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EU(欧州連合)は急がず
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〈 Sun, 14 Dec 2003 〉
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●息の長いEU構想
ブリュッセルで開かれたEU首脳会議は「欧州憲法草案」に合意できず、それはそれはアッサリと決定を後送りにして閉幕。徹夜したり延長して討議する意気込みはまるでない。議論は、スペイン=ポーランドがフランス=ドイツの主張するEUの意志決定方式に抵抗して修正を要求。ひとりブレア首相が生真面目に「かならず合意点がみつけられる」と、あいかわらず協調努力を口にしたが、すぐ撤回して「時間をかけてゆっくりしたほうがよい」と変心。仏シラクと独シュレーダー組がしょっぱなから議論するつもりはないのだから、かといってこの憲法は全メンバーが合意しなければ成立しないいじょう後送りしかない。危機感や悲愴感が感じられない。 |
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今回が最後の議長国イタリアのベルスコーニはスペインとポーランドに四つの代案を提示、NOのこたえにさっさと「後送り」で各国の同意をとりつけ、手際よく次期議長国アイルランドにバトンタッチして締め括った。
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●ダブル・マジョリティー方式
決裂の原因である意思決定方式は「ダブル・マジョリティー方式」といわれ、 1. 過半数の国が賛成 2. 賛成国の人口がEU全体の60パーセント以上 のダブル条件を満たして決定する。この方式だと大国の英独仏が有利で最小国はソンしない。ところが人口が大国の半分くらいであるスペインやポーランドが不利になる。現行の決定方式は3年前スペインとポーランドが新メンバーに加わったニース・サミットで採択され、ドイツと同じ票数が割り当てられた。これが2009年まで有効とされる。それならスペイン・ポーランドがダブル方式に反対するのは当然すぎるほど当然だ。 |
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● EUは破綻しない
しかし憲法各論では多くのことに合意した。EU大統領、EU外相の新設、NATO軍と並行して独自のEU軍が創設される。春には新メンバー10カ国が加わり総勢25カ国の欧州連合が出発する。意志決定の方法については他の未決事項、代表コミッショナーの数、外交・防衛・税制に拒否権の有無などとともにひきつづき合意にいたるまで忍耐づよく継続討議。欧州は米のように結果を急がない。たとえ機能不全になろうとEU崩壊はありえないと思う。(似たことをコラム「欧州憲法」03年6月21日に記載) |
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「国歌」にあたるEUアンセムにはこれまでの慣習どおりベートーベンの九番から「歓喜の歌」がきまった。すると日本で年越しや祝い事から菅さんの選挙テーマソングまで、なにかにつけ合唱したこの曲がEU賛歌になりかねない。承服しかねる国々を誘って抗議しよう。(了)
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