眺めのいい部屋
   A Room with a View

 監督:ジェームス・アイボリー イギリス1986年
  CAST ヘレナ・ボナム・カーター:ルーシー ジュリアン・サンズ:ジョージ・エマソン
   マギー・スミス:シャーロット ダニエル・ディ・ルイス:シシル・バイス
   デナム・エリオット:Mr.エマソン
 年配の従姉妹シャーロットを付き添いにイタリア旅行するヒロイン・ルーシー。 フィレンツェの宿では景色の良くない部屋にあたってしまうが、風変わりなエマソン父子と知り合い、眺めいい部屋と交換してもらうことになる。 言葉数は少ないが自分の気持ちに正直な青年ジョージ・エマソンはルーシーに恋をした。 彼は感情のおもむくままピクニック先の草原でルーシーに情熱的なキスをする。 シャーロットによって引き離されるように帰途についたルーシーは、イギリスでの日常生活に戻るとインテリのシシルと婚約をする。 彼女にとってジョージとの出来事は旅の思い出に留めておくべきことだったのだ。 ところが運命の巡り合わせでエマソン父子が近所に越してきたことから・・・。


作品ガイド
 イギリスらしい上品さとユーモアに満ち溢れ、単なるラブストーリーではなく、コメディにジャンル分けされることもしばしば。 それだけでも面白い作品だが、当時の色濃く残る階級制度などを踏まえて見るとテーマは深い。 上流(シシル)、中産階級(ルーシー、シャーロット)が美徳と見なす慎み深い行動や考えなどが滑稽とばかりに描かれている。 ルーシーもそんな因習にとらわれている一人だ。 その対極にいるのがエマソン父子で、ルーシーはジョージに惹かれる自分に気付いてはいるのだが、自由主義で階級も劣る彼は到底望ましい相手とは言い難い。 しかも彼女には婚約者もいるのだ。 そんな事情もあってルーシーは自分の感情に素直になってはいけないと思い込んでしまっている。 その結果、自らの心を偽り、周囲には嘘に嘘を重ねることになってしまう。 しかしストーリーは決して重くならず、あくまでも軽やかで優しい。 説明的な内面の描写やモノローグはほとんどなく、シーンごとにルーシーの心情を表す"○○への嘘"というタイトルバックが出されるのが微笑ましい。 
 淑女にふさわしい振る舞いをしようとしてがんじがらめになってしまうルーシーに少女と女性のはざまの顔をしたヘレナ・ボナム・カーターはまさに適役。 ダニエル・デイ・ルイスは頭でっかちで嫌味なシシルをサラッと演じカメレオン俳優の面目躍如だ。 そして情熱を秘めたジョージ:ジュリアン・サンズは、登場シーンこそあまり多くはないがどのシーンでも魅力に溢れている。 マギー・スミス、デナム・エリオットをはじめとする脇を固める面々もいい味出してます。  
眺めのいい部屋 Link
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