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アート& インテリア デコレーション   Liberté 〜リベルテ〜

〜ワールドトピックス〜

2005年8月1日
「クリスト&ジャンヌ・クロード、次回のプロジェクトはコロラド」
 梱包芸術家として知られるクリストとパートナーである妻のジャンヌ・クロードは、次回、コロラド川を布で覆うプロジェクトをプランしていることを発表しました。州と地区の許可が得られれば、早くて2008年の盛夏には実現するそうです。
 クリストは1935年ブルガリア生まれ。公共の建築物を布で包む、あるいは自然の景観を布で覆うなどの梱包芸術で知られるアーティストです。ベルリンの旧帝国議事堂を包んだり、最近ではNYのセントラルパークに延々とオレンジ色の布で門を作ったりしていました。これはNHKでも紹介されていましたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
クリストが様々なものを布で包む理由は、人間は隠されているものを見たいと思う性質を持っており、そこを刺激するためなのだというようなことを以前キュレーターの方にうかがったことがあります。
 初めからそこに存在しているものをただ布で覆い隠すことが、果たして芸術になり得るのか。しかしクリストの活動を知ると、それはたんなる伊達や酔狂ではないのだと思わされることになります。ひとつのプロジェクトのために構想と準備に数十年、費用は数十億円もかかり、しかもそこを訪れる人、見物人からは一切の料金もとらず、公共の場を使うので短ければ24時間以内に撤去することもある。しかも彼は自分のやりたい理想に対し、誰にも口を出されたくないと言ってスポンサーや資金提供は一切受け付けず、自分の他の芸術活動で資金をつくっているのです。そういった制作活動を40年以上も続けています。そんな生き方が他の誰に出来るでしょうか。
 コロラド川を覆うのは上から見る人に対しては空を反射し、下から見る人に対しては光を拡散するような特別に作られた布になるそうです。たとえそれが数時間しか存在しなくても、そこを訪れた人たちにとって永遠に心に残る強いインパクトを残すことでしょう。もしそうでないとしても、そんな生き方をしている人間がこの世界に存在しているという事実だけで、私にとってはなんだかとても嬉しく感じられるのです。もしも幸運に恵まれたならぜひともこの年、コロラド川を見に行きたいと思っています。
2005年5月10日
「ブランクーシの彫刻、オークション記録を突破」
 先日、クリスティーズ・ニューヨークにて出品されたコンスタンティン・ブランクーシの作品が、これまでの彫刻作品におけるハンマープライスの最高額を記録したそうです。
 ルーマニア生まれのこの彫刻家は、初期の頃にはキュビズムの影響を受けたと言われ、「接吻」シリーズや「空間の鳥」シリーズなどの制作によって作品は単純化、抽象化を進めていきました。今回落札されたのは「空間の鳥」シリーズ(1912年から1940年までの間に29点制作された)のひとつで大理石によるもの。鳥が空へ飛び立つところを抽象的に表現したこの作品は、同じシリーズがニューヨーク近代美術館にも収蔵されています。
 さて気になる価格ですが、27,456,000ドルである匿名のバイヤーに落札されたそうです。これまでの最高額記録もやはりブランクーシの作品で2002年の5月につけられた18,100,000ドルでした。(BBCより)
「テート・モダンが5周年」
 ロンドンのテートギャラリーがテート・モダンを開設してから、ちょうど5年がたちました。
 現代美術を展示する美術館でここほど人気があるところは他にないし、なにはともあれ成功と言えるだろうとイギリスの新聞は書いています。この5年間に訪れた人は22,000,000を越えるとのこと。
 ロンドンの美術館や博物館は入場料がかからないところも多く、ここもそうであることが、入場者の多い一因ではあるが、もはや美術館ではなく、ツーリストのアトラクションであるという厳しい意見が書かれていました。

 それにしても閑散とした美術館にしてみれば羨ましい話しでしょうね。
2005年4月25日
「ロックフェラー氏、MOMAへ大きな贈りもの」
 ニューヨーク・タイムスからのニュースです。この度、アメリカの資産家であるロックフェラー氏が、自らの財産のうち1億ドルをニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)へ寄付すると公表したようです。ロックフェラー氏は現在89歳、この寄付金は彼の死後、美術館へ贈られることになっています。ロックフェラー家と言えばスタンダード・オイル社を設立、ロックフェラーセンターにもその名を残し、また数々の慈善事業も行っている大資産家。つい先日もNHKで、メトロポリタン美術館の特集を見ていると、美術館最大のパトロンとして紹介されていました。MOMAへ寄付をした方は何代目なのかわかりませんが、よほど芸術に理解のある人たちなのですね。先代はビジネスの重圧の中、大邸宅でひとりお気に入りのタピスリーを飽きることなく眺めていたそうですから、たんなるステイタスのためではなく、実際に美から慰めを得ていたと言うことでしょう。番組では、その昔、ヨーロッパの美術館のレベルにまったく手が届かず、凡作を細々と展示していたメトロポリタンの事情も説明されていました。それを現在のような世界屈指の美術館に押し上げたのは、彼らのような人たちだったのですね。
 美術館へ行くと、企画展の内容如何にかかわらず、「この美術館は生きている、息をしている、人間と結びついている」と感じられる美術館と、逆に「死んでいる、息をしていない、人間の生きている世界からは取り残された場所だ」と感じる美術館とがあります。ニューヨークの美術界を活気づけているものは、大都市であるという理由の他に、専門家と芸術を愛する人の質に加え、やはりこうした財力があるからだろうとつくづく思いました。それにしても美術館に1億ドルという、その金額!アメリカの底力!という感じです。お金の使い道もいろいろ取り沙汰される昨今ですが、芸術に注ぎ込まれるそれは人類にとって確かに必要であったと、納得できるような未来が待っているといいなあ、と思います。
2005年3月30日
「モナ・リザの休日」
 ルーブル美術館では「モナ・リザ」の展示室を改修するため、一時、作品をはずす予定があるそうです。これはこの30年間ではじめてだそう。1時間に平均して1,500人を越える見学者に対応するためには、どうしても改修は必要であり、4月4日、一日の間「モナ・リザ」は展示されません、とのこと。
 ルーブルでは、たとえば日本人とアメリカ人の群衆が(ツアー客のことでしょう)展示室の空っぽの壁面に掛けられたお詫びの説明書きを見て、怒り狂うのではないかと心配しているそうです。やはりそれだけ、「モナ・リザ」は誰でもが知っている超有名作品であり、ルーブルの目玉なのでしょうね。
 レンブラントやエル・グレコなどは(こちらだって、ダ・ヴィンチに負けず劣らずの作品であるにも関わらず)修復のために数週間を費やすことが出来るのに、「モナ・リザ」だけは30年間、貸し出し以外では一度も展示されない日はなかったということです。作品を大切にする意味でも、この「モナ・リザの休暇」はどうしても必要でしょう。パリ旅行のご予定がある方は、「モナ・リザ」を見られなくても怒らないで下さいね。どうしても見たい方は4日以外にお訪ね下さい。〜ピッツバーグ・ポスト・ガゼットより〜
※注:変更があるかもしれませんので、お出掛けされる方はルーブル美術館にお問い合わせ下さい。
「実は真作だった、セザンヌの贋作」
 贋作であるとされてきた作品が、近頃、専門家によって実はセザンヌの真作であったことが証明されました。鑑定により、このノーサインの作品は確かにセザンヌの手によるものと認められましたが、これまでの間、見えないサインによって(ノーサインゆえに)この著名な印象主義者の作品群からはずされていたのです。
 この作品「Son in a High Chair」は昨年2月に、修復家のJohn Opitの家から出たものだそう。
 やはり、鑑定においてサインの意味は大きいと言うことでしょうか。才能ある贋作作家が今後も出てくるならば、最終的にはサインではなく、直感で芸術家の魂を読みとれるような鑑定家が必要な
のでしょうね。
2005年2月25日
「サザビーズオークション〜ケネディ家遺品セール」
 2005年2月、サザビーズニューヨークにてケネディ家の遺品がオークションにかけられました。
国内のニュースメディアでも紹介されていたのでご存じの方も多いと思います。海外の美術オークション情報がほとんどない日本でも報道されたのは、やはりJFKとジャクリーヌへの今だつきない興味からでしょうか。そこでこの興味深いセールの結果を簡単にご紹介したいと思います。

2005 2/15−17開催
ロット総数 691点
総売上 $5,538,040
●高額落札ベスト5
1.チッペンデール様式ビューロー(20世紀中期)   $452,800
2.ジャクリーヌと子供たちのポートレイト(グアッシュ)/AARON SHIKLER作  $216,000
3.オークのロッキングチェア     $96,000
3.ファヴェルジェ製ゴールドとエナメルミニフレーム   $96,000
5.ディズニー”101匹わんちゃん”オリジナルセル画   $61,200  

 ちなみに最も落札価格が低かったものは花模様の施された動物の角 $390でした。何に使うものか私も詳しくはわからないのですが、POWDER FLASKとなっていましたので、多分狩猟用の火薬入れのようなものと思われます。この落札額なら私でも手に入れられたかも・・・という額なのでちょっと驚きでした。
 有名人の遺品に興味のある方なら、次回、誰かのオークションの機会にはぜひトライしてみては?

参考資料・詳細はこちら → http://search.sothebys.com/
「スカラ座従業員が重役にアリアで抗議」
 先日、イタリアミラノのスカラ座芸術監督、カルロ・フォンタナが解雇されました。スカラ座の重役・委員たちの声明によれば、”劇場の管理統一上の緊急処置である”とのことですが、従業員たちはそれを疑わしく思ったようです。
 スカラ座は3年間の改修工事を経て、昨年12月に再オープンを果たしましたが、その費用が予算を大幅に超えてしまったそう。解雇の理由はそこにあると感じた従業員たちは、これは劇場の未来に大きく影響するだろうと案じ、抗議に踏みきったのです。彼らはチャイコフスキーの「スペードの女王」初日に劇場前の広場で、有名なアリアを全員で合唱し抗議したそうです。その結果、監督は無事、復職を果たしました。重役決定への抗議にたんなるストライキではなく、アリアを唄うという心意気!従業員たちの芸術への、そして劇場への愛情を感じるではないですか。ちょっと映画の一場面みたいですよね。
 イタリアという国はオペラと芸術が、人々の中に本当に根づいているんだなあ・・・と感じ入った「ちょっといい話」ふうニュースでした。よかったね、シニョール・フォンタナ!
「新しいコレクターたちはどこにいる?」
 イギリス、”デイリーテレグラフ”からの記事。
現在、美術業界はコレクターの減少が問題となっているそうです。自由になる収入は確実に増加しているが、人々のその使い方は大きく変化してきているとのこと。”余力となるような収入を多く得ている人のほとんどが、彼らの両親や祖父母がしたように、美術品やアンティークにお金をかけることがなくなっている。美術市場はなお景気を回復しているにも関わらず、そのプライスは下がってきているという問題を抱えている。それはコレクターがほとんどいないというこの状況のためなのだ。”
 美術コレクターとなれるのは世界にほんの一握りの幸運な人だけです。
美術品や価値あるアンティークをコレクションするのは、たんに個人的な趣味の満足の他に、人間の歴史の一端をにない芸術の振興に寄与することにつながるのです。一時期のように投資目的での美術品流通が静まった今こそ、日本にも一流のコレクターが大勢生まれるといいなあと、そんなことを思った記事でした。
「カラヴァッジョ展がスタート/ロンドンナショナルギャラリー」
 ロンドンナショナルギャラリーにおいて「The Final Years」と題されたカラヴァッジョ展が始まりました。
 ミケランジェロ・メリジ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)は劇的な明暗対比を特徴とした、17世紀イタリアの画家です。”カラヴァジェスキ”と呼ばれる多くの追随者を生み、この3月から日本で展覧会が開かれるジョルジュ・ド・ラ・トゥールなどもその影響を受けたと言われています。
 殺人を犯すなど、数奇で激しい人生を送ったカラヴァッジョは37歳で亡くなりましたが、その最晩年4年間の足跡をたどるのがこの展覧会です。ここで紹介されている作品群はカラヴァッジョの専門家たちにより、確かに彼の晩年の作であるとはじめて認められたものだそうです。
 展示作品は、ナショナルギャラリーにある「エマオの晩餐」(同じ主題の作品はミラノにもあります)に始まり、フィレンツェ・カポディモンテ美術館の「鞭打ち」、おなじくフィレンツェ・パラティナギャラリーの「眠るクピド」など。
 その主題がわからなくとも、彼独特のドラマティックな表現には誰もが惹きつけられる魅力があると思います。日本でも人気の高い作家ではないでしょうか。17世紀絵画が最も好きな私も、なかでもとくに大好きなカラヴァッジョ。「聖マタイの召命」を画集で見たときに感じたのは、ダヴィンチの「ヨハネ」を見たときと同じカリスマ性でした。この作品の中にいる人物(キリストやヨハネ)は特異な力を持つ明らかに天才であり、人間を越える存在であると信じられた、あの感覚が甦りました。そしてそれを画布の中に表現する力を持つ人間もまた特別な能力を持った存在と言えるでしょう。ロンドンへお出掛けされる方はぜひ訪ねてみて下さい。

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