DADDYFACE SS
「あのね。」
written by FACE



 鷲士くん、あのね。


 わたしね、誰かに「好き」って言って貰ったことってなかったの。
 誰かに……好かれてる自信がなかったの。


 樫緒は、「結城の家で冷遇されているわたし」を憐れんでいるだけかも知れない。
 美貴ちゃんは、「鷲士くんとの思い出の証」としてのわたしが大事なだけかも知れない。


 自分でも、すっごく、すっごくイヤなんだけど……そう思っちゃうの。
 思っちゃってたの。


 でもね、鷲士くん。
 鷲士くんと会って。
 鷲士くんが、わたしのことを「家族」って言ってくれて。
 わたしのこと、護ってくれて。
 鷲士くんが、いっぱい、いっぱい、わたしのこと「好き」って言ってくれて。
「大切だよ」って言ってくれて。
「ここに居てもいいんだよ」って……言ってくれて。


 今は……ちゃんと信じられるの。
 みんなからの「好き」が、ちゃんと聞こえるようになったの。
 全部、鷲士くんのおかげだよ。


 あのね、鷲士くん。
 あのね。
 あのね、あのね。







 大好き、だよ。








 ……ちゃんと、聞こえてるかな?

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