ダイエットと無月経(週刊やさしいダイエット第21号より)
■はじめに
かれこれ2ヵ月前のことになりますが、第11号では「痩せ過ぎ」がもたらす病気と題しまして、痩せ過ぎによって起こる様々な健康への害についてお話しました。しかし、それでも女性達の行き過ぎた「痩せ」へのこだわりはとどまることを知らず、「今すぐ10キロ痩せたいんです!」「標準よりは細いと思います。でもまだ友達より太いんです!」と言ってカウンセリングルームに駆け込んでくる人が後を断ちません。これは、まだダイエットについて安易に考え過ぎている人が多いと言う証なのでしょうか?
今日は痩せ過ぎによってもたらされる病気の一つ「体重減少性無月経」についてお話したいと思います。
■体重減少性無月経とは
「体重減少性無月経」は、ダイエットや神経性無食欲症(いわゆる拒食症)、ストレスや環境の変化などにより、急激に体重が減って、今まで順調だった月経(生理)が止まってしまったり(これを「無月経」と言います)、月経はあっても排卵が無くなってしまたり(これを「無排卵」と言います)する病気です。
「急激」と言うと、どれくらいのペースだと思いますか?1ヵ月に5キロくらい?それとも10キロくらいでしょうか?
実はここで言う「急激」と言うのは、3ヵ月〜1年以内に5〜10キロ、元の体重の10〜30%落とすことなのです。「そんなに少ししか落とさなくても月経が止まってしまうの?!」と驚かれる人も多いでしょう。
またこの病気は、既に痩せている人が更にダイエットをした場合だけでなく、肥満の人が標準体重に近付いた場合でも起こり得ます。
更にリバウンドによって既に体重が元に戻っていても、遅れて発症することがあるそうです。
■無月経の起こるメカニズム
何故このようなことが起こるのでしょうか?それは排卵や月経をコントロールしている脳のある部分(「間脳」や「視床下部」と言われます)が、急激な痩せによってダメージを受けるからです。それによって排卵や月経を起こすのに必要な女性ホルモンがうまく出なくなり、結果として無排卵や無月経が起こるのです。
■無月経の恐ろしさ
女性の中には「子供が欲しい訳じゃないし」「生理なんてわずらわしいし」と思っては、月経が止まることに危機感を持たない人もいるようです。しかし、無月経は「女性ホルモンがうまく出なくなる」と言う問題の氷山の一角に過ぎず、実は見えないところで色々な害が起こっているのです。
皆さんは「閉経後の女性は骨折や動脈硬化が起こりやすい」と言うお話を聞いたことがありますか?実は女性ホルモンと言うのはいわゆる「女性の性周期」ばかりでなく、骨や体内のコレステロールの調整などに関与しているのです。ですから閉経を迎え、女性ホルモンがうまく出なくなると、そこに障害が出てきます。例えば骨の量が減ってもろくなり(骨そしょう症)、骨折しやすくなったりします。またコレステロールの調整がうまくいかなくなると、動脈硬化(血管の中に脂がたまる)が起こり、脳卒中や心筋梗塞の原因となります。
体重減少によって月経が止まれば、これと同じようなことが起こってくるのです。
■無月経を防ぐには/なってしまったら
残念ながら今のところ「◯ヵ月間に×キロ減ったら、無月経が起こりやすくなる」と言うような報告はなされていないようです。しかし、無茶なダイエットはしないこと、また万が一無月経になってしまったら早めに産婦人科を受診することで、健康への害を少なくすることができるでしょう。
産婦人科の先生のHPとして、私もリンクをはって頂いているチカエ先生のページがお薦めです。以下に先生からのコメントを頂きました。
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身体に不安があるけれど 何処にかかれば良いのかな?
こんなこと相談したら 恥ずかしいいんじゃないのかな?
と思っている方が沢山おられるんではないでしょうか?
女性としての自分のからだに関心を持つ事はとても大切です。
上手に産婦人科を利用して 一生のホームドクターとして皆さんと一緒にま
じめに健康に着いて取り組みたい、そんなクリニックを作りたいと考えた
浪速の女医のぺーじです。
みなさんの生の御意見を生かしたクリニックを2001年春に開業予定です。
私自身の修行の場でもあるページをのぞいてみて下さい。
Dr. Chikae’s Clinic
http://www05.u-page.so-net.ne.jp/zb3/chikae-t/
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■おわりに
ここまで読んで「そんなこと言ったって、無月経になることなんて滅多に無いんでしょ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし容姿を重視されるような職種では、女性従業員の多くに月経不順や無月経が見られるとも言われます。無月経は常に痩せのすぐ近くにあるのです。