安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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難民拒否に拍車がかかる欧州

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〈 Wed, 18 Feb 2004



●オランダ、難民追放を決議
17日、オランダ下院が難民申請中の二万六千人を追放する法案を可決した。まだ上院での審議が残っているが、支持する国民が多数をしめる状況から成立するのはうたがいない。これまでは難民申請が宙ぶらりんになったまま何年も滞在している移民には、恩赦のかたちで滞在許可されてきたが中止された。祖国で迫害にあっているという理由ではもはや欧州どの国でも難民認定されない。
オランダは理由ある数千人をのぞき、3年以上申請中/不認定のまま居座る外国人26000人を8週間以内に強制退去する。移民審査を厳しく取り締まるようになってから2000年に43500人の難民申請が、昨年は1万人まで減った。しかし、移民を果した家族はとうぜん出産、結婚するわけで、移民の家族構成は増加のいちずをたどるのです。学校で、職場でブンカ的相違がケンカに発展し、宗教行事でシブイ顔になり、失業と貧困から移民の犯罪がこれまた急増する。互いの文化を誉めあっていた「メズラシイ」時代はとっくに過ぎた。そういえば『移民の文化はカラフルで多様性ある国際性をもたらしてくれる』--そんな理想論を吹聴していた文化人がいたな〜。何事にも限度がある。
オランダは、ご存じのように外国人に最も寛容な国です。貿易で世界を制覇したころから外国人が流入し移民との共生が最も進んだ国である。またそれを自慢に人権擁護をリードしたきた。人種差別を糾弾してきたオランダが方向転換をはかった原因は何か。これが引き金になったと指差せるような理由はないが、この10年ぐらいに急増した移民との市民生活がうまく機能しなくなったためである。
ユーゴの崩壊、バルカン紛争、イラク、アフガニスタン、スーダンなど戦争難民が主な移民グループだ。気がつけばオランダの文化と価値が浸入した異文化に押されて維持できなくなった。おおげさにいえばヨーロッパ・アイデンティティーの危機感である。暗殺されたピム・フォルタインは間違っていなかった。(2002年5月17日のコラム「オランダ総選挙、フォルタイン党が急成長」参照)
●フランス、他EU
たとえばイスラム婦人のスカーフ、スーパーやホテルなど接客業の職場ではスカーフをされると売上に影響する。フランスでは小学校の先生の70%以上がイスラム女生徒のスカーフに反対。宗教習慣の相違を浮き出たせて授業に支障が出ている。シラクがスカーフなど宗教的シンボルを学校で禁じる法案に着手したのはそういう理由だ。ざっくばらんに言えばイスラム流に辟易している。極右ルペンの移民排斥政策を潰しておきながら、現在シラク政権が進める移民措置はルペンもびっくりするくらいなのです。
デンマーク、ドイツ、イギリスでも移民申請が厳しくなり、不法滞在者摘発が常時おこなわれるようになった。国外追放、送還もまた頻繁である。東欧圏が今年EU に参入すると、労働力にも国境が撤廃されるとおもうだろうが、おっとどっこい、旧メンバー国はどこでもブレーキ法案をつくっていてそうはならない。スウェーーデンが移民規制法案を通過させた。そうでもしなければ新加入のポーランドやバルト三国からナダレをうってことになる。当地ノルウェーはEU外であるが、デンマーク、スウェーデンがだめならノルウェーに押し寄せるかもしれない、というので新しい規制法をつくっています。(了)
付記:もちろん追放される側には不幸な事態がたくさんある。欧州で育った子が、アフガン、チェチェン、コソボでやっていけるだろうか。家族離別のケースなど、非人間的な法の適用に留意が望まれる。


Pnorama Box制作委員会

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