Parts & Tools
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Tonkin Cane
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これが幻の巨大矢竹だ!
汀石竿談義に書かれていた埼玉県にしかない巨大矢竹とは・・・・・
往年の竹竿全盛時代に、アユの友釣り竿の素材として使用されたとある。
大名竹と矢竹の中間的な性質で、正確な名称は不明だ。 矢竹の一種と
思われるが、太い物だと直径3cmはあるので、オバケなどとも呼ばれる。
埼玉県の一部にだけ生え、軽く、丸身があり、上質である。 量は大変少
ない為、当時は大変貴重で高価な竿素材であった・・・・・
(注)ご覧の通り、節が低く、矢竹同様女竹の仲間であり篠類。
直径は2cm〜3.5cm。 上の写真は直径3.5cm前後
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<汀石竿談義より抜粋>
この竹が荒川流域の谷の川原に突然生え始めたのは今から50年前程前(2009年からだと84年前)のことだ
そうです。 竹山の持ち主から聞いたことですが、昔、軍国主義華やかな時代、土地の青年達は相撲好きで
よくその河原で相撲をとりました。 土俵を作るのに河原に流れついている竹の根を使い、後でその竹の根を
集めて焚き火をして体を暖めました。 ところが後で、その焼け焦げの竹の根から芽が出て、土俵の跡が竹藪に
なりました。 近くに畑があるので、肥料も行き届いて、繁殖したのが今のお化けだそうです。 見慣れない
珍しい竹なので、上流にも同じ物が生えているかと調べてみたのですが、見あたりません。 県庁の職員が来て、
太いのを2、3本持って行って調べたのですが学名も解りません。 にが竹に似ているが、にが竹でもまく、まるで
お化けのような竹だというので、その名がついたと云います。
釣竿に使えそうなので、竹山の持主が東京の竿屋に売りに来たのは戦前で、私の父などはその頃から使い
始めました。 一般に使い初めたのは戦後のことですが、今では鮎の友竿、ドブ竿など、太味のある竿の二番
三番四番として欠くことの出来ない竹です。
往年の竹竿時代、まさにこの竹薮から日本各地に運ばれた
のだろう。 狭い山間の村のほんの一角だけに生える竹は
高級鮎友釣竿用として珍重されたそうだ。 しかし、鮎竹竿の
需要が殆ど無い現在、竹林は、ボサ藪と化していた。 ただ、
この竹薮を潰したら、もう二度とオバケと呼ばれる立派な竹が
釣り竿に使われることもなくなるのだろう。 巨大矢竹の薮は、
半分潰され、まさに存続の危機にあるように思えた。
<アマチュア・ロッドビィルダーM氏と竹の探索をする>
或日、M氏より突然の連絡。 その竹の場所を見つけたと言う。 さっそく待ち合わせして秩父方面へと向かう。
埼玉県でも最も自然に恵まれた美しい地域だ。 しかし、目指した竹の繁殖場所に到着してみると、そこは思った
よりも面積が狭く、かなり荒れ果てた状態だ。 竹の半分は、既に刈り倒され、そのまま地面に放置され朽ちていた。
その中には、かなり直径の太い良形の竹もあり、フライロッドにしたらかなりの数になるだろうとつい思ってしまう。
幸い半数の竹は刈られずに残っていて、独特の青い大きい葉が印象的だ。 勝手に伐採して持ち帰るのは、勿論
許される行為では無い為、近くの家を訪ね、話を聞いてみた。 竹は、買付に来る人が居るとのことだった。 ただ、昔
の話をしているのだろう。 現在は、竹の友竿の需要は無いだろうし、もし、売り物の竹なら、竹山ももっと良く管理を
して竹を良い状態にしておくはずだ。 竹山の持主は、不在とのことだが、極少量だけであればという条件で、許可
を頂き、数本持ち帰ることができました。 因みに近隣の地も同様の竹があるか探してみましたが、細いものなら
確認出来るものの、太い竹は数十坪のその範囲にしか無いように思われます。 竹は肉厚で、節は低いですが、
節の上が膨らんでいるものも多く、本当に良い物は、時間をかけて選ぶ必要がありそうです。 ただ、軽く、反発力
のあるフライロッドを作るには面白い素材であることは言うまでもありません。 因みに、その場所を特定することが
出来たのは、M氏の奥方のご実家がこの竹山のすぐ側であったという奇遇からでした。 貴重な体験をさせて頂き
大変感謝しております。
矢竹は細いですが、トンキンケーンと同じ篠類です。 太くても直径2cmのものは希少ですが、そのくらいあれば
十分バンブーロッドになります。 一時流行した、紋竹も矢竹ですし、紋竹のフライロッドも過去に作られています。
今回ご紹介した篠は、最低でも直径2cmありますので、ロッドにするのはかなり容易でしょう。 繊維層も同クラス
の矢竹よりも厚い為、張りは十分だせるがトンキンケーンに比べ、ややライトなロッドに仕上がると予想されます。
巨大な矢竹がフライロッドに変身した暁には、当ホームページにてご紹介させて頂く機会があるかもしれません。
(注)矢竹などの節が低く、節の皮が何時までも残っている物は篠に分類されます。 トンキンケーンも篠類です。
(注)紋竹は除草剤などを散布して、人工的に紋を付けるのが殆どです。 竹薮を汚染する為、今は紀州製竿組合
によりその売買は禁止されています。
三浦 洋一
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