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暗い、暗い部屋の中、私の前にしゅーくんがいた
顔色は暗くて見えないが、彼は意識がないかのようにボーっと立っていた・・・
「しゅ、しゅーくん?」
私は不安になり声をかけた
しゅーくんはビクッと反応し、こちらに向かってゆっくりと歩み寄ってきた
そして私に覆い被さってきた
「えっ?なっ、なに?うそ!」
私がパニックになりオロオロとするうちに二人して倒れてしまった
どう反応していいのか分からず黙っていると
しゅーくんは立ち上がろうとしたのか、体を起こしはじめた
(あ、転んだ・・・だけ?)
しゅーくんはつまづいただけのようだった
「しゅーじ!倒れかかっておいて詫びもしないのか!」
しまった私が言いたかったのはそんな言葉じゃないのに
だけどしゅーくんは後ろに顔を向けただけだった
「おい!しゅーじ?」
言った瞬間、後ろを見ながら立ち上がろうとしていたしゅーくんがまた倒れてきた
「きゃっ」
おかしい、反応がない
いつもならここで「ゴメン、美貴ちゃん」とか謝ってくるのに
よく目を凝らして見ると左半身を引きずるように動かしている
さっき立ち上がれなかった原因はそれだろう
「しゅーじ、キミ!」
そうだ、しゅーくんの怪我は治ったわけではなかった
そしてもう一つ気付いたこと
彼の目は虚ろだった
しゅーくんの瞳に私は映っていなかった
私を見て欲しくて、思わずしゅーくんを抱きしめた
「しゅーくん、ゴメン!ゴメンなさい・・・」
私はとっさにそんなことを言っていた
違う!私が言いたいのはそんな事じゃない!
左半身を引きずりながらしゅーくんはまた立ち上がろうとしていた
私を振り解いて・・・
「大好きだよ・・・しゅーくん・・・」
言えた・・・私は言えた、今までずっと言いたかった言葉を、言えなかった言葉を
その瞬間、目の前にいたはずのしゅーくんが消えた
いや消えたのではなかった、壁にもたれかかっていた
赤い液体を床に染み込ませながら・・・
樫緒が近づいてきて何かを言っている
紅い・・・
血が・・・
樫緒が・・・
「なんでしゅーくんをころしたの?」
「なぜ・・・男・・・さまを・・・」
樫緒が何かを言っているがうまく聞き取れない
「なんでしゅーくんをころしたの?」
やっと言えたの・・・しゅーくんに好きだって言えたの
ずっと言いたくて・・・今まで言えなかった私のココロを
「ねぇかしお、しゅーくんをかえしてよ!」
樫緒、キミまで私からしゅーくんを奪うの?
樫緒、キミまで私としゅーくんを引き離すの?
「えっ・・・僕・・・さまを・・・」
たとえ樫緒でも私からしゅーくんを奪う奴は許さない!
「許さない!!」
たとえ樫緒でも私としゅーくんを引き離すなら殺してやる!
「殺してやる!!!」
その瞬間、樫緒にヒビが入った
・・・いや樫緒だけではない、壁、床、しゅーくん、そして私にも
そして全てが砕け散った
意識が闇に沈み込むなか私は
・・・しゅーくんのいない世界なんかいらない・・・
砕け散った世界を見てそれだけを思った
そして気付いた時、窓から差し込んだ光に照らされ布団の中にいた
私は涙を流していた・・・夢であったことに安堵しながら・・・
本当に夢であってほしいと願いながら・・・
涙を流し続けていた
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