運動とメディカル・チェック(週刊やさしいダイエット第27号より)
■はじめに
健康への関心の高まりと共に、ダイエットは勿論「体のために運動をする」という人が増えてきました。私が普段散歩に行く公園でもウォーキングをしている人をよく見かけます。
しかし、その一方で「運動はどんな時でも体に良い」つまり、運動を万能薬のように考えている人も少なくありません。これは大変危険な思いこみです。何故なら場合によっては運動が寿命を縮める元にもなりかねないからです。
今回は「エクササイズ元年」シリーズの第2回と致しまして、運動とメディカル・チェック(医師による事前の身体検査)について取り上げたいと思います。
■何故メディカル・チェックが必要なのか?
私たちはこれと言って病気が「見つかって」いないと、自分には何も病気がないと思いこみがちです。しかし、実際には見つかっていないだけで病気が「隠れて」いる場合があります。ある会社ではメディカル・チェックを行ったところ、中年勤労男性の2割に何らかの「思いがけない」異常が見つかったという報告があるほどです。これらの病気に気づかずに急に運動を始めると、隠れた病気を悪化させるどころか不幸な事故を招くことがあります。
特に運動中に発生した突然死のうち、39歳以下では90%、40歳以上では99%が循環器(心臓や血管)の病気が原因といわれていますので、その分野の検査が大切になります。現在何らかの病気で通院している人が主治医の指導を受けることは勿論ですが、そうでない人でもこれから新たに運動を始めようと思ったらメディカルチェックを受けるようにしましょう。
■メディカルチェックではどんなことをするのか?
先ほどもお話ししたように、運動中の突然死には循環器の病気の有無が重要になります。ですから、問診や身体測定、診察の他に血圧や心電図の検査も行います。必要に応じて精密検査が行われることもありますが、病院によっては最初からもっと詳しい検査をすることもあります。
これらは、皆さんが普段風邪の時にかかっている近所の内科でも十分検査することが出来ます。念のため事前に病院に問い合わせてから行ってみると良いでしょう。
■生活習慣病と運動
それでは、既に何らかの生活習慣病で通院している人はどうしたら良いでしょう?運動は生活習慣病の予防に大変効果的と言われていますが、いざ病気が発症しまうと、病気の程度によってはかえって悪化させるもとになることがあります。また他にこれと言って合併症がない場合でも、BMIが35以上の高度肥満の人の運動は体への負担が大きくなります。
いずれの場合でも、医師の指示を仰ぎましょう。
■セルフチェック
この他、メディカル・チェックで「問題なし」と言われた人でも、以下のような場合には運動をお休みしたり、医師に相談したりする方が良いでしょう。
・頭痛、発熱などの風邪のような症状
・下痢や腹痛
・睡眠不足や過労、二日酔い
・脈拍の異常(乱れたり、極端に少なかったり〜1分間に50以下、運動前から極端に早かったり〜1分間に100以上)
・血圧がいつもの変動範囲より高い
・(筋肉痛ではなく)足腰が痛い
また運動中に以下のようなことが起こっても運動を中止し、医師に相談しましょう。
・胸苦しい、胸が痛い
・めまい、気が遠くなる
・急に脈が速くなる、動悸(胸に手を当てなくても心臓がドキドキするのを感じる)
・顔面蒼白、冷や汗、吐き気
・普通でない息切れ
・足腰が痛くなってくる
■最後に
運動を休むというのは、時に運動を続けることより困難な場合があるようです。私のところに相談に訪れる人の中にも足腰が痛い、痛いと言いながら運動を続けている人が少なくなく、「きちんと整形外科で診てもらって下さい。それが出来なければせめて痛む間は運動をお休みしてください。」と再三お話ししても聞く耳持たず‥と言う具合です。
何が何でも早く痩せたいと焦る気持ちはわかります。しかし、厳しいことを言うようですが自分の身体を粗末にするような人にダイエットをする資格があるでしょうか?
ダイエットは、今まで仕事や家事・育児、その他諸々の雑事におわれて、自分の身体(美容や健康)に十分に目をかけてあげられなかった分の「お返し」です。どうぞ体にお礼を言うくらいのつもりで、優しくいたわってあげてください。