安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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大量破壊兵器がなかったら

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〈 Wed, 04 Feb 2004



●大量破壊兵器の有無と戦争の大義
大量破壊兵器がなかったら開戦を支持したか?あの猛烈な空爆を支持したか?こんな問に良識的な答えは一つしかない。「支持しない」です。では大量破壊兵器(生物科学兵器とは限らない)がある米英仏露中はどうしますか。攻撃しますか?答えは「支持できない」でしょう。もし英米仏露中が小国だっら?そういう仮定的な問にはこたえられないが、胸中ウズウズする者が少なくないだろう。 こういった質問は両方ともトリッキーです。
戦争の大義を大量破壊兵器の有無にすげかえるやり方は単純で分かりやすい故に、ブッシュとブレアのシッポを捕まえたかのようにはしゃぎまわる風潮がかまびすしくなってきました。情報収集の誤りを米はCIA,英は女王陛下の諜報機関を検証する独立調査委員会を発足させる。事あるたびに調査委員会を設けて、ながーい時間をかける必要があるのかな。イギリスは7月をメドに結論をだすが、ブッシュは大統領選挙のある11月までにはおわらない。
●戦争の大義は時限的で一過性
ブレアは懲りもなくまだWMDが見つかるかも知れないと、イギリス中でたった一人食い下がっているのはどうしたことか。しかしブッシュが開戦に踏み切り、ブレアが参戦に至った情報分析と政治決定の過程が問われないのだから、両者とも「情報が悪い、オレたちは騙された」と開き直っているにひとしい。 わたしはそんなミットモない言い訳しなくても、「ある」と思わせたサッダムと最も挑戦的で長く外交を握っていた副首相のタジクが戦争を不可避にした元凶だと考えている。
国連決議4041が立派な開戦の大義であり、米英とも議会の承認を得てイラクに侵攻したのである。WMD 開発計画があったとか、体制変革で正当化するのは強引すぎないか。米市民の安全と世界の安全のため悪を挫く崇高な使命感を口にする教練された米兵の延長で、戦争の大義なんていつもヘンテコな思い込みの部分が大きく、戦後に振り返れば避けられたと気づくのである。そこで正義を振りかざすのは下心があるかバカのどちらかだ。逆に介入しなかったために惨事に至った事件もある。
●ブリクスとケイの一致した見解
開戦前にイラクの生物科学兵器を査察した国連のブリクス委員長は時間切れのため、あるともないとも結論がだせなかった。そして占領後邪魔されずに自由に調査できる1000人のスタッフを投じた米の調査が3か月たってまだWMDを発見できなかったとき、ブリクスは行方不明になっている神経ガスなどの化学兵器は90年代に廃棄処分されたと推測した。今回米のケイ調査団がほぼおなじ結論を証拠をあげて結論付けた。しかし、見逃せないのは両人ともイラク攻撃の政府決断を非難していない。ケイは公聴会で「開戦を正当化できるか」と尋ねられて6秒間沈黙、「正しかった」と答えている。ブリクスはあの時点では「しかたない」という見方である。(了)


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