DADDYFACE SidetStories
「子供に・・・・・」(鷲士バージョン)
written by 大包子



「ふんふんふん〜どれにしようかな〜っ」

鷲士はただでさえ垂れた目つきを更に垂れさせながら、美貴のお腹の中の子供に送るプレゼントを選んでいた。

「いろいろあったけど・・・・何とか無事結婚できて・・・・今度は子供が出来るなんて・・・・嬉しいなあ」
そう言うと崩れた顔を更にくしゃくしゃにしながら子供用品の棚を漁り始めた。

数分後、玩具を満載にした軽自動車がおもちゃ屋から出て行った。

「・・・・・・・・・ふう、これだけあれば・・・どちらでも大丈夫、でも・・・美沙ちゃんも樫緒くんも怒るだろうなあ・・・今度生まれる子供は私たちの家族なんだから!って二人とも自分も面倒見るっていってたからなあ・・・・でも・・・やっぱし最初の玩具くらいは買ってあげたいから・・・・」

鷲士はのんびり家への道を運転しながら思った。

(・・・・・・・あの二人には父親らしい事をしてあげれなかった・・・・美貴ちゃんはそんな事無い、しゅ-くんと会ってから美沙も樫緒もだんだんやさしく、強くなっていったんだよって言ってくれたけども・・・・)

「・・・・・でも、美貴ちゃんや美沙ちゃんや樫緒くんが、だれか一番そばにいて欲しい時に、僕はそばにいてあげれなかったんだ・・・・」

苦しい表情でそう言いながら鷲士はハンドルを切った。

「美貴ちゃんたちは僕の責任じゃないって言ってくれる・・・・でも、もしみんな寂しい時に少しでも僕がそばにいてあげれたら・・・・美沙ちゃんが辛い時にそばにいてあげられたら家を出る事もなかったろうし・・・・樫緒くんが寂しい時にそばにいてあげられたら・・・・もっと早く素直にみんなに好かれる子になってたと思う・・・・・」

鷲士は強く何かにこらえるようにハンドルを握り締めた。

「だから・・・・ゆうちゃんは・・・美沙ちゃんと樫緒くんは絶対にもう誰にも傷づかせない・・・もう二度と涙を出させるような事は・・・・そして・・・みんなが笑顔で・・・すごせる家を・・・安らげる家庭を作ってみせる・・・・」
強い口調で何かに誓うように呟くと、鷲士は玩具を物置にいれて美貴を迎えにいった。

コンコン・・・・
鷲士は美貴のがいるはずの部屋の扉をノックした。しかし中からは何の返事も無かった。

(おかしいな・・・・起きてるはずなのに・・・・)

怪訝な表情を浮かべながらゆっくりドアを開け、中に入ると、美貴は窓のそばのイスの上にいた。
鷲士はゆっくり美貴のそばに近寄りながらやさしく話し掛けた

「美貴ちゃん・・・・もうすぐ病院行く時間だよ・・・・美・・・貴・・・ちゃ・・・・寝ちゃってるんだね」

美貴は幸せそうに微笑んで眠っていた。
それは何よりも優しく、暖かい慈愛に満ちた母の笑顔だった。

(・・・・・・・・美貴ちゃん・・・・僕は今、この幸せな時を・・・この幸せな・・・笑顔を忘れない・・・・生まれてくる赤ちゃんを・・・美沙ちゃんを樫緒くんを・・・そして美貴ちゃんを・・・・守ってみせる)

鷲士はそう決意すると、幸せそうな微笑みを浮かべる美貴の唇にそっとキスをして毛布を掛け直すと部屋から出て行った。

「大好きだよ・・・・・ゆうちゃん・・・・・」

(美貴バージョン)
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