こどもの肥満(週刊やさしいダイエット第33号より)


■はじめに

近年、こどもの肥満が問題になっています。私のところにダイエット相談にみえられる方の中にも、「自分はもとより、こどもまで肥満にしてしまったらどうしよう」と心配されている方が少なくありません。

こどもの肥満は身体的な健康は勿論、精神的な健康;つまりいじめの対象になったり、劣等感から積極性をなくしたりすることにも影響を及ぼす為、何らかの対策が必要となります。しかし、その一方で「痩せれば良い」「痩せさえすれば良い」と言う短絡的な思考は、拒食症や過食症と言った摂食障害の引き金にもなりかねません。

今までこのメルマガでは「大人のダイエット」について取り上げてきましたが、これから数回にわたり、「こどもの肥満」「こどものダイエット」についてお話ししたいと思います。「こどものことは関係ないわ」と言う方も、自分がかつてこどもだった頃、どんな「食に関するクセ」を身につけてしまったか、考えながら読んでいただければと思います。

■こどもの体格の判定 大人は自分の体格を調べるときにBMI(body mass index)と言う指数を使い、「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」が25を超えたら肥満と判定されます。

こどもは大人とは違った指数を使います。一つには「カウプ指数」と言うものがあり、これは乳幼児の健康診断で使われます。具体的には「1万×体重(kg)÷[身長(cm)の2乗]」が18〜20以上であれば肥満と判定されます。この時身長が「cm」で表されていることに気を付けてください。

また、もう一つには「ローレル指数」というものがあり、これは学童の健康診断で使われます。具体的には「1千万×体重(kg)÷[身長(cm)の3乗]」が160以上ならば肥満と判定されます。こちらも同じく身長は「cm」で表されます。

そして、BMIが22の時もっとも病気にかかりにくいと言うことから大人の標準体重が求められたように、こどももローレル指数が13の時にもっとも学校の欠席日数が少ないと言うことから、学童の標準体重は次のものが提唱されています。

標準体重(kg)=[身長(m)の3乗]×13

この時は身長は「m」で表します。少しややこしいですね(^^;)。

■こどもの肥満を防ぐために

人間の食習慣は、人生の早い時期;つまりこどもの頃の家庭や周囲の社会の影響をきわめて大きく受けて形作られると言われています。中でも母親の影響は大きく、こどもはその好みや行動パターンをまねて育ちますから、お母さんへの栄養教育は、こどもの肥満を防ぐためにとても大切なのです。

栄養教育とは「どの栄養素をどれだけ摂ったらいい」と言うことばかりではありません。食事や間食の「与え方」にも十分配慮する必要があります。ジェフリーと言う研究家は、現代のこども達に食べ過ぎを引き起こす要因として次のことを示しています。

1)テレビ、新聞、雑誌などの広告に莫大な費用をかけて、こども達が高エネルギー食品を食べるよう仕向けている。

2)肥満をもたらしやすい食品を購入し、家庭内においておくため、つい手が出やすく、身近なものになっている。

3)栄養価が低く、満腹感を得にくい食品(菓子や清涼飲料など)を間食として与える親がきわめて多い。

4)テレビ鑑賞のように座って暮らす時間が多く、活発に遊んだり、積極的な運動を推奨する指導はきわめて少ない。

5)「急いで食べなさい」「残さず食べなさい」などと親が口うるさく注意する結果、全部食べないと親の機嫌を損ね、しかも大きく強くなれないと誤解するこどもがいる。また、餓死しそうな人々に関する話題が強調されすぎると、食事を残すのは罪悪と感じるこどももいる。

6)こども達がむずかったり、落ち込んでいるとき、それをなだめるために食物が使われる。こども達は食物により情緒が安定することを知り、同時にむずかれば更に食物をねだれることを学ぶ。

7)良い行為に対する報酬として菓子類が使われ、これは両親の愛情や満足の象徴にもなっている。

8)こども達が騒いだり、退屈しているときに、それをなだめる手段として菓子類が使われることもある。

9)動物園、公園、映画など特別に外出する機会には、菓子類やファーストフード食品などを食べ過ぎてしまうことが多い。これを繰り返すうちに、食べる楽しみのない外出はつまらないものと位置づけられてしまう。

10)栄養はあるが、それほどおいしくない食物は敬遠され、高エネルギーのおいしいデザート類が特に好まれることが多い。このような偏食を放置しておくと、おいしいものだけ食べていればよいと言う食習慣が形成されてしまう。

11)以上のような経験を積むことにより、こども達は栄養素のバランスが悪く、栄養価の低い食物ばかりを選択的に食べ過ぎてしまうと言う好ましくない状況に陥ってしまう。

■おわりに

今日お話ししたことは「こどもの肥満」「こどものダイエット」についてのほんの「さわり」の部分です。ジェフリーの提唱した「こどもの食べ過ぎの原因」は親として、また自分自身の問題として、思い当たる方も少なくないのではないでしょうか?

続きは追々、機会を見てお話ししていきたいと思います。どうぞお楽しみに(^^)。