4 1DKの中国・ガンジス河でバタフライ

                                   2000年12月24日



 どちらも友人から貰った本で、もう1ヶ月以上も前に読んだために内容は朧気になっているところもあるけど、この二冊には共通性があるのではないだろうか、と。どちらも大阪の人間だってということだけではなくて。

『1DKの中国-ぼくらは浪速のアジアな夫婦-』は、
                      (2000年3月14日刊 はる書房)
 友人シーツァン(仮名)が、どこやらで買ってきて、「おもろいから一遍読んでみ」、と勧められた一書。たしかに一読して掛け値なしでとても面白かった。売れない(本人談)ミュージシャンこと甲斐完治氏が中国人妻リュウレン嬢との生活の1コマ1コマを綴ったもの。もともとの夢の実現のために、既にある一定の時間が経った後でも、形振りかまわず何もかも捨て去ることは、そう容易なことではないはずなのに。それをいとも簡単に(本人にとっては決してそんなことはないのだろうが……)やってのけ、その結果引き起こされる痛みをいやと言うほど甘受している最中でのリュウレン嬢と出会い。そこからの新しい生活、旅、様々な中国人と出会い、進むべき道を見い出していく。
同時代を生きる者として、大いに共感でき沢山の元気(何でか分からないけど、敢えて例えるとビタミン栄養剤換算で5本ぐらいか?)を貰った気がするんだけど、「謝辞-人と人とが解り合えるには-」で作者が続編を書きたいと漏らしていた言葉に反応してしまう。うん、できればこの人のアジアな生き方をもっと見てみたいと。きっと参考になるだろうなぁ。


『ガンジス河でバタフライ『』は、
             (2000年11月10日刊 幻冬舎)
 「ナチュラル・ハイ」をモットーとする作者のたかのてるこ氏が、某民放ラジオ番組のゲストとして出演しているのをたまたま聞き、なかなかおもしろそうだし読んでみようかなと考えていたら折良く友人のくんみん(仮名)が持っていたので、無理矢理貰った一書。くんみんは、よくある旅の本でしかも書き方(文体)に癖があると言っていたけど、どうしてどうして香港・シンガポール・マラッカ・タイピン・カルカッタ・ブッダガヤ・バラナシ・ムンバイと珍道中を繰り広げてくれて、これから先どうなるんだろうとわくわくさせ読み手に笑いながら疑似体験をさせてくれる恰好の本じゃないですか。素人だけど素人ならではの勢いを感じて痛快だった。元気さでは、例えれば総合ビタミン剤換算で10本程服用したような気がする。帯(たしか袴と言うんだったっけ?)で島田紳助や吉本ばななが文章を寄せているけど、実に巧いこと言う宣伝文になっている。この人にはこの人の旅があり、他人には他人の旅があるだけだろうな。
それにしても人生とは旅なり、旅とは人生なりと日頃自分が何とはなしに思っていたことが、この本によっても少し頷けたような気がする。



 「日本人・中国人関係なく善い人はイイし悪い奴はワルイ」(245頁)と喝破する甲斐氏。「きっと『生きる』って、いろいろなところで、いろんな時間を共有して、思い出を作り合うことなんだろうなぁ」・「いつか来るであろう別れが辛くなるほど、素晴らしい人に出会えたことが、ほんとうの幸せだと私は気づいたからです」(334頁〜335頁)と言うたかの氏。逞しき人たちよ。どちらも一期一会ということを大事にする人たちだと感じるのは、わたしだけではないでしょう、何て思ったりしたり。




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