「ウォーキング」事始め(週刊やさしいダイエット第32号より)


■はじめに

今年に入ってから「やさしいダイエット」では、「エクササイズ元年」と称して、運動に関する色々なお話しをしてきましたが、今日はいよいよ具体的な運動の方法についてご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは「ウォーキング」です。既に「毎日歩いています!」と言う方も多いと思いますが、これから外へ出て歩くのには大変良い季節になりますから、この機会により多くの方にウォーキングにチャレンジしていただければと思います。

■ウォーキングの効果

ウォーキングは私たちが日々生活の中で行っている「歩行」という動作を利用した運動であり、特別な運動器具を必要とせず、運動の強度も比較的軽いため、今まで運動の習慣の無かった人でも手軽に始められる運動として、近年大変注目されています。

運動療法の効果には、第10号でもお話ししたように、カロリーの消費・基礎代謝の増加・脂肪の蓄積の防止・インスリンの働きが良くなる・動脈硬化の改善や善玉コレステロールの増加による、生活習慣病の予防・体が鍛えられて体力がつき、運動能力も向上する・ストレスを解消して食べ過ぎを防ぐ等があげられますが、これらは勿論ウォーキングにも当てはまります。

またウォーキングを行うと、歩く速さによって以下のカロリーが消費されます。

分速60m 0.0534(kcal/kg/分)
  70m 0.0623
  80m 0.0747
  90m 0.0906
 100m 0.1083

さらに次の係数をかけることにより、年齢や性別による補正が出来ます(この係数はウォーキング以外の運動でも使えます)。

20代 男性(1.000)女性(0.971)
30代 男性(0.954)女性(0.917)
40代 男性(0.925)女性(0.879)
50代 男性(0.917)女性(0.863)
ですから、例えば50代で体重80kgの男性が、分速70mで30分ウォーキングを行えば、[30分]×[分速70mの時の体重1kg・1分あたりの消費カロリー]×[80kg]×[50代男性の補正係数]=30×0.0623×80×0.917=約137kcalのカロリーを消費することになるのです。

■運動の強度(歩く速さ)

しばしばウォーキングは会話が出来る速さで、と言われますが、具体的にはどれくらいの速さなのでしょう?これを運動の強度という視点から考えてみたいと思います。

運動の強度は、自覚症状から次のように分類されます。

・運動強度100%;最高にきつい
 (体全体が苦しい)
・運動強度90%;非常にきつい
 (無理、100%と差がないと感じる、若干言葉が出る、息が詰まる)
・運動強度80%;きつい
 (続かない、やめたい、のどが渇く、頑張るのみ)
・運動強度70%;ややきつい
 (どこまで続くか不安、緊張、汗びっしょり)
○運動強度60%;やや楽である
 (いつまでも続く、充実感、汗が出る)
○運動強度50%;楽である
 (汗が出るかでないか、フォームが気になる、物足りない)
○運動強度40%;非常に楽である
 (楽しく気持ちよいが物足りない)
・運動強度30%;最高に楽である
 (動いた方が楽、全く物足りない)

このうち「非常に楽である」から「やや楽である」までを「(強度が)中等度の運動」と呼びますが、久しぶりに運動をするという人であれば軽い運動から始めて、徐々に中等度の運動へと高めていくことが望ましいとされています。なお、このときの脈拍数は20〜30代で130/分、40〜50代で120/分、60〜70代で110/分であると言われます。このように自覚症状と脈拍数から自分に適した運動の強度(歩く速さ)を決めるようにしましょう。

■運動の時間(歩く時間)

ウォーキングのような有酸素運動は運動を始めてから10分を越えるくらいから脂肪が消費され始めると言われています。ですから最初は10〜30分くらいを目安にし、徐々に増やして60分以内とすると良いでしょう。

■運動の頻度

1回のトレーニングで体に生じた効果は、3日以内に低下し、さらに1週間でほとんど消失すると言われています。このため、持続的な効果を期待するにはトレーニングは週3日以上行う必要があります。

■運動時の服装

動きやすい服装であればどのような服装でも構いませんが、特にシューズについては次の条件を満たすものがのぞましいと言われています。

・サイズはつま先などが当たらないよう適度の余裕があるもの
・デザインはひも締めで、足に合うよう調整できるもの。また底には適度なクッション性があり、しなやかに曲がる
・吸湿性または通気性があってむれないもの

時々「足首に効くように」とヒールの高い靴で歩いている人を見かけますが、長時間の歩行に適さない靴で歩いていると、足腰を傷める元になります。また「汗を沢山かくように」とサウナスーツを着て歩く人もいますが、通気性の悪い服は疲労が増したり、脱水症状を引き起こす元になります。さらに日差しから頭を守ったり日焼けを防ぐためには帽子を、軽快に歩くためにはデイパックやウエストポーチを利用しましょう。

■運動時の姿勢

余計な疲労と、けがや事故の防止のために以下のポイントに気をつけましょう。

・姿勢良く(あごを引き、背筋を伸ばす)
・かかとから着地し、足の裏全体を使って、つま先で押し出すように
・腕は自然に前後に振る
・不必要な力は使わず、リラックスして

■その他気をつけること

ウォーキングも他の運動と同じように、健康に自信があっても始める前にはメディカルチェックを受けること。既に生活習慣病で通院している人や、足腰に痛みのある人は、主治医の指導を仰ぎましょう。

また、ウォーキングは他に比べれば安全性の高いスポーツだと言われていますが、それでも腰や背中の筋肉、膝の関節や靱帯、ふくらはぎのあたりの腱や筋肉、足の平の筋肉や骨を傷めることが(ひどいときは骨折することも!)ありますので、それらの痛みが出たときは速やかに運動を中止し、専門医(整形外科)を受診するようにしましょう。

それから勿論運動の前後にはウォーミングアップ・クールダウンを忘れずに!

■おわりに

最後にウォーキングのプログラムの一例を示します。これからウォーキングを始められる方は、是非参考にしてみてください。

【1週目】1日20分×週3回、または1日15分×週5回
     (脈のはかり方を練習しよう!)
     (服装を整え、靴や靴下が合うかチェックしよう!)
【2週目】1日25分×週3回、または1日18分×週5回
     (時々は歩くコースを変えてみよう!)
【3週目】1日30分×週3回、または1日20分×週5回
【4週目】1日35分×週3回、または1日22分×週5回
【5週目】1日40分×週3回、または1日25分×週5回
【6週目】1日45分×週3回、または1日30分×週5回

以後6週目の内容を維持