安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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プーチン

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〈Sun, 26 Oct 2003



●ロシアン・ドリーム
シュワルツネッガー氏はアメリカン・ドリームを果たした成功者。知名度では少し劣るが、ロシアン・ドリームを体現した「石油王」ホドルコフスキーはロシア一の富豪、個人資産80億ドルに比べるとシュワちゃんがビジネスで 稼いだ資産額はピーナッツ。ミハイル兄さんは経済誌フォーブスの世界富豪リスト26位。しかも若干40才、曲者お兄さんはは上目遣いのハニカミやさんである。
世界第4位の石油企業「ユコス・シブネフチ」のCEO(最高責任者)ミハイル・ホドルココフスキー(Mikhail Khodorkovsky) については、シベリア石油のパイプライン計画に関して何度かコラムにとりあげています。ロシア語がわからないので、今日までコドロフスキーと思い込んでそのように書いていました。お恥ずかしい、これより訂正。
ペレストロイカのあと、国営企業の民営化にのってちっぽけな「ユコス石油」を払い下げてもらったのがそもそもの始まり。それが1995年ですから、瞬く間に巨大石油企業にのしあげた経営手腕はおそるべき。これまでのソ連、ロシアにはなかった企業買収や合併、海外市場の拡大など、イデオロギーもモラルもかなぐり捨てた強引なビジネスがクレムリンのタカ派、すなわち旧共産党系の国防、法制、警察関係者からヒンシュくを買ってきた。
90年代の民営化払い下げで成功したロシア経済界のニューリッチや、ゴルバチョフのペレストロイカ時代に自由な発言で活躍した花形ジャーナリストたちがつぎつぎ逮捕されたり、職を追われていった。ニューリッチを逮捕する嫌疑はたいてい「国有財産の私有化・横領」と脱税であり、メディアは政府批判が誤った悪意報道とされてしまう。
●プーチンの背負い投げ
そしてホドルコフスキー逮捕!ついにプーチンが断を下した。しかしプーチンは言論界と経済界への締めつけに進んで手を貸してきただろうか。べつにプーチンの肩を持つわけではなく、クレムリンの鷹派と民主自由化推進派とのあいだでバランスを取りながら、フリコ運動をしていた。チェチェンの反乱には強硬でも、野党や経済界、反政府メディア解体には決して一気呵成に走ったわけではない。
結局クレムリンの鷹派が民主派にせり勝ったのだろう。プーチンは趨勢に合わせたのであって、強権とは違うとおもうな。今年にはいってから、ユコスは事務所捜査をうけたり、ホドルコフスキー社長も事情聴取を2度うけている。大株主が逮捕された。でありながら、最近のホドルコフスキーの動きはあいかわらず目覚ましく、逮捕、起訴がせまっている人とはおもえない様子でした。
列挙すれば、モスクワのさる新聞を買収し編集主幹にテレビキャスターのキセリョフを据えた。チェチェン問題でプーチンを批判していた人である。野党ヤブロコとユニオンへの資金提供は来年の選挙にむけておおっぴらに行っている。大統領に自ら出馬するウワサを否定しない。経営ではシブネフチ社(Sibneft)との合併をロシア政府が認め、ユコスの一部門を米メジャーのエクソン・モービルに高値で売却。プーチンの意に反してアンガルスクの石油を中国に送る「大慶パイプライン」の準備を着々と進めている。などなど、ウラミを買うことも平気でやってきた。
プーチン大統領は2期を目指す来年の選挙に公約を掲げていないが、GDP倍増、経済活性を打ち上げている。経済界、財界の芽を摘んでしまっては元も子もない。だから今回の逮捕はパフォーマンス。ホドルコフスキーの野党支援やマスコミへの進出をくい止めればよい。そこでプーチンは鷹派やニューリッチを嫉む国民層をまえに、鮮やかな背負い投げをみせましたが、あれはちゃんと受け身ができるように投げている。(了)


Pnorama Box制作委員会

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