発するアスベスト労災問題などをきっかけに、労働安全衛生問題に取り組む本委員会を立ち上げた。
 労働安全衛生問題委員会では、今年度の前半においては、若手団員を中心にして、職場のセクハラ・パワハラをめぐる最近の裁判例や学説等の動向を研究してきた。後半においては、具体的な事件を扱うこととし、過労によってヘルペス脳炎に罹患し、記憶障害等の重度の後遺障害を残した労働者の業務外認定処分の取り消しを求める事案に取り組んでいる。個別救済に取り組みながらも、全体的な労働安全衛生の確保へとつなげていきたいと考えている。    (位田 浩)


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(5) 海外交流委員会
1 キューバ訪問
 3年来の懸案であった「社会主義キューバ」訪問が遂に実現した。参加者は、当弁護団以外の弁護士1名を含め総勢10名の訪問団であり、2006年8月26日〜9月3日、キューバのバラデロ、トリニダー、そしてハバナを訪れた。ちょうどカストロ議長が入院、非同盟諸国会議を目前に控える、という、少々緊迫した情勢と思われたが、無事に、多くの収穫を得て訪問を終えた。歌、踊りが日常生活にとけ込んだ実に明るい社会主義、という印象であった。キューバとベネズエラ・チャベス政権との密な連帯、そして汎中南米の共同体意識は、現地においてこそ肌で実感できるものであった。ハバナでは予定されていた裁判所訪問は実現しなかったものの法律事務所を訪問し、弁護士間の交流も不十分ながら実現した。民族・人種差別とは縁遠い社会であること、女性の地位が非常に高いこと、等々多くの面でのカルチャーショックも受けた訪問であった。
2 韓国民弁との交流
 1999年から始まった韓国民弁(民主社会のための弁護士会)との交流は7年目、9回目を迎えた。今年は民弁の訪日を受け入れる年であり、2006年10月20〜23日のスケジュールで、13名の民弁訪日団との交流となった。今年は、新たに「労働人権実現のための労務士会」(ノノモ)9名との交流が加わり民弁との合同の訪日団となった。昨年秋にソウルで開かれた「非正規職権利保障のための国際シンポジウム」に労弁から平方弁護士が参加したことが交流の契機となった。韓国労組法はこれまで1企業1労働組合しか認めてこなかったが最近の法改正で複数組合が認められるようになり(来年からの実施の予定が3年後に延期された)、企業における複数労組の実情と問題点がテーマの一つとなった。あと一つのテーマは「非正規労働問題」。かつて取り上げたテーマであったが近年の日本における最重要問題のひとつであり、改めて双方の状況について報告する機会をもった。
3 海外の労働法制の研究会
 今年度は、特に日本で労働審判制が開始されるということもあり、海外の労働紛争の解決システムについての調査・検討をテーマのひとつにとりあげて不十分ながら研究の機会をもった。
4 韓国語講座
 2006年春まで、李孝聖(イヒョソン)さんを講師に、第2期の韓国語講座が続けられた。平均月2回のペースの実にハードな講座であったが、現在は中休みの状態にある。改めて希望者の意見を集約して再開を期す予定である。     (在間秀和)


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(6) 改憲問題委員会
 改憲問題委員会では、2005年11月頃からララブック「改憲って何だ?」の第2弾として「9条って何だ?」を大阪社会文化法律センターと合同で作成した。内容は、憲法9条の制定経緯、9条解釈の変遷、有事法制と憲法、憲法9条が変えられたらどうなるか、についてQアンドA方式で書いたものである。推敲を重ね、完成したのは5月であった。こうやってできあがった「9条って何だ?」その後の講演会活動などでも活用されている。
 2006年5月11日には労弁学習講座「憲法改正って何だ?」(講師:普門大輔弁護士)を行い、多数の参加を得て激論が闘わされた。
 つい先日安部新内閣が誕生したが、安部新首相は改憲を5年以内にやると言っているので、改憲問題委員会では、今後はもっと多様な切り口からさらに力を入れて改憲問題に取り組んでいく必要があると考えている。   (七堂眞紀)


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(7) 労働委員会・労働審判問題対策委員会
*労働委員会について
 2004年の法改正により、労働委員会の「裁判所化」が危惧されるところではあるが、本年7月に日本労働弁護団のアンケート用紙を用いて行った団員及び賛助団体に対する調査では、証人の宣誓に関すること以外においては問題となる事案の報告はされていない。むしろ、敵性証人の採用がなされるなど(大阪府労委)積極的運用がなされている感がある。そろそろ新法下での命令が出始めるのでその動向に注視していきたい。
 また、外国人労働者を組織する組合が増え、救済申立も増加しているが、大阪府労委の通訳体制は、例えば滋賀県労委等に比べて大きく立ち後れている。早急に改善を求める必要があろう。

*労働審判について
 労働審判が始まって半年が経ち、労弁側もある程度経験を積んできたところである。
 個別紛争の簡易迅速な解決という点では、一応の成果が見られるのではないかと思われる。
 但し、解雇(雇い止め)事案においては、そのほとんどが調停による金銭解決がなされているものと思われ、そのためか、一部の審判官においては、事実認定は曖昧にしたまま、単に斡旋、調整に始終しようとする傾向も見られる(ある裁判官は、単純な雇い止め事案なのに、「事実認定は本訴でしてくれ」と述べた)。当然、審判の課程に審判員の意見が反映されることもない。
 労働審判制度は、労働参審制への過程だととらえてはじめて意味があるということを我々としては再確認し、引き続き裁判所の動向を監視していくべきであろう。
また、労働審判制度が、労働組合の組織化に大きな影響を与えかねないことは、常々指摘してきたことではあるが、労弁としては漫然と個別事件を受任するのではなく、労働組合を拡大・強化するという基本的視点を鮮明にした上で、制度そのものあり方及び労働組合の関わりを検討していくべきであろう。 (上原康夫)


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(8) 派遣・パート労働委員会
 安価な労働力を、必要なときに必要な分だけという使用者側の目論見は成功し、派遣、パートに代表される非正規雇用労働者は年々増加している。派遣・パート労働委員会は、非正規雇用労働者の権利擁護に必要な役割を果たすことを目標に活動を続けてきた。
 今年度は主に有期雇用契約の契約更新拒否の有効性にスポットをあてて活動を行ってきた。同論点は舞台を裁判所に絞っても昭和43年の東芝柳町工場事件判決以来、多くの判例が蓄積されてきている著名な論点であり、特に目新しい論点ではないが、不況の長期化、雇用の流動化の社会常識化が進むにつれて裁判所の有効性判断も微妙に変化しつつある。そこで、派遣・パート労働委員会では、特に平成以後の新しい判例を重点的に収集、分析することによって有期雇用契約の契約更新拒否の有効性について最近の裁判所がどのように考えているか明らかにすることを目標に活動してきた。
 そして、個々具体的な事案について賛助会員の労働組合や当該労働者自身で判断してもらえるよう有効性の要件をパターン化し、できるだけ早期にららブックないしはホームページなどで紹介することを予定している。
 今年度、委員会は、1月24日、3月27日、5月29日、6月28日、7月26日、9月13日の6回開催した。  (平方かおる)


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(9) 刑事弾圧対策委員会
刑事弾圧対策委員会は、2006年3月3日、「共謀罪」成立の阻止に向けて、他の団体(大阪社会文化法律センター・民主法律協会・青年法律家協会大阪支部・自由法曹団大阪支部)と共催で、いきいきエイジングセンターで集会を開いた。保阪展人議員の講演を聴き、成立阻止に向けて気運を盛り上げた。その甲斐もあって、とりあえずは成立を阻止したが、なお予断を許さない情勢であることに変わりはない。   (中島光孝)



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2006年度活動方針

1.全体情勢

 小泉政権は、新自由主義を思想的基盤として小さな政府、市場原理を重視した構造改革を強力に推進してきた。その結果、経済成長率の回復をもたらしたといわれるが、これは郵政民営化、公共事業費の削減、医療費改革、公務員削減、社会保障費削減など徹底した合理化政策=労働者、高齢者、貧困者などの社会的経済的弱者切り捨ての結果である。大企業の利益は過去最高を記録したといわれているが、労働者の受ける報酬は逆に減少している。中小零細企業の経営は相変わらず苦しく、そこで働く労働者の生活はさらに悲惨である。「民間(=大企業)は栄えて、市民(=労働者)は滅ぶ」との言葉どおり、格差社会は拡大し、社会の二極分化はますます促進されている。
 このような中で発足した安倍政権は小泉構造改革路線を承継し、推進すると明言している。「美しい国」を標榜するとして教育基本法改正(改悪)を明言し、現憲法下での集団的自衛権行使の可能性を示唆し、憲法改正に向けた法整備も明言した。今に始まったことではないが、平和と民主主義、基本的人権の尊重という日本国憲法の基本理念はますます危険にさらされている。
 労働分野では、労働契約法制、労働時間法制などの各種法整備により労働は過密化、過酷化する一方であり、また、社会保険制度の改悪なども手伝って労働者の生活は一層厳しいものになることが予想される。


2.活動方針

 このような厳しい社会情勢、労働情勢の中で大阪労働者弁護団の果たすべき役割はますます大きくなっている。
 まず、労働契約法制、労働時間法制についてである。労働政策研究委員会の活動を通じ、政府の労働法制策定作業に関する情報収集から労働者の権利を擁護する方向での大阪労働者弁護団としての提言や他団体との共闘による監視、働きかけを行っていきたい。また、労働団体が主催する活動には、団員個人の参加はもちろん弁護団としても支援を行っていきたい。
 また、長時間・過密労働の増加など、労働者の命と健康はますます危険にさらされている。昨年度新たに発足し、活発な活動を開始している労働安全衛生問題委員会の一層の充実により、被災労働者の救済、予防に弁護団としての役割を果たしたい。
 2006年4月から開始された労働審判制について情報収集と経験交流会を行うことによって同制度を労働者に利用しやすい制度とするよう労働委員会・労働審判問題対策委員会の活動を行っていく。
 労働運動に対する刑事弾圧も増えており、また、労働組合活動の手足を縛る共謀罪も予断を許さない状況である。刑事弾圧対策委員会の活動によって対処していきたい。
 その他、派遣・パート労働委員会、労働判例検討委員会、外国人労働者問題委員会、海外交流委員会など各種委員会活動も従前以上に強化し、労働分野での構造改革及びそこから発生する諸問題に対処し、改憲問題委員会の活動を通じて引き続き憲法改悪問題に取り組むとともに、教育基本法改悪問題にも取り組んでいきたい。
 さらに、昨年度から弁護団内にチームを立ち上げ、労働委員会ハンドブックの改訂作業に着手している。本年も同作業を継続し、できるだけ早期の改訂を目指したい。また、従前どおり、ららブック、ララ通信の発行、ホームページの充実によって弁護団活動の賛助団体及び一般労働者への還元を継続していきたい。


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