安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アリスティード追放、米海兵隊ハイチへ

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〈 Mon, 01 Mar 2004



"Out of question" 辞任はありえないとアリスティード大統領はラジオ放送をしてから1時間後に「流血をさけるため任期を残して辞任する」と、首相から声明が出た。この1時間のうちに米は最後通牒を宣告したわけだ。日曜日、アリスティードと警護/側近/家族ら40〜50人を乗せた白無地、なんの印もない無国籍ボーイングがしらじたと夜明けのポルトー・プランス空港をゆっくり上昇。15年ちかく及んだアリスティードの時代が終わった。
パワーバキュームをつくらないよう、正しく米はあくまで現政権下で政府改革をはかるだろう。それで「アリスティードは倒れない」コラムを書いたところが ・・仏米のエラーだ。
3週間前に反乱軍と暴徒がつぎつぎ地方を制圧、略奪がはじまってからしばらくは、米はハイチの体制を守ると静観していた。しかしアリスティードに統治能力なしと判断してから退陣をせまるようになり、ガンコなアリスティードを国外へ逃がしたのは「拉致」にひとしいやりかたである。大方の報道のように逃亡したのではない。空港へエスコートしたのは米大使館警護の名目で先に派遣された海兵隊40人だ。米はアリスティードのリクエストによるというが、有無を言わさないエスコートもあるわな。
ま、ベビードック(20代なら知らないかも)のように逮捕して監禁するのはバツがわるい。貧者の味方、国民的英雄だったカトリック神父アリスティードを大統領に推したのはパパブッシュでした。程なく権力を奪われた軍のクーデターに遭ってアメリカに亡命したこの貧者の英雄を、海兵隊を侵攻させてふたたび大統領に返り咲き(1994)してあげたのはクリントン。その手前もある。
アメリカの善意、その意図は疑わないが、英雄でも米がふたたび押し込んだ人物となると指導力を失う。なぜこのころ94〜95年頃に肩入れするなり、前後策を講じておかなかったのか。アリスティードは野党に悉く妨害され、ひとりぼっちになったあげく、ガンコな独裁側近政治に変身したのである。その法皇的ガンコぶりはCNN女性記者との長いインタビューに詳しい。現在、政情不安定、紛争の種になっている国は、米が時の都合で介入し置きざりにした国々です。イラン(パーレビ)、アフガニスタン、イラク・・・
主のいないハイチの首都は民兵が暴れ回り、反乱軍が来ないうちにスーパーを略奪しちゃえという絶望的な住民である。警察やガソリンスタンドが焼き打ちされ、刑務所を解放し、もと政府の幹部宅はいいカモだ。
空港警備はカナダ兵が担当、大統領パレスは米兵が少数ながら警備についた。ガイ・フィリッペというちょっと解せないソフトな反乱軍のなかでも有力なリーダーがいる。米の要請で一両日首都侵攻を見合わせている。政治的野心はない。戦いは終わった、ノーモアファイト。首都へいづれ行くだろうがそれは治安のため・・ラジオで聞くかぎりキモチ悪いほど口当たりがいい。米仏とも治安軍派遣に数日かかえるだろう。それまでの数日に無法状態が落ち着くかどうかはさしたる問題ではない
国際救援物資と米仏、それにカリブ諸国軍のニラミで治安面はよくなっても、ドラッグ中継とエイズが蔓延するハイチの未来はこれはもう雲をつかむように頼りない。(了)


Pnorama Box制作委員会

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