安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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カダフィ大佐の衝撃波

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〈 Sun, 21 Dec 2003



●イスラエルに波高し
各国の反応がでそろった。近隣アラブ諸国の反応はアラブ連合の事務局長ムーサのコメント「次はイスラエルが核兵器を破棄する番だ」に要約される。実際中東で核を所有しているのはイスラエルと少し離れた立場にあるパキスタンだけで、イランは製造まで至らず現在はIAEAと協力関係にある。アラブの国民感情から異端児カダフィを看立てると、サッダムの末路にビビったから米に追従したことになる。西欧の感想「カダフィは勇気あるステーツマン」など笑止千万らしい。
シャロンが先日パレスチナに示したユニラテラル最後通告がEUからもブッシュからも、お膝元のイスラエル国民からも総スカンされる結果になって、いま打たれ弱いのである。イスラエル外相はリビアの脅威が消えたことで胸をなでおろし、カダフィを評価したものの元気がない。提供者の米にも都合がわるいのでイスラエルはアラブ側の「次はおまえが棄てる番」に知らぬ存ぜぬを決め込むだろう。いつかイスラエルとパレスチナが平和的に共存する時がくれば、イスラエルは核を破棄せざるをえない。それまでカダフィの余波はイスラエルに波高しです。
●北朝鮮にはツナミの打撃
自信をつけたブッシュ次の目標は近隣のならずもの国家、シリアを筆頭にレバノン、イエメンだ。この3国は戦々兢々、イランは原子炉施設の透明性を急がなければならない。波は地理的に遠いところ、北朝鮮に最も被害をあたえる。6か国協議はもともと決裂を繰り返すために米が開催に同意したもので、そのことは第1回の6カ国協議が行われたときコラムにした通りだ。米はまず核開発とWMD破棄を示して、しかるのち制裁解除にすすむリビア方式を、北朝鮮にはまず破棄を確認してのち安全保障なり不可侵保障に応じる方法を曲げないだろう。北が望む米朝2国間協議のスキマは閉じられた。
大量破壊兵器拡散をナラズ者国家から防ぐ意味で、カダフィのお手本はブッシュをこのうえなく力づける結果になった。フランス、ロシア、中国もふくめて今回の成果を「外交努力」の勝利と表向きの正論を表明しているが、それはこれらの国が米英とリビアの秘密交渉に参加していなかったからで、もし国連で討議していれば利権を巡って紛糾していただろう。いやそのまえに米の制裁続行を制裁解除した国連決議違反として追及するにちがいない。
なぜカダフィがWMDをあきらめたかといえば、技術力不足で兵器計画が挫折したこと、西側への石油輸出が米の制裁で伸び悩んだことがあげられる。米の石油技師が引き上げる前は1日100万バレルを生産し、輸出に困らなかった。核開発に携わっていた科学者と政府代表がすでにジュネーブのIAEA本部をおとずれ、アルバラダイと協議がはじまった。リビア外相の言葉から米と早くよりをもどして経済改革と徐々に民主化を図る意志がくみ取れる。
あれはレーガンの時代だったか、米空軍のカダフィ暗殺夜間攻撃で家族を殺されたものの本人は別のところにいて生き延びた。カダフィはどのような憎しみを米に持っているのだろう。知るよしもないが、逆にジミー・カーターの弟ビリー・カーターを利用してビリーの私腹を肥やしてやった「ビリーゲート」事件なるものがあった。カダフィは妙に気にかかる人物です。(了)


Pnorama Box制作委員会

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