ミネソタの実験(1)(週刊やさしいダイエット第35号より)


■はじめに

まず、ミネソタの実験についてお話しする前に、これがどんな実験か、第25号の繰り返しになりますが簡単にご説明したいと思います。

ダイエットに関する実験について述べた本に「飢餓の生物学」と言うのがあります。これは第2次世界大戦中、アンセル・キーズと言う学者が男性のボランティアを募って行ったいわゆる「ミネソタの実験」と呼ばれる有名な実験です。

この実験は1年以上にわたって行われました。半年の「半飢餓期間」と呼ばれるダイエット期間には、男性の通常の食事の半分にあたる約1570キロカロリーの食事制限と運動が課せられました。被験者(実験の参加者)のもともとの身長と体重は平均174.4cm・69kgでBMIは22.7のほぼ標準体重でした。

そして半年のダイエットの間に彼らは平均約16.6kg(体重の約24%)の減量を行い、実験終了後の平均体重は52.4kg、BMIは17.2となりました。つまり月平均2.8kgの減量を行ったのです。これは体重の点から考えれば明らかに標準体重より10%以上下回った「痩せすぎ」ですし、ダイエットのペースの点から考えても月に2kg以上ですから早すぎます。

このダイエットの後、彼らにはどんな変化が起こったでしょう?今日はその変化のうち体格や性格に起こったものについて列挙したいと思います。

■ダイエットによって足首が太くなった?!

○太股や二の腕、胸や腰の幅と厚さ、首の幅のサイズが縮んだ。

○心臓が小さくなり、脈も遅くなった。

○体温が低下した。

○基礎代謝が40%低下した。

○むくみが起こり手首や足首が太くなった。

○冷え性になって、7月中旬でも日中にジャケットを着たり、寝る時に毛布を何枚もかぶったりした。

○疲れやすく動きがにぶくなった。エネルギー消費も低下した。

■運動を併用しても筋肉が落ちた?!

○荷物を持ち上げたり、押したり、運んだりする能力が低下した。

○腕や足、背中の筋肉が30%低下した。

○持久力が低下した。

○立ちくらみや失神が起こるようになった。

○手足のけいれんや麻痺が起こるようになった。

○尿意が頻繁になった。

○性的機能が低下し睾丸が小さくなった。

○目の焦点が合いにくくなったり、目の痛みが起こった。

○耳鳴りや聴力の亢進が起こり、普通の音が耳障りに感じられるようになった。

○皮膚は青白く、冷たく、乾燥し、ガサガサになって痛みを伴うこともあった。

○毛髪は細く乾燥し、抜け落ちた。

○外見が年齢に比較して老け込んで見えた。

■イライラや無気力が起こった?!

○無感動・抑鬱・疲労感が増した。

○イライラや気まぐれが多くなった。

○セルフコントロールの力・理解力・集中力が減退した。

○知的作業を含む自発的動作が低下した。

○野心が無くなり、興味の範囲が狭くなった。

○日常生活に無力感を伴った。

○自分がやろうとすることと出来たことの違いに欲求不満を感じるようになった。

○性的興味の減退と性衝動が喪失した。

○外見や身だしなみについて無頓着になった。

○ノイローゼの傾向が強くなった。

○ヒステリー傾向が強くなった。

○騒音に敏感になるなど神経質になり、落ちつきのない、不安な状態であった。

○日常の雑用や義務をうまくこなせなくなった。

■おわりに

「ミネソタの実験」に関するお話はまだまだ続きます。私たちはテレビや雑誌の体験談から、ダイエットによってどんなに素晴らしく、生き生きと、魅力的に生まれ変わることが出来るか、と言うメッセージを受け取ります。しかしダイエットには、それらの記事に決して書かれることのない「陰」があるのです。どうか「痩せさえすれば良い」「ダイエットさえすれば幸せになれる」と言う安易な発送に陥りませんよう、是非メルマガで勉強していただきたいと思います。