|
|
|
第1章 これだけある相続対策の勘違い
その5「土地有効活用イコール節税対策」という勘違い
「建物を建てること」や「土地の評価を下げること」
ばかりに気を奪われると、大切な資産が不良資産に |
「その2」の項でも触れましたが、一般に相続税の節税対策というと、遊休地等に賃貸マンションや賃貸アパート等を建てるというのが最も多い手法です。
「その2」では、この方法を使ったときの節税効果と共に納税上の留意点についても説明しましたが、ここで更に注意を要するのは、この方法を安易に実施すると、大切な資産を不良資産にしてしまう危険性があることです。
賃貸用建物を建てるというのは土地有効活用のひとつで、その目的の中に相続税の節税があるのは確かですが、より本質的な目的は、「財産の収益性を高める」ということのはずです。
ところが、節税ばかりに目を奪われると、「土地の評価を下げること」、「借金を作ること」等が主目的となり、本来重視すべき、事業の収益性や安全性が軽視され、ずさんな事業計画に陥る可能性があります。要は「なんでもいいから建物を建てる」という発想で、賃貸需要がほとんどない地域に高級マンションを建てたり、逆に激戦状態で入居者の奪い合いになっている地域に競争力のない平凡なアパートを建てたり、賃料予想や空室率予想が大甘だったり、などなど。
それでも自己資金だけで建物を建てていれば、事業が破綻するリスクは低いのですが、
節税が目的だと、ほとんどが借入金でまかなっているため、上記のようなずさんな計画では、かなりの確率で事業が破綻します。
財産の収益性を高めることは重要なことですので、そのために土地活用に積極的に取り組むことは良いことです。しかし、事業計画の策定にあたって最も重視すべきなのは、「収益性・安全性」であり、相続税の節税はあくまでも副次的な効果と位置付けた方がよいと思います。
相続税の節税対策のために財産の評価額を下げたまでは良いのですが、それと一緒に、財産の実質価値まで下げてしまったのでは、それこそ本末転倒です。

重要ポイント!
| 節税のために財産の価格を下げることは、あくまでも相続税評価上のテクニックです。決して財産の本当の価値を下げることではありません。 |
第2章「勘違いがわかったら、どうするか」に続く
「勘違いだらけの相続対策」トップに戻る
|
|