安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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シャリアの国でミス・ワールドを開催すれば
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〈 Sun, 24 Nov 2002



アフリカ大陸では数年に一度、イナゴの大軍が穀物を食い荒らし、飛び去ったあとは草ものこらない破壊をもたらす。暴徒が過ぎ去ったあとの首都アブジャの荒廃した通りをTVで見て、語弊があるが、イナゴの大軍を思い浮かべたしだい。暴動3日目の発表で死者105人、負傷者500人以上を出したナイジェリアの「ミス・ワールド・コンテスト」について、イスラム教とキリスト教、二つの宗教グループが拮抗する国を政治的に統一することが果たして可能か、世界の美女たちはなにやら大問題を提供してくれた。
まず経緯を整理しておく。前回のコンテストで選ばれたミスワールドを出した国が、翌年の開催地になる。ナイジエリアは国土の真ん中で北部がムスリム、海岸をもつ南部がキリスト教住民に大別される。ミス・ページェントは中央部にある首都アブジャで12月7日に開催される段取りで、先週から参加者が80人ほど集まっていた。
暴動のキッカケは、北部カドゥナの地元紙が「預言者ムハンマド(モハメット)が観客なら、参加者(複数)を妻に選んだだろう」と書いたため、イスラム教徒が反発し若者が「アラーは偉大なり」と叫びながらカドゥナの通りへ繰り出した。棍棒、短刀、ナイフを手に手にキリスト教徒らしきものを攻撃、車、家、教会に放火、さらに首都アブジャに広がった。まさに暴徒である。クリスチャンの若者も殺されないために「アッラー・アクバ」と叫んで難を逃れるという、思わず笑った。実はいまイギリスにいる息子が休暇を取ってガンビアにいるので、「アフリカじゃないか、おまえもアッラーだぞ」と忠告。親馬鹿だなあ。翌日くだんの新聞はトップで謝罪したが、社屋は焼き打ちにあった。
なぜこうまで暴力が広がるか、ラマダンの最中に娯楽美人コンテストを開催することからしてムスリムにはおもしろくない。ナイジェリア はムスリムとクリスチャン、加えて部族間の対立で99年やっと民政が成立、オバサンジョ大統領が就任した。だがこの人クリスチャンだがムスリムの支援が必要なため、紛争を根本的に解決できない。今回も外出禁止令と、警察がミスたちの宿泊する高級ホテルを警戒するのみ。市民に平穏をよびかけるのがやっとだから、暴徒の逮捕などありえない。暴動を引き起こしたとして治安当局が逮捕したのは記事を書いた記者と編集者。宥めて暴徒を讃めているかのごとく。
2000年2月、カドゥナで起こったムスリムとクリスチャンの衝突では2千人が死んだ。オバサンジョは何もできない。先月別の場所で衝突、500人死んだ。貧しい北部との経済格差も見逃せない。北部へきて商売するクリスチャン行商人へのネタミ、教育の機会がなく職がない若者のフラストが暴徒化する。
北はシャリア律法を施行して未婚女性の妊娠に石打の刑を課した(コラム3月26日参照、なお、ラゴスが首都とあるのは筆者の思い込みによる間違いでした)。先の一人はシャリア施行前に姙んだという理由で無罪になったが、あとの一人は有罪になった。いまこの刑を宣告された女性に、世界中から嘆願があり、バチカンが免罪をだしたり、難民許可を申し出る国や、当地の首相もオバサンジョに会って刑の撤回をもとめたが、大統領はなにもできないでいる。
ミス・ワールド・ページェントはロンドンへ移して予定日12月7日に行われる。筆者はミスなんとかちゅう芸なしの子に一切興味なし。届かない局面もあるが。
問題の記事に関して、筆者はトップ記事にふさわしくないものの、世界の美女を売買するアラブの奴隷商人は歴史の真実。トルコなら不問になっただろう。(了)


Pnorama Box制作委員会

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