2005年酒匂川のコアジサシの繁殖状況 3月26日
お天気が良く、本日の台地作りは大盛況でした。台地そのものもこれまでで一番大きいのですが、参加者も300名を越えたようで、熱気に溢れていました。市役所の頑張りなのでしょう、流域の会社の方々が団体で来てくださり、酒匂川一斉清掃と並ぶ春の行事へと定着するのでは・・・と思いました。諦めずにやってきて良かったとしみじみ思いました。また子供連れの若い方の姿も多く、初期の頃の野鳥の会の老人(もちろん私も)だけでは余り先の事は語れない状況でしたが、今日のこの調子では行く先に明るい光が射すのを感じました。子育てが終った今にして思うのですが、大人が何をしようとしているのか、その現場を見せそして一緒に行動する事は、やはり大事な事だったなーと反省しています。石を拾いながら、お父さんと子供の何気ない会話が聞こえてきて、コアジサシの保護はもちろんのことながら、石ころの固さや冷たさ、川面を吹き抜ける風の匂い・・・等、小さな身体に刻んで行くのだろうとしみじみと思いました。地域の鳥は地域の人が守るという取り組みが今後も続いて行くよう、私達も頑張らねばと思いました。
他所から来られた方々は市役所の職員の熱意を感じると言います。例え市の鳥であろうとこれほどまでにはしない…と言います。私も弱気になるたびに励まされています。そして次々と素晴らしいアイデアを思いつき、それを実践してくれます。今回も素晴らしい竹製のシェルターを作ってくれました。
今ではコアジサシを襲うとこの辺りではすっかり悪者?(そんな事はないのですが・・・)扱いとなったチョウゲンボウが今年も既にいつもの鉄橋で営巣を始めていて、本日は交尾をしているのが観察されました。
4月18日 河口に20羽が休息中。 4月23日 アリーナの前で鳴き声がする。最近上流への飛来が遅い傾向がある。 4月25日 河口では数が増え40羽。そのうち上流部に飛来するのはごく数羽。これが何処に下りるのかが今年の繁殖地を左右する。 4月28日 小田原大橋下で10羽が水際で休息。上空を3組が追尾行動中。降りることがなく何時までも飛び続ける。やがてこの3組のうち1組が
人口台地上に下りる。うん、ここでやるのか。やって欲しい。是非。4月30日 大橋下に50羽。浅瀬で休息中。他にはホウロクシギ、チュウシャクシギ、トウネン、キアシシギ・・・。繁殖をする気配が薄い。番形成があるようには思えない。
5月14日 開成町栢山堰上の中州で5組が繁殖。完全抱卵はまだない様子。ここは昨年冠水し全滅した後、1組が繁殖し、見事に2羽が巣立った場所。ダムの放流がなければ中州は高さがあり成功するだろう。 5月16日 今年はアユの天然遡上が極端に少ないそうな。相模川では昨年2000万匹だが、今年は50万匹。酒匂川も同様とのこと。これは99年以来の不漁だ。
台地上でチョウゲンボウの若鳥が2羽遊んでいる。先日30羽ほどコアジサシが下りていたのに、今日は1羽もいない。今年はここでの繁殖はない。がっかり。5月28日 小田原市のコアジサシ雛祭の日。子供の参加者にマジック絵本を作ってもらい、コアジサシの子育てを学んでもらった。堰前の中州にはスペースがあり、酒匂川の鳥を紹介するパネルなどを展示したり、同時に野鳥観察会等をしたら良かったと反省。4月から保全課の担当者が大分変わり、連携に多少の乱れがある。 5月13日 開成町栢山堰には50羽の成鳥がいる。14日に見た10羽の繁殖は順調だが、雛の誕生はまだのよう。小さな魚を運ぶ親の姿はない。 6月6日 栢山堰では更に数が増え成鳥が70羽ほど見える。中州の一番高い場所では望遠鏡を構えると数番のコアジサシの姿がある。かなり密集したコロニー。まだメダカのような餌を運ぶものはいない。少し変。生まれるそばから食われているのでは・・・。 6月13日 雛の誕生だ。小さな小魚を口にくわえて懸命に飛ぶ親鳥の姿がある。成鳥は更に増えて90羽ほど。度々群舞が見られる。酒匂川に久し振りに活気が戻って来た。県内全体が渇水気味とのこと。今年がチャンスだ。 6月16日 親の腹に下に生まれたての雛が3羽見える。バタバタと羽を動かし口を開け餌をねだる。第一陣10羽の内の子供ではなく、少し遅れて繁殖をした第二陣の子供だろう。かなり右岸寄りで繁殖をしているから。しかしそれにしても雛の数が少ない。カラスの子供が7羽とチョウゲンボウが松の木でコアジサシを狙う。このままでは全滅だ。 6月18日 早朝6時。Mさんと中州に入り、シェルターの設置。太い孟宗竹を割って、30センチほどに切った物を9個と竹で編んだネットを1個設置。市役所のM氏が作ってくれた物だ。効果の程はどうだろう。中州に入ると生後数日の雛が2羽石の間にうずくまるのを確認。まだ孵化しない卵があちこちに見え、これらが皆孵化したらと思うとワクワクする。今後が楽しみだ。 7月3日 シェルタ―の入口では休む雛の姿が多くある。暑くて口を開けながらも入口で親の給餌を待つ姿を見ると勇気が湧いてくる。シェルターが見事に役に立っている。それにしても第二陣がこのところ一斉に孵化したのだろう。雛の数が多く、至る所で駆けずり回る姿がある。久し振りに興奮。このまま順調に育ってくれれば例年にない繁殖率なのだが・・・。 7月6日 何と既に親と一緒に飛べる雛が2羽いる。これは第一陣10羽のうちの子供で、6月初旬の誕生で、生後30日以上経っている。こうなればチョウゲンボウからも逃げられる? 7月8日 竹製シェルタ―の設置。親鳥が60羽ほどと幾分減少している。30羽ほどは今年の成果はなく渡りに入った模様。卵のまま放置されているのも目立つ。皆乾いていてカラカラと音がする。若鳥の姿が5羽見える。短い距離なら飛べる。これで今年がゼロでないのを確信。 7月11日 成鳥が30羽に減少。急激に減少している。雛がやられたのだろう。不思議なことに口に小魚をくわえたまま降りず飛び回る成鳥が何組かいる。求愛の行動とは全く異なり、異様な光景だ。観察を10年以上していて始めてみる光景。雛がやられたのに雛の声を探して飛び回っているのか。ただ地面を探す気配は全くない。奇妙な行動。この意味が分からない。
雛や若鳥の姿は今日は見えない。大分巣の位置から動いているのだろう。7月13日 成鳥が20羽。更に更に減少。子供の数は8羽。このうち1羽は親鳥と一緒に飛べるまでに成長。一番小さな雛は生後10日前後。成鳥の数にしては子供の数が多い。羽の模様で兄弟関係が分かる。卵の模様が異なるように雛の模様も異なる。 7月14日 成鳥は格段に少なく、僅かに8羽のみ。子供は全部で9羽見られる。一番小さな物も中州を一回りぐらいは飛べる状態になっている。このまま被害がなければ良いのだが・・・。松木にカラスが7羽止まっていたが、親の一声で一斉に中州を横切り対岸の松に移動。しかし1羽はコアジサシの攻撃にあい、元の木に戻ってしまう。みな若鳥なのだろう。飛び方がぎこちない。 7月17日 親鳥は今日も口にくわえたまま降りない。そのため雛の位置が分からない。これはどう言う意味があるのだろう。雛の飛行訓練を促す行動とも違う。今年はこの行動を良く見る。意味が分からない。良く飛べる子供は3羽。更に先日から良く飛べていた子供は既に親と共に渡りに入った模様でその姿はない。カラスに追い出されてチョウゲンボウが松木から飛び出し、中州に下りる。あれー。そして数歩歩くと石の間の子供を右足に捕まえ、対岸のエノキに入り食べる。あーあー、ここまで育ったのに・・・。飛べてもだめなのだ。危険が来たら伏せが彼等の基本的な反応だ。チョウゲンボウには何より都合が良い。川岸でこの有様を見ていても何も出来ないもどかしさ。 7月26日 中州にはコアジサシの姿はなし。皆渡りに入ったのだろう。今年のコアジサシの繁殖状況は総飛来数が約90羽。渡り可能な若鳥が9羽。若鳥率がなんと10パーセント。非常に悪い。今年は酒匂川全体が冠水気味であったため、営巣中に一度もダムの放流はなく、繁殖にはまたとない好条件だったのに。チョウゲンボウが酒匂川に飛来するまでは、このような渇水期には若鳥率は30%を越えるのが普通だった。チョウゲンボウへの備えが全くなっていない。全く持って手が漬けられない状態だ。