安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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カダフィ、オイルビジネス開始

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〈 Fri, 26 Mar 2004



●ブレア、前進あるのみ
ブレア首相はマドリッド3.11の葬儀のあと、トリポリに飛んでカダフィ大佐と握手。のパトロン、北アイルランドのIRAに武器と資金を提供したカダフィ、ロッカバイに墜落したパンナム機爆破などテロリストのパトロンであったカダフィと握手するのだから、ギコチないのは無理もない。ロッカバイ事件は270人の死者を出した欧州最大のテロ事件であり、カダフィは多額の賠償金を支払った。マドリッドの惨事は190人、こちらはモロッコ難民によるテロとて賠償の道は閉ざされている。
ロッカバイの遺族にすれば、ブレア首相が西側の主首長として最初にリビアを訪問するなど、亡き家族にドロを塗る行為にひとしい。そこをエイヤッと前進するのがブレアの知力と勇気である。ブレアはどんなイヤな相手、不和になった相手にもあくなく対話を試みる。相手が逃げても追っかけていく性格で、これでもし酒癖が悪かったらサイテイです。さいわい飲んで人がかわることはないらしい。
●年輪を刻んだカダフィ
さて、トリポリ郊外の野外テントにブレアを迎えたカダフィは黒い普段のアラビアローブに黒い帽子という、全然おもしろくないいでたちだった。アラブの王様が形無しになるピンクや萌黄色の華やかなローブ、またモールと勲章で全飾り立てた白の軍服姿は、北朝鮮の参謀たちもおもわず道をあけるほど見事である。晴れ姿を鑑賞できなくて残念でした。ま、ブレアの首吊り背広に合わせたのかも知れない。
カダフィは初対面でブレア(50才)に「おゝ若々しい、君はまだ若い」と言ったそうです。カダフィは鎖国しているあいだに年令を重ね人がまるくなったようだ。面構えは精悍だが、砂漠の風にうたれているせいか、年輪を刻んだ皺が深い。
●オイルビジネス再開
この会見はリビアが具体的に国際社会に復帰したことを世界に、とくにアラブ社会に時代が変わりつつあることを印象づけた。ブレアの到着前にロイヤル・ダッチ・シェル石油が天然ガス開発の契約を発表。シェルはイギリスとオランダの企業グループで、これはブレアへのお土産、もちろん石油利権の大きな部分は将来アメリカに与えられるが、いよいよビジネス開始である。各国リーダーのトリポリ詣でがギッシリ詰まっていて、これが一段落すると次はビジネスマンのトリポリ詣でがはじまる。
●カダフィ、砂漠の狂犬から番犬へ
一方軍事面でもイギリスはリビヤ軍の再編成にアドバイスするほか、兵器輸出、対テロで協力する駐在武官をトリポリに置くことになった。レーガンが「砂漠の狂犬」と呼んで忌み嫌ったカダフィは、いまやテロの番犬に変身した。核と生物科学兵器を処分すれば、近代的なミリタリーを得ることができる。金正日将軍も見習ったらどうだ。(了)
後日記:昨年のコラム「カダフィ大佐の衝撃波」より>なぜカダフィがWMDをあきらめたかといえば、技術力不足で兵器計画が挫折したこと、西側への石油輸出が米の制裁で伸び悩んだことがあげられる。<
そういう展開、カダフィは新兵器と石油ビジネス、一石二鳥を仕留めた。


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