忘れないで!ウォーミングアップ(週刊やさしいダイエット第29号より)


■はじめに

今日は「エクササイズ元年」シリーズの第3回と致しまして、ウォーミングアップ(準備運動)とクールダウン(整理運動)について取り上げたいと思います。

第27号ではメディカルチェックの必要性についてお話ししました。現在何らかの病気を持っている人がその病気に気が付かなかったり、気づいて病院にかかっていても主治医の指示に従わずに運動を始めると、思わぬ事故を招くことがあります。しかし全く健康であっても、やり方によっては、やはり運動で健康を害することがあります。

今日は安全で効果的な運動を行うために、ウォーミングアップ(準備運動)とクールダウン(整理運動)について勉強しましょう。

■ウォーミングアップ(準備運動)

ウォーミングアップ(準備運動)とは、これから始める運動(「主運動」と言います)を安全かつ有効に行えるよう、体の各部を準備させるための軽い運動です。これによって心臓や血管では、血液の循環を促進して血管が激しい運動に耐えられるようにしますし、筋肉や関節では、局所を暖めて動きをなめらかにしたりエネルギーを効率よく消費するようになります。

もしもウォーミングアップを行わなかったらどうなるでしょう?血液は、安静にしている時にはおよそ70秒かけて体内を1周します。しかし、運動のピーク時には沢山の血液が必要になる(厳密に言えば、血液に含まれる酸素が必要になる)ので、このスピードが約6秒にまで短縮されます。

しかし、もしいきなり激しい運動を始めてしまったら、血液の循環はこれに対応しきれず、体内が酸素不足に陥ったり血圧が急に上がったりするのです。勿論筋肉や関節にも大きな負担がかかります。

■クールダウン(整理運動)

クールダウン(整理運動)とは、主運動によって上がった脈拍が平常に近く戻るまで緩やかな運動を行い、徐々に運動を終了させるための軽い運動です。

それではもしクールダウンを行わなかったらどうなるでしょう?運動中、手足の筋肉は酸素を沢山必要とするため、そこには通常より沢山の血液が流れます。そして、そこを流れる血液は心臓の働きだけでなく、筋肉の伸び縮みによって「ぐいぐいっ」と心臓に押し戻されるのです。これを「筋肉のポンプ作用」と言いますが、つまり運動中は筋肉が心臓の「助っ人」をしているのです。

しかし、もし急に運動を止めると、心臓は急に「筋肉のポンプ作用」と言う「助っ人」を失ってしまうわけですから、突然仕事(負担)は増えるわ、手足の筋肉に行き渡っている血液を回収しきれないわで大変なことになります。これによってどういうことが起こるでしょう?回収しきれなかった血液によって手足が一時的に鬱血(うっけつ)したり、脳への血液が足りなくなって脳貧血を起こして倒れたり、以前お話しした乳酸と呼ばれる疲労物質の回収も遅れるので、筋肉痛を起こしたりします。

■具体的にどんな運動がよいのか?

それではウォーミングアップやクールダウンにはどんな運動がいいのでしょうか?一般的には「強度は主運動が最大心拍数の60%なら最大心拍数の40%程度。時間はウォーミングアップなら最低5分間、クールダウンも最低2〜3分。」とされていますが、最大心拍数と言われてもピンと来ない人は、まずは血の巡りを良くし、体をほぐし、あたためる運動を始めてみましょう。例えばウォーミングアップにはストレッチやラジオ体操、体の各関節をほぐしたり筋肉をのばしたりする体操、クールダウンには軽い歩行、ストレッチ、体操、マッサージなど、本や雑誌で紹介されているものを取り入れてみてはいかがでしょうか?念入りに体をほぐしていれば、あっという間に5分くらい経ってしまいますよ。

■おわりに

ダイエットカウンセリングをしていると、ウォーミングアップやクールダウンをしていない人が大変多いことに驚きます。ウォーキングのような軽い運動であっても、安全と効率のために、やはりウォーミングアップやクールダウンは大切。自分の体力を過信せず、健康のための運動で体をこわしてしまわないよう心がけたいものですね。