安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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カダフィ謝る、遺族に賠償金
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〈 Wed, 29 May 2002


リビアがロッカーバイ事件の遺族に賠償金を支払う。えッ、驚いたたな〜。どういうことだ。カダフィは表に出ないが、何があったのか?もうひとつカダフィの意図が掴めないが、国際社会の一員にはいって信頼される国になりたい?それなら歓迎しますよ。ほんとうなら。それでニュースを捜し読みしてこんなことがわかりました。

事件というのは1988年12月、パンナムのジャンボ機が爆破されてスコットランドのロッカーバイに墜落炎上、機体が広く飛び散り、全員死亡した事件です。住宅地に滑るように落ちて、家にいた人11人とパンナム機に乗っていた全員259人が死亡した。大半がアメリカ人でした。あれはセメント爆弾といったか、機内の荷物にあった特に強力なダイナマイトが原因で、それがどこから運び込まれたのか、誰が何の目的でテロを起こしたのか、なぜPAN AM 103が狙われたのか・・・意味がわからないのでよけい残酷な事件でした。

ダイナマイトのカバンを預けた犯人探しは、はじめパレスチナのテログループを追いかけていたのが、途中でカバンは地中海のマルタで乗せられたことがわかって、そこから犯人がリビアのシークレット・サービス二人に絞られた。それでカダフィに犯人を引き渡せと、これは直接の被害国である英米のほか、アフリカ諸国も中東の国もいっしょになって国際世論がカダフィに迫った。1992年に国連は対リビア経済制裁を決議。
そんなことがあって、カダフィは英雄として遇していた秘密諜報員をスコトランド警察に差し出した。アメリカとスコットランッド側の妥協なのか、引渡し場所はオランダ、ここへスコットランド法廷を開いて、昨年スピード判決があった。ひとりは無罪、アル・メグラヒは終身刑。現在グラスゴウの刑務所で服役、成績よくても20年は出られない。アル・メグラヒが本当に犯人なのか、裁判は政治殺人だ、法殺人だ、証拠不足だと言う声が消えない。筆者は見当もつかないが、明々白々とはいえないようだ。
ここまでが事件のあらまし。判決があってから、米英とリビアの政府間で賠償金交渉を続けてきた。リビアは遺族に賠償金を支払う、ひきかえに国際経済制裁を解除するというもの。この交渉が実ったのである。
遺族を代表する弁護士事務所がプレス発表したところによると、リビアは270人の犠牲者に総額27億ドルを提示した。同意すれば、この事務所に交渉を委任している118家族はそれぞれ1千万ドル受け取ることになる。
経済制裁されるのがいかに辛いか。密輸でカバーできるのはごく一部、やはり外国と自由に交易商売しなければ国の発展が望めない。国の基本は自由経済。そうだろう、カダフィはアフリカ一進んだ国を作り上げるのが夢だった。技術力の遅れにヤキモキしているだろう。だいたいロッカーバイ・ボンビング以後のカダフィはマルくなったのかおとなしくなっていた。「自尊心ばかりで意固地なカダフィ」でもないようだ。いつかアメリカ訪問がありえるような気がする。(了)
29日追記:
国連の経済制裁は1999年に解除停止措置をとられた。別枠の米の制裁も継続中。
イスラム原理主義と社会主義をミックスしたカダフィ独自の政治哲学は、闊達な石油収益にかかわらず、富が国民に回らない。カダフィの理念は現実に機能しない。国土の大部分が砂漠のため食糧の75%を輸入に頼り、ロジスティックの悪さから餓えすら発生する。99年制裁解除一時停止以来、リビアは外国企業の誘致に力をいれ、おおっぴらなテロ組織支援をやめた。人口やく五百万(以外に少ない)、 首都トリポリ。砂漠のベルベル簇とアラブ人が97%を占め、97%がスンニ派イスラム教徒。トリポリがその気になれば、地中海の観光地開発が望める。
弁護士事務所はマンハッタンのKreindler & Kreindlerという航空事故訴訟を専門にしている会社。法律のよりどころは、外国主権無効法という国際法。これが1996年に改訂され、テロ行為を支援しているとされる7か国に訴訟を認めた。また国連決議でパンナム爆破の責任をとるようリビアに勧告している。もちろんリビアは公式に爆破の責任を認めていないが、今回満足できる賠償額を提示してきた。


Pnorama Box制作委員会

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