第一話  カンターレ、マンジャーレ、アモーレ
第二話  クリスマスのお話
第三話  ジュッリオのこと
第四話  カラブリアでの生活
第五話  ジラソーレ
第六話  季節の花 senso delle stagioni
第七話  今日、明日、そして未来
イタリアは南北に長く海に囲まれている。だからイタリアは地方料理がおもしろくとても美味しい。イタリアで暮らしていた4年間、私たちはとにかくよく食べた。いわゆるガイドブックのミシュランの☆付きのレストランで食べなくてもフラッと立ち寄ったトラットリアでも十分に満足できる。ただ、自分たちが働く場所はリストランテだった。私たちのような外国人は住み込みの部屋が必要であったので従業員を受け入れるための設備がある程度整っているのはリストランテだったからだ。二人で一緒に働けることも少なく、別々の場所、環境で働き電話などでお互いの状況やレストランでの話しをするのもまた楽しかった。
週に1度休みの日は地元の人しか行かないような店に顔を出し、とにかく食べまくった。その料理は伝統料理であったり、その店でしか手に入らない食材だったりと、日本でマネできるものではなかったからとにかく食べて自分たちの記憶の中に焼き付けることくらいしかできなかった。
ボローニャで学生をしていた頃はアパートを数名のイタリア人とシェアしていて、さすがボローニャ大学があり学生の街と言われるだけあってイタリア各地からの若者が集まっていた。皆、それぞれが自分の家で作ったオリーブオイルだとかトマトソースのビン詰めなど、田舎から送られてきてストックしているものだからまたそれが興味深く、私もそのおこぼれをもらったりしていた。贅沢にもトマトソースはプーリアのマリオのが一番で生肉はカラブリアのマリアンジェラのがいい!と勝手に自分の中でランクをつけもらっていたのだから笑える。イタリア人と生活をしていると食ということがどれだけ彼らにとって大切かが分かる。ダイエットも気になるが食いしん坊にならずにはいられない。
イタリア人の友達をたくさんつくり、彼らと生活を共にするとイタリア料理の美味しさ、奥深さが分かる。家族、故郷を思う気持ちが強く、マンマの味が一番で自分の土地で獲れたものに勝るものはない。日本にいると羨ましい限りだが、少しでもそのイタリア人的エッセンスを自分たちの生活に取り入れられたらと思う。一緒に働く仲間たちと共に・・・。